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サバクトビバッタの現状把握と影響に関する考察

AAICケニアの星野です。
今話題のサバクトビバッタについて現状をまとめてみましたので皆さんにシェアしたいと思います。

今年はコロナウイルスの話題で持ち切りですが、一部で報道されている通り、東アフリカ地域におけるサバクトビバッタの大繁殖による農業への影響が深刻な状況に陥る可能性があります。

今回はスライド形式で、「そもそもサバクトビバッタってどんな生物?」、「どこでどれくらいの影響が出てるの?今後の影響拡大の見込みは?」、「過去にも同様の繁殖は起きたの?」といった疑問にお答えできればと思います。


まとめ

・サバクトビバッタは数千万から億単位の群れをつくり、1平方キロあたり約4000万〜8000万匹まで繁殖する。1日130キロ以上移動し、約4000万匹の群れでも1日に3万5000人分の作物を食べ尽くす。

・2018年のサイクロンがきっかけの今回の流行は東アフリカで43万ヘクタールの耕地への影響、85億ドルの被害総額など大きな影響を及ぼしている。

・過去100年を見ても定期的に蝗害は繰り返されており、今回の流行は1950年代の大流行に匹敵すると言われている

・今回最も大きな被害を受けているのはエチオピア。被害総額30億ドル(推定)。東部の乾燥地帯に飛来している。

・ ケニアでは北部の乾燥地帯を中心に飛来。耕作地の40%に影響を及ぼすと言われているが、南部の主要穀物産地(トウモロコシやコメ)への影響は限定的。食糧の確保もできている。

・アジアではインドの砂漠地帯(ラージャスターン州)に飛来。ヒマラヤ山脈等があるため中国に侵入する可能性は低い

文章:AAIC (ナイロビ)星野

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