自殺が他殺を上回るようになった米社会の「病巣」

アメリカでの自殺率が上がっている。人口10万人あたりで、何人自殺したのか、というのが一般的な指数のようだが、現在、アメリカの平均は人口10万人当たり13.7人の自殺率で、世界で34番目。日本はもう少し高く、14.3人で第30位だ。

アメリカ疾病管理予防センターによると、この自殺率が、2007年から2017年の10年間で24%も上昇した。ことに10歳から24歳の青年層の自殺率にいたっては56%も上がったという報告が出され、アメリカ社会は驚きを持って受け止めている。

青年層では他殺も増えており、こちらはとても重苦しいが、そちらのほうの増加率は18%と3分の1で、自殺率の増加だけ飛び抜けている。この状況について、同センターの統計士であるサリー・カーテン氏は、かつては殺人による死亡率が自殺率を上回っていたのに、この10年で逆転したと記した。

いまや、自殺が事故死(自動車事故または薬物中毒などによる)に次いで2番目の死亡原因となり、アメリカ社会も戸惑いを隠せない様子だ。

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