死と再生のワーク やや強烈

イーグルトライブ代表の濱田秀樹さんのシャーマニズムワークショップ@NPO法人りりあん 何回目だったかな。
忘れたけど、今日また開催した。


今日は初めての参加者が多く、それぞれ自分のパワーアニマルを探しにアンダーワールドに旅立った。

けど、2000年頃から濱田さんのシャーマニックワークに参加している僕はアドバンスコースのプログラムに従い、前に進む。
濱田さんによると、僕はもうアドバンス・コースの半分ぐらいを修了しているそうだ。
シャーマニック・プラクティショナーの資格はいらないし、正規でやらないで特別にやってもらっているので、もらえないだろうけど。

しかし、初心者と同時に参加しながら、それができるのは、ジャーニーの際に叩く太鼓のリズムとパターンが同じだからだ。
それぞれの進度に合わせて、こういう旅をしてくださいと説明しておけば、同じ太鼓の音に導かれながら、別々の旅ができるわけだ。
その分、すべてをケアしているシャーマン濱田さんの労力は大変なわけだが。

僕は今日は次の3つのジャーニーをした。
(1)アンダーワールドへ行き、最も嫌な方法で自分自身を解体してください。
そのあと、最も理想的な方法で自分自身を再統合、再生してください。
(2)光る玉を自分の中心にもち、光り輝いてください。
ただし、光を放つと周囲がしんどいので、自分の身体から一センチぐらいのオーラを放つような感じでキープしてください。
(3)風になって地球を旅してください。(四つのエレメントのそれぞれになる経験をするうちのひとつ。

今回は(1)のワークが強烈で(2)のワークとの関連も完璧だった。
寝不足もあって(3)は、寝てしまった。(;゜ロ゜)

(1)
「スピリットの力によって最も嫌な方法で自分をバラバラにしてください」という説明を僕にするとき、濱田さんは一度、言葉を切って他の参加者に「これはかなり進んだコースをやっています」と断わりを入れた。
通常、自分を刃物などで切り刻まれるなどのシーンを連想しがちな「それ」を、イメージのジャーニーの中でとはいえ、やれということは、言葉を聞くだけでも、ちょっとショッキングな要素があるのはわかる。
しかし、逆に僕はこう質問した。
「自己解体は基本的には僕にとって快感である。嫌な方法というのがあるか、どうか」
「今までのジャーニーでのあびさんの経験から、それがむしろ快感である可能性はありますね。他のをしますか?」
「あまりにも痛みを伴うとか、ゆっくりであるとか、嫌な方法というのはあるかもしれないので、やってみます」

ジャーニーが始まると僕は核爆発に見舞われて閃光を浴びた。
核戦争によるものか、原発事故によるものか、定かでなかったが、どちらでも同じことだと思った。
皮膚が焼けただれ、ぐしゃぐしゃになり、激しい痛みを伴う。
そこに無数の蝿がたかり、体が蝿で真っ黒になる。
スピリットは蝿の形をして登場したのだと思った。
蝿たちは僕の体に卵を産み付け、卵からは蛆が生まれた。
無数の蛆が僕の身体を喰い尽くし、僕は完全に解体した。
蛆は蝿に成長し、それぞれ四方八方に飛び去った。

小説『蝶を放つ』でも僕は解体を描いている。
しかし、それは細胞そのものを無数の幼虫にたとえ、蛹の中で液体となって完全変態し、数知れぬ蝶になって飛び立つという比較的ポジティブなイメージで描かれている。
蝶の中には醜い羽をもったものがあるという叙述があるにしてもだ。
しかし、蛆に喰い尽くされて蝿になって飛び散るというのは、蝶の全部が蛾みたいなやつであっても、それよりももっとひどいと思う。(;゜ロ゜)
喰われるとき、相当痛かったし、本当にひどい!

さて、再統合しなければならない。
しかし、蝿は四方八方に飛び去ってしまい、呼び戻す術が思いつかない。
そこに僕のパワーアニマルの、カモシカとダイダラボッチの中間的存在のような彼がやってきて、ふさふさとした胸の毛の中から透明に輝く水晶玉のようなものを取り出した。
これは蛹の中で液状化する蝶のような完全変態の昆虫でも唯一不変であり、再統合の核になる真核(?)のようなものだとわかった。
僕が横たわっていた(今はもう蝿として飛び去ったのでそこには何もない)土の上にその光る玉は置かれた。

すると世界中に飛び散っていた蝿たちが再び集合し始めた。
真っ黒な人体の形をした蝿の塊が土の上に横たわった。
真核が輝くと、蝿たちは液状化した。
初めは粘りがあったが、じょじょに透明でさらさらした水のようなものに変容していった。
純水のようなそれは人の形をした透明な袋に入っていた。
やがてそれは人としての神経や骨や肉を持ち始め、僕は人体として再生した。
しかも筋肉隆々として、皮もぴちぴちとして若返っている。
再生した僕が起き上がると、そのように死と再生をした無数の「虹の戦士」が地球上に存在するのがわかった。
僕らは言葉で打ち合わせはしなかったが、大挙してそれぞれ世界中の原発に群がった。
原発を防御しようとするシステムの人たちが、虹の戦士の群れを銃で撃ってきたが、弾はひとつも当たらない。
世界中の原発の制御室を制圧した虹の戦士たちは、停止レバーを引いた。
全世界の原発の格納庫に制御棒が入り、すべての原発が止まった。

帰りの太鼓の音が鳴った。
虹の戦士たちは互いをたたえ合った。
僕はパワーアニマルに真核の水晶玉を返すべきか聞いたが、
彼は「それを持って地上に戻るのが一番大切なことだ」と言った。
僕は帰路に向かった。

ジャーニーを終えて部屋に戻ってきても、身体の中心、胸のあたりにはあの水晶玉が輝いている。
僕は今までにないパワーに満ちた具象的肉体的存在としての自分自身を感じた。

僕はシャーマニックジャーニーの中でいつも指示もされていないのに、自己の解体を志向してきた。
今回初めて、ジャーニー自体の指示の中で最も嫌な方法で自己を解体するように言われた。
この「最も嫌な方法』というのは意外に重要かもしれない。
「死と再生」の死とは、醜く、痛みと苦しみを伴うものであり、美化しないことが重要かもしれない。
そして不思議なことに、指示によって、自己解体したとき、初めて僕は完全な再統合を得たように感じる。
この地上で限りなくパワフルに具象的に世界に働きかける存在に変容したような気がする。

シェアタイムにこのジャーニーを報告すると、濱田さんは「パーフェクトです」とひとこと言った。


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