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MMT 現代貨幣理論とは②お金とは何か?あなたの常識は間違っていた!?

前回はインフレ率以外に国家には予算制約は無いことについて説明しました。あれを読まれた方でじゃあ税金って何であるの?とか、でもいつかは返済しないとダメなんでしょ?と言う疑問が出てくると思います。それについてはまた国債の仕組みと共に解説していきます。今回はMMTのもっとも重要な部分と言っても良い貨幣の仕組みについて解説します。またまた有料設定ですが、全文読めます。記事が良かったと思う方はぜひ投げ銭として購入して頂けると今後の励みになります^_^

さて、貨幣いわゆるお金ですが、お金ってなんでしょうか?普段何となく使われてる方が多いと思いますが、お金とは何かって考えてる方は少ないと思います。まずは一般的に言われていることからお話します。

〜物々交換の不便性から始まった〜

原始の社会は物々交換でした。漁師が肉が欲しければ魚を持って市場へ行き、肉を売ってる肉屋で肉と交換する。しかし、肉や魚を持って市場へ出かけるにはかさばるし、保存も効きません。肉屋も魚は要らないかもしれませんし、魚と肉を同じ価値で交換する判断基準がありません。みんなが価値を認めていてかつ腐ったりして変形しない物を物々交換の代わりに使い出しました。それが塩や穀物だったり、最終的に金貨になりました。貨幣の誕生です。しかも金貨は貯めることが出来ます。こうして、物々交換の代わりに金貨で物を手に入れるようになりました。しかし、やはり金貨も多くなればかさばりますし、保存するのにスペースが要ります。そこで、金貨と交換を保証した保証書が流通するようになります。これが紙幣の誕生です。やがて、金との交換は無くなりましたが、それでも皆が紙幣を使っているので使っているんだ!と言う風に説明されます。これを商品貨幣論または金属主義と言います。で、長々と解説して大変申し訳ないのですが、

これ全部間違ってます!

実は過去の文明において物々交換で成り立っていた文明は発見されていないことが分かっています。じゃあ貨幣って何なんだよ?ってことですが、MMTは貨幣のことをこう説いています。

貨幣とは債務と債権の記録である!

何のこと?と思われるかもしれませんが、順を追って説明します。まず、先ほど話した漁師と肉屋の交換を例えに出します。漁師が「肉が欲しい」肉屋が「魚が欲しい」と綺麗に思いが一致するのは中々無いと思います。例え一致してても季節外れだったりで手に入らないこともあり得ます。なので物々交換で取引するのは原始的な社会と言えども相当厳しい物があります。ではどうするか?このようにします。漁師は肉屋で肉を手に入れる時に「秋に魚100匹を渡す」と書いた紙や石もしくは文字は使わず内容が分かるような証を渡します。言わば肉の弁済のために魚を渡すと記録された証書を肉屋は受け取る形になります。そして、肉屋は別に秋が来るまでそれを律儀に持ってる必要はありません。肉屋が包丁を欲しければその証書で鍛冶屋で包丁の弁済に支払ったって構わないのです。鍛冶屋も鍛冶屋で何かの支払いに使っても構いません。つまりこの段階で「秋に魚100匹を渡す」証書はお金としての役割を持ってることになります。そして、冒頭で話した通りこの証書は魚を渡すと言う記録以外の何物でもありません。これがなぜ生まれたかと言えば漁師が肉屋で肉を手に入れるために債務を負い、漁師は肉屋に債務を負った証として証書が作られました。つまり記録です。これはあくまで例えですが、実際古代メソポタミア文明でこれに近い取引があったことが分かっています。古代メソポタミアでは小麦を貸し付けた時に「○○に小麦を○○分渡す」と言うことを記録した粘土板が見つかっており、これが流通していたそうです。ココから分かる通りお金とは債務と債権の記録で、もっと端的に言えば取引の情報でしかないことが分かります。だから電子マネーやクレジットカード、はたまた口座振込でも支払いができるのです。お金は物でも商品でもないからです。しかし、ここまでの話で気付かれた方もいると思われますが、上に挙げた話は全て何かの裏付けのある貨幣となります。でも、現代の貨幣には何の裏付けもありません。じゃあどう言う理屈で発行しているのか?ってことになりますよね。次回は現代の貨幣の仕組みについての説明をしていきたいと思います。とりあえず、古代も現代も貨幣は債務と債権の記録である!という事を覚えておいて下さい。これが重要なキーワードになってきます。

最後まで読んでいただきありがとうございます^_^

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