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フィンランド学校視察記 1Hyva! 目的志向


ユニセフの先進国38か国の子どもの幸福度を調査した「レポート16」によると、日本は身体的健康が1位であるが、精神的幸福度は37位。

なぜ体は健康なのに、心は健康でないのか。
とても疑問に感じた。

気づいたら、世界幸福度ランキング1位のフィンランドに飛び立っていた。

このnoteでは、フィンランドの学校視察記をまとめていく。


①目的意識がはっきりしており、無駄がない学校教育

「学校は子どもたちが幸せに生きるために学ぶ場所。」
フィンランドには、この価値観が根底にある。

あくまで学校は学ぶ場所であり、生活に関することを指導するのは家庭での役割と捉えている。

それに対比し、日本の学校は生活に関することも指導している。

制服の着方、ピアスなどの装飾品、放課後の非行などの指導が行われている。

その点において、「子ども達が幸せに生きるために学ぶ」という目的が見えなくなり、「指導する」という方法だけを見てしまっていないか。

フィンランドの考えでは、ピアスやヘアカラーをして自己表現ができ、子どもが安心して勉強できるのならそれでいいのではないかというものであった。

言われてみたら、確かにそうだ。

”自分らしさ”があると、安心する。

フィンランドの教育は決して「自由」というわけではない。

「子ども達が幸せに生きるために学ぶ」という目的がはっきりしており、その目的を果たすための方法が多様にあるだけであった。


②多様な学習

例えば、幼稚園教育において、数字を学習する。

8の字のカーブを描きにくい子がいる。

そういったとき日本ではうすく8を描いた字をなぞらせるのが主流だろう。

しかしフィンランドでは子どもたちにお馴染みのミニカーを使う。

ミニカーに絵の具をつけて走らせると、なんと8の字が書ける。

これに子どもは目を輝かせ取り組んでいた。

「ミニカーの本来の使い方を間違っている」
「子どもが家で真似したらどうするんだ」
そんな声は日本で聞こえていないだろうか。

ミニカーで8の字を書く練習をする子どもたち


③学校保健における目的志向

日本では、むし歯の予防に昼食後の歯みがきが進められている。

しかし、むし歯を予防するという目標から考えると、キシリトールガムも有効であるが日本の学校保健においては進められていない。

フィンランドはキシリトールで有名な国であり、学校では昼食後にキシリトールガム(正確には口に残らない食べられるガム)を配布している。

ガチャガチャのようなものを置いて、給食の下膳のときに子どもが自由に取れるようになっていた。

食堂にあるキシリトールガム


目的がはっきりしており、その方法は目的に基づいて多様に取り組んでいく。

フィンランドのこういったところが、子どもたちの柔軟な考えを育んでいるのではないか。

「目的から考える」なんて、考えれば当たり前のことであるが、それを忘れていた私は目から鱗であった。

私と同じように、目的志向を忘れてしまった教員は多いのではないか。

自分自身、この行動はどんな目的があるのか見直していきたい。


2Hyva!へ続く


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