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「なぜ旅行に行くのか」を問う時代

本日はこちら。

バンバンホテルは建つようで

どんな旅行をしたいかと今質問されたら、瞬間的には、マスクをしないで人混みをブラブラできる旅行と答えるだろうなと思います。今はもう当面そんなことは不可能のような気持ちにさせられますが、そのうちまたそういう日がくるものと期待しています。

例えばスペイン風邪の流行を見てみても、半永久的に流行することなど勿論なく、集団免疫を獲得することで収束していきました。新型コロナウイルスが同じような期間や挙動を示すという保証はないかもしれませんが、いったんはそういう短期間での収束を前提で考えてみたいと思います。

つまりこの先1年〜2年ですっかり新型コロナウイルスは収束し新たなパンデミックも起こっていない場合を想定してみたいと思います。

そういう前提であったとしても、もちろん、新型コロナウイルスは記憶としての爪痕は残り続けるでしょう。

例えば、「またどのような疫病が流行るかも分からない」、「そもそもインフルエンザだって十分怖いよね」とみんな思い続ける可能性は十分にあるでしょう。だから、アルコール消毒やインフルエンザ流行時期の冬季のマスクの徹底などは過去よりもしっかりするかもしれません。

とは言え再び世界は往来が回復し、日本にインバウンドの旅行者が復活する前提を考えた場合には、これまでの通り日本のホテル需要はまだまだあり得るという話になってきます。

実際の日経の記事を見てみても、世のホテル経営に関わる人たちや会社はGo toのような短期的な政策とは関係なく、観光需要そのものが回復していくことを前提にした動きを着々と進めているように見えます。

ここ数日の日経電子版を検索するだけでも、これだけ多くのホテルの開業に関する記事が出ています。どれも以前から仕込んでいたものと思われ、アフターコロナを見越して長期的なスパンに立って建設を継続Goとしているのかなと思います。

明暗を分けたもの

経営的に見れば新型コロナウイルス収束後に開業するホテルが一番有利ですし、二番目は収束後まで体力が持ったホテルであり、それ以外は倒産という結末になるわけです。

これは逃れようのないルール変更です。

新型コロナウイルスの収束まで持つかどうかわからない既存のホテルにとっては苦行の時代だと思います。もちろん、手を替え品を替え、あるいは業態を変えてでも乗り越えることに知恵を絞ることは現時点では大切だと思います。

利用者からすれば、そういった新しいルールは、新陳代謝を促し業界全体がアップデートされて、より国内観光が魅力的になるかもしれない点では、良い側面であるとも言えます。

上記の記事をみてもわかりますが、攻めの姿勢をみせているのは、世界的なホテルチェーンと大手デベや大手ハウスメーカーという組み合わせが多く、体力的に厚いところが多いです。

だからといって、アフターコロナが単純に財務的に優れている点だけが、競争力になるのかと言えばそれだけではなく(もちろんそれ自体も成功の遠因たり得ますが)、より大事なのは「高級」や「ロードサイド」などこれまで築いてきたコンセプトとブランドが明確で尖っている点だと思っています。

そもそもなぜ旅行に行くのか?

どんな旅行がしたいのかの前に、そもそもなんで人は旅行にいくのでしょうか?その理由をいちいちここには挙げてはいきません。しかし、新型コロナウイルスの流行前との劇的な違いは、潜在的に多くの人が自分自身や周りにこの問いを投げかけざるを得なくなったことだと思っています。

「あぁ、前みたいにどこそこに行きたいな」という【どんな旅行がしたいか】を人は瞬間的に思い浮かべます。新型コロナウイルス流行前は、そうしたぼんやりした欲求がそのまま人を旅行に向かわせていました。

しかし、それができないとなった時に、人は改めて自分に問うのです、【なんで私は旅行がしたいんだっけ?】と。直接的に問いかけるとは限りません。

例えば、代替手段として何ができたら満足できるか?を考えることも、本質的にはなぜそういった旅行に行きたいのか?を問うことになります。何の要素が旅行を旅行たらしめているのか?ということです。

そうなってくると自分を言い聞かせるプランを探すことになります。

具体的に言えば、事前の情報収集をしっかり行って旅行にでかけたり、ブランドやコンセプトが明確で自分が楽しいと思える旅行が必要になってきます。

もう我々はなんとなくは旅行には行けません。

言葉遊びではないですが、「なんとなく旅行に行く」ということですら、一つのコンセプトとして意識をせずにはいられなくなってしまいました。純然たる無意識な旅行ができるようになるには、我々は相当な時間を要することになると思います。

つまりそれは、フォーマット化されたよくある旅行に行くのが難しくなったと言うことだと思います。

例えば、あの旅行代理店のカウンターにあるチラシ、あのくらいの値段で、あのくらいのホテルに泊まって、あのくらいの特急列車に乗る旅行。

そう、あれです。

例えば、京都に修学旅行にいくことは当たり前のことなのか?という問い。本当は当たり前じゃないはずですが、盲目的に当たり前だと思ってきました。しかし、我々は改めて問うことになったのです、なぜ中高生の旅行は一度は京都なんだ?と。別に近場でいいのではないか?行けないくらいな近場の方がマシなのでhないか?と。

盲目的なフォーマット化された旅行は厳しくなっていき、そういうフォーマットに準拠してきた旅館はホテルは淘汰されるのだろうなと思います。

肝心のどんな国内旅行にいきたいか?

以上を踏まえると、カッコつけた息苦しい旅行をプランしてしまいそうです。自分に理由を問う時、どうしても人からどう見られるか?も要素に含まれてしまいます。思い出話を誰かにできるような経験になるかどうか?みたいなネタや今時ならSNSで映えるかというのに左右されるのも分からなくはありません。

しかし、それが本当に楽しい旅行かと言えば、その保証はないわけです。

そうなってくると旅行についてのメンターが必要でしょう。自分は本当はどんな旅行だと心底楽しいのか・・・なぜ旅行がしたいのか・・・そうやって深掘りした、今時で言えばファシリテートされた上で、自分が本当に行きたい旅行を考えないと、旅行が辛いものになってしまいます。しかも、それを予算内で達成しないといけません。

もはや、人生やキャリアパスとなんら変わらない気がしてきました。

ということで、僕個人としては、仕事に精を出す、自分のキャリアをしかるべき人に相談しながら決めていくことに今は注力したいと思います。

旅に出る前からあれこれ考える必要があり疲れてしまいそうなので、今は旅行には行きたくない、というのが結論となりました。

ということでまた。

#日経COMEMO #どんな国内旅行したいですか

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