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大学院卒がCADDiで活躍できる理由

こんにちは。創立5周年記念noteの18日目を担当します、キャディ株式会社の阿部です。
なお、これまでの創立5周年記念noteは以下にまとめられています。
https://caddiinc.com/m/me62552818b14
2020年1月に入社し、原価計算を司るプロダクトのマネジメント、オペレーションマネジメント、SCM、事業企画などの役割を通じて、主に原価計算、発注先パートナーの選定/立ち上げといった領域の成功事例創出と仕組み化を進めてきました。
現在はコストアナリティクスグループのマネージャーとして、製品の適正価格の算出および実現をミッションに仕事をしております。

このnoteでは「大学院卒がキャディで活躍できる理由」について書きます。

私は製造業のバックグラウンドもなく新卒2年弱でキャディに入社し3年程おりますが、上記の通りこれまでの業務領域は多岐に渡ります。そのように動けているのも大学院での研究による頭の使い方、人の巻き込み方によるところが大きいなと感じているからです。

私の仕事は端的に言うと、金額の決まっていない物の値段を決める仕事です。

一品一様な金属加工部品の価格はどの加工会社で作るか、いくつ作るか、品質基準はどの程度か、納期、市況的に材料費がいくらか、顧客が今その部品をいくらで買えているのかなど多数の要素によって、適正価格が変わりうる不安定なモノです。私が所属するコストアナリティクスチームでは価格を決定する要素を構造的に整理し、データ分析を通じて業界としてのあるべき価格の仮説を作ります。ただそれは仮説にすぎないので現実のものとすべく加工会社毎の特徴をヒアリングと分析を通じて理解し、経営者との交渉と現場での製造改善によって実現していきます。

私が実施するデータ分析はいわゆるデータサイエンティストが行うようなカッコイイものではありません。上記の事情からもお察しかもしれませんが、扱うデータは統計的に解析して解が出せるような堅いデータではなく、感情的な変数、定性的な変数も多分に混在するというデータ分析屋泣かせなデータたちです。

そんな状況下で私を助けてくれるのは大学時代に触っていたRでもSPSSでもなく、アカデミック論文のフレームワークIMRADです(excelも)。

アカデミック論文はIMRADという文章構成の型式に沿って記述することが多いです。IMRADとはIntroduction, Methods, Results And Discussionの略です。主に実証研究に基づく自然科学、工学、医学、社会科学、一部の人文科学の論文において、この形式がよく採用されています。

前職から私は「やったことないが特に研修とかもなくぶち込まれてなんとかする」という環境に置かれてきたこともあり、「分からないことが多いけどとりあえず拾える情報を効率的に集めてなんとなく全体観を理解して、色んな仮定をおいてファクトに基づく結論を一旦出す」という仕事の進め方が沁みついてます。これは非常にIMRADのフレームワークと相性がよいと思うのです。

どんなところがIMARDのフレームワークとスタートアップでのデータ分析の仕事は相性がよいかというと、

  • 目的から考える:

    • IMARDのI, Introductionは背景、仮説、目的に分解されます。要は当該研究の背景となるような先行研究の紹介を通じてどんなことが分かっていてどんなことが分かってないのかを記し、分かってないことに関して「私はこう思うんだよね」と仮説を書き、「その仮説を検証するよ」という目的を明記します。まさに「イシューからはじめよ」を地でいっている訳です

  • スコープを定義する:

    • IMARDのI, Introductionではその研究で何を目的とし、逆に何を捨てているのか明確にします。またM, Methodsでは目的を満たすのに十分なデータを扱えているかを記します。ビジネスにおいて色んな役職/役割の人が集まると持っている情報も関心事も異なります。データの妥当性に疑義が入ったり、前提認識がズレていて議論が進まないことは多々あります。最初に分析のスコープを定義することで議論の寄り道を減らし自身の推進力を向上させます。

  • 事実と解釈を分ける:

    • 研究室では卒論/修論発表の練習、日々の論文輪読で研究室のメンバー、先生から入る「その示唆は分析結果から飛躍してませんか?なぜこういう示唆ではなくその示唆を主張するのですか?」といった指摘に毎日晒されます。いわゆる「事実と解釈を分けろ」ってやつです。これを毎日毎日やっている訳なので、仮説思考が超強くなります。

  • Future works として残論点を切り出す:

    • アカデミック論文はリレーのようなものです。先行研究を踏まえてまだ解き明かされていないイシューを解明し解釈を加えます。そしてまた新たな問いを生み出し、別の研究者にバトンをつなぎます。ビジネスにおいてもある1つの分析であらゆるイシューを解決しようとすると目的がブレて分析も濁り、結果も示唆もブレ、一生終わらない分析をすることになります。そのためIntroductionで背景と仮説、目的を定義し、Methodsで分析方法の詳細を定義、Resultsで誰が見ても解釈が揺るがない結果を記述する、Discussinosで結果に基づく解釈を記述し、最後Future worksで残論点や本分析での限界を示し次のタスクとして切り出す。この一連の思考が変化の激しい状況下で早く確からしい結論を出すことが求められるスタートアップでのデータ分析において非常に重要だと思うのです。

IMARDのフレームワークは全ビジネスパーソンにとって有意義なフレームワークだと思うのです。

IMARDは下記のような砂時計のような図であらわされることが多いです。
広い視点から前提をおいてスコープを絞り、シャープな仮説を設定する、そのシャープな仮説にダイレクトに応える分析結果を記述する、その揺るがない結果(ある前提条件において)に対して解釈をつけ文字通りDiscussionを生みだすという流れは別の言葉で言い換えると発散→収束→発散という思考プロセスを辿っているともいえます。
これはあらゆる仕事にも普遍的な型だと思います。

おわりに

自分でイシューを設定しデータ分析や交渉・改善を通じて付加価値を提供し次の人にリレーするという仕事をずっとしていきたいし、そういった仲間が増えるとうれしいです。
「こんな示唆を見出したんだけどおもしろくない?どう思う?これからぼくらはどんなことができるかな?」というバトンを渡すので受け取ってくれる方いましたらご連絡ください!

■会社概要Q&A
 https://recruiting.caddi.jp/recruit/event/meetup_friday
■創業5周年記念 キャディCEO/CTO対談ウェビナー
https://recruiting.caddi.jp/recruit/event/mhB-YpGb
■募集ポジション
JP-BIZ:https://herp.careers/v1/caddi
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