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障碍から無碍へ(電動車椅子でGO!ほか)

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障碍と無碍について考えてきたこと。 電動車椅子ユーザーとなって、見えてきたこと。
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2020年3月の記事一覧

10歳でアスペルガー症候群と診断された甥 テルのおいたち (2)数学の道

承前

そのころから、今日という今日までテルには会わなかった。

僕の母の火葬で、久しぶりに親族が集まると、食事の席の席順で自然に過去の人間関係が浮かび上がった。

母の妹の娘(僕のいとこ)の息子は、もう2歳の頃から僕の娘を慕っていた。
昨日もそのすぐ前に座っていた。
25歳の青年だ。

テルは僕の息子のコスモをコスモにいちゃんと言って慕っていた。
コスモは嫁が二人目を妊娠中、コロナの心配もあって

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10歳でアスペルガー症候群と診断された甥 テルのおいたち (1) 将棋の道

甥のテルに会うのは久しぶりだった。弟の長男である。

私の母(テルの祖母)を火葬する火葬場の一階ロビーにその背の高い青年はいた。
23歳になっていた。

弟の転勤で岡山県の小学校に通っていたころ、幼いテルについて、特に何の異常も誰も感知していなかった。

岡山の少年野球のチームでのびのびと野球をしていた。

しかし、5年生で大阪府枚方市に転校してきたときから不適応は始まった。

(ちなみに、テルよ

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バカしかいないJRの話

 さて今日のボヤキ漫才のはじまりはじまり。御用とお急ぎの方はスルーしてください。

 今日のヘルパーは60すぎぐらいの女性で、坂道で「はあはあ」いうとき、気を使う以外は特に欠点なし。ゆえにその先に行こうと思い、ホームでは線路と車椅子を平行にしてブレーキをかけてください、6キロ以上のスピードの出る電動車椅子は軽車両だけど、それ以下のスピードの車椅子は道路交通法上、歩行者なので原則は右側通行してくださ

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大阪の路面電車に車椅子で乗る

 さて、新今宮からの阪堺線である。まず無人である。てことは、スロープなしか・・・。掲示板を片端から見る。1970年代の過激派の手配写真が貼ってある。
 こんな学生写真貼っても今、じいちゃんだよ。しかし、昔は銭湯などで見たが久しぶりに見たな。なんでここだけ残ってるんだ。やっぱりこのあたりに潜伏していると思われているのか。それって偏見でしょう。
 おっとそんなこと考えている暇はない。スロープはどうした

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昔ながらの歯科医の話

旅の途中から痛くなりはじめた歯。帰ってきたら日曜だったので、今日やっと歯医者に行った。今は実家に住んでいるから、超久しぶりに実家近くのF歯科に行った。
 子どものときに行ったことがある。あのときの歯科医が今も現役なのか。息子さんの代なのか。代替わりしてないとすると、機械は古いのか、最新の歯科医学を取りいれているか、それとも昔の歯科医だからこその技を見せてくれるのか。
 などと考えながら行った。僕

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バリアフリーから無碍へ

 (仏教を勉強したことのある私は)バリアフリーという言葉は、無碍、サンスクリット語のamitta、漢訳(音訳)経典の阿弥陀を英語にしたものではなく、福祉用語としてまったく別のルーツを持つものであることについて、改めて意識しようと思った。バリアフリーを漢訳仏典の無碍のことだと思うのは、この英語からの外来語にサービスしすぎだ。
 無碍というのはすべてに染み渡るように浸透して何物も妨げにならない融通無碍

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車椅子の入れないauショップ

車椅子の入れないauショップ

説明しよう。
写真のauショップは車椅子では入れません。
まず車が駐車しているときは、車と車の間に車椅子の通れるスペースはない。
また駐車していなくても、車止めと隣の駐車スペースの車止めの間は狭いので車椅子は通れません。
唯一、駐車してないときなら、駐車スペースのど真ん中、車止めと車止めの真ん中なら、車椅子が通れます。
しかし、なぜかその先に赤白の妨害物があります。
これは何のためかよくわからない

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