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空気を読み合う世界と同調性:起 (仮題)

常日頃から心にあるアイデンティティのひとつに、
自由になりたい!
というものがある。

10代の頃はがむしゃらに
「大人の言うことなんて聞くものか!」
「俺に命令するな!自分のやりたいようにやるんだ!」
なんてことを吐き出しながら、他者を否定し自分を肯定することが自由なんだと勘違いしていた。

それから少しオトナになって社会へ出るようになるのだが、やはりそこでも
「このデザインを赤に変えたいなら、そのことでどのように利益がでるのか会議で説明してください」
「メーカーから協力金を頂いているので、Aの方が美味しいのはわかってるのですがBを使用するようにしてください」
と、会社の決めたルールに根拠を見い出せなく、型破りなビジネスを強行することで自由になろうとしていた。

そうすると会社からは当然、正しい評価を得ることは難しい。
周囲が僕を肯定しないもんだから、「やり方、間違ってる?」と、頭に疑問符を伴いながら日々を過ごすことになる。
そんな上司に、部下がついてくるはずがない。

そんなこんなでどんどん孤立していくのだが、誰も僕を止めることなくますますやりたいことができるような環境になり「これが自由だ!」と勘違をしてしまう。
職場の環境はなんでもできるようになっているので(一見)自由なのだが、上司からは正しい評価を得ることができず、部下は誰もついてこない。
むしろ煙たがられて、じゃまをされることが多くなってきた。
嫌われているリーダーのいる職場は、誰も楽しくない。

結果、「僕は失敗した」と落ち込みながら、フリーになって独立した。


つづく

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