毎日、連絡帳に振り返りを書き続ける その2
前回のnoteでは、「振り返りを書くことのよさ」や「連絡帳に振り返りを書く際のポイント①~③」を記述しました。
今回のnoteでは、「連絡帳に振り返りを書く際のポイント④~⑥」を紹介します。
4.自分のしたことやその時々の思いを付け足す
4月~5月上旬にかけては、一文視写を続けながら、子供が使える文字を増やしていきます。
5月中旬頃から、一文視写に付け加えて、子供が自分のしたことやその時々の思いを記述します。
例えば、5月中旬~6月中旬頃の連絡帳の振り返りは、以下の通りです。
ねんどをしました。うさぎをつくってたのしかったです。
たいりょくてすとをしました。はんぷくよことびをがんばりました。
あさがおさんのめがでました。はっぱのかたちがちょうちょみたいでした。はっぱがかわいかったです。
子供たちが付け加えた「○○がたのしかったです」、「○○をがんばりました」、「○○みたいでした」、「○○がかわいかったです」などの言葉を学級全体で共有することで、次に振り返りを書く際に他の子供も参考にすることができます。
例えば、共有の仕方として、連絡帳を見せに来た時に学級の子供たちに伝えたり、「がんばりました」などのフレーズを短冊に書いて教室に掲示したりする方法があります。
そして、振り返りを書くことを続けていくと、「もっと書きたい」、「長く書いてお母さんに見てもらいたい」などと伝えてくれる子供がいます。
そのような子供の言葉や、少しずつ詳しく振り返りを書いている子供の連絡帳を紹介することも書く意欲を高めるために効果的です。
6月中旬から7月中旬にかけて、子供たちが書いた振り返りが以下の通りです。
たいいくでプールにはいりました。みずがつめたかったです。かおがつけられました。○○ちゃんと○○くんといっしょにみずかけをしました。はなまでもぐれてうれしいです。
おおきなかぶのおんどくはっぴょうかいをしました。いぬやくをしました。おおきなこえでセリフをいえました。とっても、ドキドキしました。まごやくの○○さんが、おおきなこえでセリフをいえていました。○○さんが、すごいなとおもいました。
1学期の終わり頃には、ほとんどの子供が、100字以上の振り返りの文章が書けるようになっています。
子供によっては、同じ内容の文章を繰り返し記述することもありますが、「長く書けて嬉しい」という気持ちを大切にします。
5.大判のひらがな表とカタカナ表を教室に掲示する
子供が自分のしたことやその時々の思いを付け加えていく際に、習っていない文字や習ったけれど忘れてしまった文字が出てくることがあります。
ひらがな表やカタカナ表を教室に掲示しておくと子供は安心して文章を書くことができます。
私の教室では、筆順が分かる大判のひらがな表とカタカナ表を用意しました。
この表には、濁音の「が」行、「ざ」行、「だ」行、半濁音の「ぱ」行、拗音の「ゃ」、「ゅ」、「ょ」も記載されています。
ひらがな表とカタカナ表は、用紙の大きさに合わせてプラスチックダンボールに貼りました。
こうすることで、ひらがな表とカタカナ表を自由に持ち運ぶことができます。
例えば、アサガオの観察カードを書くためにグラウンドに出た時など、教室以外で文章を書く必要がある場合に持っていきます。
また、連絡帳に振り返りを書く際に取り上げた文字は、ひらがな表やカタカナ表に赤丸をしていきます。
赤丸を付けることで、習った文字と習っていない文字の区別や習った文字が増えていくことが視覚的に分かりやすいです。
さらに、文字を書くことに抵抗感のある子供に対しては、「小さく印刷されたひらがな表やカタカナ表を机の上で見る」や「教師が記述した連絡帳を自分の連絡帳の隣に置いて視写する」、「子供の連絡帳に教師が鉛筆で薄く書いてなぞる」などの方法を取ることもあります。
子供の姿を見取り、実態や求めに応じて様々な方法を取る必要があります。
6.毎日、連絡帳に振り返りを書く時間を確保する
私の教室では、基本的に帰りの会を行っていません。
連絡帳に振り返りを書く時間を確保するために、帰りの会を行う時間を活用しています。
しかし、私の勤務する学校では、5時間目の学習が終わってから下校時刻までは20分程度しかありません。
連絡帳を書き始めたばかりの子供たちが、20分間で振り返りまで記述することは難しいです。
だから、最初は、5時間目の時間を全て使ってゆっくりと時間をかけて連絡帳を書いていきます。
少しずつ慣れてきたところで、5時間目の最後の15分間と下校までの20分間を使って連絡帳を書きます。
下校までの子供の活動の流れが、以下の通りです。
①ホワイトボードに板書してある日付や曜日、配布物、宿題などについて連絡帳に記述する。
②振り返りの一文を視写し、自分のしたことやその時々の思いを付け足す。
(慣れてきたら、振り返りの一文を提示しないで子供が自由に記述したり、「 」などを使って記述したりすることもある)
③書き終わったら担任のところに連絡帳を見せに来る。
④担任からコメントをもらったら帰りの支度をする。
⑤帰りの支度が早く終わったら読書や自由帳などをしてOK。
⑥「さようなら」をする。
私から伝えなければいけないことや、係活動をしている子供からお願いなどが出てきた時だけ、5時間目の後に短い時間を使って帰りの会をします。
このように、毎日、連絡帳に振り返りを書く時間を確保し続けることが重要です。
次回のnoteでは、ポイント⑦~⑨を紹介します。
ありがとうございました。
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