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【読了】明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法

著者:佐藤 尚之氏

さとなおさん3冊目。やっと2015年。前著の明日のコミュニケーションから情報量が加速度的に増えた砂一時代(生み出される情報こと砂粒はビーチのたった一粒に過ぎないよという例え)を迎えて、伝える仕事をする人たちはどう立ち向かっていくべきか、事例を交えた話とプランニングに関する自己啓発のような内容だった。

■マイルドヤンキーは確かに実在する(砂一時代の前を生きる人たち)
まずもって大事なのが、伝えたい相手は誰なのかということ。そんなとき砂一時代の前と後という例で、マス中心の生活環境かネット中心なのかという話があった。ネットのリテラシーにも関わるけれど、マイルドヤンキーがテレビだったりショッピングモールだったりに生息しているというのがすごく共感した。今はYouTubeもかなり浸透しているようだけれど、情報があふれている中で、多く接するメディアが人によって異なるから、一概にM1,F1とかで区切れないよという話。

■砂一時代に生き残る術~ファンベース~
・伝えたい相手(ターゲット)
・伝えてもらいたがっている相手(ファン)

伝えるべき相手を適切に把握して、オーガニックな口コミで情報を伝えてもらうことが砂一時代で情報を伝えることの極意。本当に、情報が伝わりにくくなっているということを前提に考えつつ、共感を生みだすことができればソーシャルグラフによって瞬く間に情報が拡散されることも意識しておきたい。
それだけ慎重に伝えるべき相手のことをよく知ろうとすることが必要。友人・知人のおすすめが最強って言われているけれど、自分の周りだとあんまり熱心に広めてる人っていないなぁ。商品やブランドに関しての意見(ポジ・ネガ)を発信してるひとってあんまり周りにいないかも。映画、漫画とかコンテンツが多いかな…。整理するとTwitterで活発に投稿しているリアルな友人はほとんどおらず、Instagramでオススメとかハマってるもの、共感を呼び込むコンテンツを見かける機会が多い。んで。Facebookのともだちは意見とかレビューにちかい投稿が多い気がする。
ちょうどTwitter使い始めて10年経つけど、〇〇なう。みたいな使い方ってもうしなくなったなぁ。年齢の問題か、メディアに対しての向き合い方(情報収集ツールとして活用)の問題なのか…。おもしろい。
あとそうだ、忘れちゃいけないのが生活者が属しているさまざまなトライブの話。自動車のプロモーションの事例で、メーカーとしてはラグジュアリーなブランドで売りたかったけど、実際に買っている人たちは実用車(サーフィンとか楽器、園芸)として使うひとたちだった。だからそのひとたちに届くようにメディアニュートラルなプロモーション設計をしたと。もっというと低金利ローンが組めるキャンペーンを実施したり。明日のコミュニケーションにも出てたけど、面白い話。

■100%で勝負するためのプランニングの型
筋トレと同じで地道な基礎トレーニングの積み重ねが必要とのこと。うわべのテクニックや成功事例をインプットしてできる気になるのではなく、型を抑えておくべき。繰り返せばやがてどんな課題でも70点取れるプランニングができるようになる。

伝わらない時代の「伝わる」プランニング
・情報砂の一粒時代以前の生活者
ネットを日常的に使わないレイトマジョリティ、ラガード・・・情報はまだ伝わる(直接リーチ)

マスベース

・情報砂の一粒時代の生活者
ネットを日常的に駆使するイノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ・・・情報はもう伝わらない(直接リーチ、友人・知人を通す間接リーチ、ファンを介するオーガニックリーチ)

ファンベース

マスベースとファンベースのプランニングを組み合わせ(どっちも大事)
ファンからオーガニックな言葉を引き出す
1.社員という最強のファンの共感を作る
2.ファンをもてなし、特別扱いする
3.生活者との接点を見直す
4.商品自体を見直す。ファンと共創する。
5.ファンを発掘し、活性化し、動員し、追跡する。
6.ファンと共に育つ。ファンを支援する。
7.ファンとビジョンを分かち合う。

アイデア(共感を生みだすためのアイデアは個の存在や意思が入っていないと伝わらない。一般論ではだれも振り向かない)

伝えたい相手を笑顔にする

さらに伝えたい相手を絞り込むときのポイント
・砂一時代の生活者であるかどうか
ネットを駆使しているタイプやアーリーアダプターが大勢いるかどうかを検証
・そのトライブにリーチしやすいかどうか
直接リーチや間接リーチで接触しやすい場所やメディアがあるかどうかを検証
・そのトライブの結束の固さはどうか
情報がそのトライブ内でかけ巡るか(共有されやすいかどうか)を検証
・より熱心なトライブはどれか
オーガニックな言葉が起こりやすいトライブかを検証
・予算的に適切か
リーチするのにすごく予算がかかるのは効率的ではないので、それを検証


砂一時代だから、自分らしさという個を仕事で表現できるようにしていきたい。そんな読後感だった。
最後に・・・引用されていた松井秀喜の言葉が印象的だった。きっちり現在の自分の100%を発揮することが大切で、自分で100%を知っていれば決して緊張はしない。
うーん自分の100%が分からずも、どこか妥協して70%で手を抜いたり、がむしゃらに120%で背伸びしてみたり、、そうじゃなくてちゃんと自分の実力を見極めて、今の自分の100%でできる、できないをジャッジしなくてはならない。できないなら、どうすればできるのかを整理して考える。なるほど確かに自分のことを客観的に見ようとすると迷いもなくなるし、冷静になるし、息がしやすくなるのだなと感じた。

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