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「子育てをもっと楽しく!」から家庭で防災を考える。ママコミュ!ドットコムの取り組み

「子育てをもっと楽しく!」をモットーに活動の輪を広げるコミュニティ『ママコミュ!ドットコム』。その活動の軸にあるのは代表、出水眞由美さん自身の子育ての実体験。
災害が起きた時にふと感じた「この子とどうやって逃げよう」という思いから防災の知識を子育て中のママや地域の方々と共有する活動を始めました。阪神大震災を経験していない若い親世代や外国籍家庭、在日外国人に向けての防災活動も積極的に行なっています。

現在はコロナウィルス感染拡大の影響もあり施設へ出向いての防災講座『届ける防災』も実施。2018年から始めた『U-15のための防災カレッジ』では、子どもに向けて防災力を身につける連続講座を提供しています。参加者のなかには防災士の資格取得者も出ており、出水さんの息子、出水眞輝君は最年少の9歳で防災士の資格を取得。資格取得は防災の知識を得るモチベーションにもなり、取得するとまた、社会に自分がその知識を発信する自覚を持つことにもつながる−「子どもが防災を伝えるインパクトは大きいと感じる」と、代表の出水さんは言います。

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▲代表の出水眞由美さん

家族全員で防災に取り組む出水家。一番小さな単位の社会である「家庭」の中で育まれた防災意識の種が、今や地域を巻き込んだ取り組みにまで大きく育っています。生活の視点からより広い社会へ開いていくその活動のあり方に、私たちも日々の暮らしを出発点に社会課題との向き合い方を学ぶことができるのではないでしょうか。その中で、子どもたちが自ら声をあげ発信、行動することが社会の中でどのように活きてくるのか。2020年11月14日、YOLO BASE(大阪府浪速区)で開催された防災イベントにプレゼンターとして登壇した出水眞輝君を取材しました。

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▲イベント会場となるYOLO BASE

取材レポート

ビシッと制服に身を包み自分の名刺を差し出す出水眞輝君。名刺を持つことは、プロの防災士として気持ちが切り替わるスイッチであると同時に、トレーディングカードを集めるような楽しさも感じているようです。現在13歳の眞輝君は大阪市立水都国際中学校に通う中学生。今では防災について人前で話す機会も増えてきた眞輝君に、防災士になったきっかけ、防災士として大事にしていることなどお話を伺った後、当日のプレゼンテーションを見学させていただきました。

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▲名刺交換をした後、取材スタート


「防災士」とは、簡単に言えば「防災」の専門家。気象や医療など防災に関わる様々な分野で一定の学習を修め、認定試験に合格すると「防災士」となる。眞輝君は9歳の頃に防災士の資格を取得しており、最年少記録を持っています。
防災士になったのは、お父さんの影響がある、と眞輝君は言います。2016年に防災士の資格を取得した眞輝君のお父さんが地域の方々の前で防災について話す姿を見て「かっこいい」と思ったこと。また眞由美さんの『ママコミュ!ドットコム』の活動の中で、中学生の防災士の存在を知ったこともきっかけのひとつ。眞輝君は「中学生でもできるのなら、小学生の僕でもできるかなと思った」と言います。

防災士の認定試験は決して易しいものではなく8割の正答率が合格ラインだそうです。眞輝君は約半年間勉強を続け、努力の甲斐あって3回目の試験で晴れて合格。それ以降、防災士として活動しています。
防災を伝える上で大事にしていることを伺うと、「人の命に関わる仕事なので、裏付けのある正確な情報を伝えようと気をつけている」と言う眞輝君に、しっかりとプロの防災士としての自覚を持っているんだな、という印象を受けました。
13歳の自分が発信することの強みとしては、同世代(小学生〜10代前半)が「自分にもできることがあるのかな」と興味を持ち、気づいてもらえることがある、と。『U-15のための防災カレッジ』でも話をする機会があり、それがきっかけで小学生の防災士が3人誕生。自分の積み重ねてきた活動が少しずつ形になってきていると感じているようです。

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▲言葉一つ一つに防災士としての意識の高さが感じられます。

そんな眞輝君は将来的にも「人の命を助ける」ことに関わっていきたい、と語ります。眞由美さんの影響もあり幼い頃から国際交流に関わる機会に恵まれ、興味を持ち勉強していく中で知った「アフリカでは5秒に1人子どもが亡くなっている」状況。幼稚園のとき、このテーマで絵本を作ったところ国境なき医師団の目にとまり、日本の会長と会う機会を得ました。そして安倍前総理に手紙を出す、という行動力。「世界はどうすれば仲良くなりますか?」とぶつけた問いに対して、まずは人の命を助けることが大事だと学んだことが防災士となった今につながっている、と言います。理科の実験が好きだと言う眞輝君は研究者の道も考えているようです。

そしていよいよ眞輝君のプレゼンテーションが始まります。外国人の就労支援を行なうYOLO BASEでのイベントとあって、会場には外国人の姿も多く見られます。そこで今回は日本語に加え、英語での説明も用意し、スライドも使ってきちんと情報が届くよう構成されています。途中、外国人のお客さんに対して「どこの出身ですか?」と、軽いコミュニケーションも交え、各国で経験する災害の違いについても紹介、災害時に使える知識のクイズを入れるなど、聞いている人を飽きさせない工夫も忘れません。

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▲世界各国の災害を英語で紹介

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▲会場にいる子どもたちもクイズに参加

自身のYouTubeチャンネルでも防災の知識を伝えている眞輝君は、いろんな「伝え方」を作ることを楽しんでいるようにも見えます。お客さんに合わせ、伝わるよう意識して作られたプレゼンテーションや、堂々と語るその姿に、「子どもだからこのレベルで」と妥協しないプロ意識も垣間見えました。そして柔らかい空気の中、大人も真剣な眼差しで話に耳を傾けるその場の雰囲気。それは壇上にいるのが13歳の眞輝君だから、なのかもしれません。会場に集まったママと小さな子どもたちも眞輝君の語る様子に興味を引かれていました。

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▲真剣な眼差しで発表する出水眞輝君

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▲その様子に大人も子供も耳を傾けていました。

自信を持って語れることがあるから、自分の世界を広げ、周りの人を巻き込んでいける。自分の今いる環境を変える始まりの一歩は、素直な興味や社会に対する「なんで?」からはじまり、楽しみながら行動することなんだと、改めて教えてもらった気がします。
自身の通う中学校でも「防災部」創部に向け積極的に働きかけるなど「防災」を軸に活動の場を広げるその姿勢に、話を聞いているこちらがパワーをもらえました。
*2021年1月、晴れて「水都国際防災部」が承認されました。大阪市教育委員会調べでは初の防災部だそうです。

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▲家族全員が防災士の出水ファミリー。本日は色々とお話を聞かせていただきありがとうございました。

写真撮影:上山 敦司

《団体情報》ママコミュ!ドットコム
代表:出水 眞由美(いずみ・まゆみ)
所在地:大阪市天王寺区
Tel:090-1028-3719
http://mamacomu.com/
2013年の設立以来、子育て中の母親を対象とした学びと交流につながる諸活動を展開。この5年は積極的に防災啓発に取り組み、『U-15のための防災カレッジ』『みんなで防災!ごはんの会』等の自主事業の他、各自治体、企業、教育機関での防災講座を開催。また食育、親子の遊び、学びの機会を生活に根ざした視点で創出し、提供する。
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エイブル・アートSDGsプロジェクト2021の関連ページです。開催パートナー団体の活動紹介記事を掲載しています。プロジェクトの最新情報はこちらをご覧ください。 http://tanpoponoye.org/news/general/2021/02/393411413/