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2020年1番読まれた記事!「なぜ応募率が2.8倍跳ね上がったのか?」採用広報観点でエンジニア採用向けのスカウトメールで響いている部分を科学してみた。

ニッチ領域において圧倒的なシェアを誇るパッケージメーカーのエンジニア採用支援をさせていただいて約2.5ヶ月。

ダイレクトリクルーティングで使うスカウトメールをリニューアルした結果、応募率が2.8倍跳ね上がった。

スカウト返信後の面談にてどんな部分に興味を持っていただいたのか?
直接応募者の方にお聞きする中で、応募に至るまでの過程を詳細に聞いてみた結果「見えてきたこと」を公開します。

まずエンジニア採用支援のご依頼をいただく際に多いものとしては大きくこの2つがあります。

エンジニア採用での課題
・スカウトメールの応募率やエージェントからの推薦数を増やしたい。
(=母集団形成をしたい)

・選考辞退・内定辞退率を下げたい、内定受諾率を上げたい。
(=工数対効果を改善したい、決定率を上げたい)

*要は採用ができていないんだ!と。

これらの課題は、本業としているHR特化型のオウンドメディア支援業でもいただくことが多いので、以下の部分にも触れながら採用広報(または採用マーケティングなどと世間では言われている)の視点で書いてみます。

採用広報支援をする上でよくいただく質問
どんなコンテンツを作って自社をPRしたら良いのか?
エンジニアの方が興味を持っていただくための切り口は?

*参考記事:採用広報(=採用マーケティングとは?)
『【採用トレンド】人事は黒子をやめ、「届けたい人」目線で情報発信すべし』
*これが最近読んだ中で一番共感したもの。

スカウトメールの文面はシンプルにした方が効果が良い?!(スカウト文面量と応募率の相関性とは)

まず、以前使われていたスカウト文面はこちらです。
リニューアル前のもので、これは某採用コンサルティング会社が作成されたもの。

【リニューアル前のスカウト文面】

エンジニアポジション

・スカウト文面のダウンロードはこちら

プロジェクトリーダーポジション
・スカウト文面のダウンロードはこちら

*PCよりダウンロードいただけます。

ビスリーチやdoda Recruitersなどダイレクトリクルーティングサービスを提供している会社の知り合いに聞いても意外とあるある文面らしいです。

その理由は長文だと最後まで読んでもらえないと思っていて、シンプルなものにしているとのこと。

わからなくもないのですが、私がリニューアルする場合はシンプルさはあまり求めていません。
むしろ結構なボリュームで書いていることが多い。

スカウトメールを書くときに意識していること、実際にやっていることは何かを考えてみました。

スカウトメールを書くときに意識していること

量的な視点

・受け取っていただきたい層(=ペルソナ)に対して、必要な情報は全て記載する。
・ボリュームが多くなったとしても、読みやすさを意識してカバーすると大丈夫(だと思っています)。

質的な視点
・自社が書きたい内容=エンジニアが知りたい情報かを?考える。
・スカウト文面と求人票のそれぞれで「伝えたいメッセージは何か?=読んでもらった時の状態」を考える。
・文脈(=構成)の流れを考える。

結果的にできたのがこれ。

【リニューアル後のスカウト文面】

エンジニアポジション
・スカウト文面のダウンロードはこちら

プロジェクトリーダーポジション
・スカウト文面のダウンロードはこちら

*PCよりダウンロードいただけます。

スカウト文面を科学してみる。
何が応募率向上のための一番のキーなのか?!

文章の構成をまとめてみました。

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それぞれの項目と意識したことについて

評価点
職歴より魅力に感じた部分技術面(特に自己PR欄や自身の強みとして記載されている部分)と志向性面(こちらも同様)の2軸で記載する。

詳しく記載することがベストですが、ポイントとして箇条書き程度でも良い(と思っています)。

スカウトメールを送った理由
最近よく「こんな方にご案内しております」と項目として付け加えて、
出身企業群(SIer出身者など)や技術面(Javaを強みにされている方)など、自社が求めている簡単な概要まとめを記載することもやってみましたが、具体的に自分事としてイメージをお持ちいただき応募に至るケースも増えました。

他にも例を挙げると…
・UI,UXを意識した開発経験をお持ちである方(今後そういった知識や技術を習得したいと思っている方)
・大手SIer出身でより上流工程の経験を積んでいきたいとお考えの方..etc

会社概要
端的に箇条書きで書くことをお勧めします。
IR情報や簡単な計算で定量的に自社のPRをすることを意識する。

以前サラリーマンをしていた時に作った資料が以下。

今見ると、これはなんの数字だ?といろいろつっこみたくなるものもありますが(汗)、数字を出そうと思えばいくらでも出せますよということを伝えたいので添付しておきます。

名称未設定2.001

参考記事
これは絶対に添付した方が良いです。
応募率がほぼ2倍になります。(*内容によりますが…)
ここで記載しているのは、会社に関する参考情報です。
社長や役員の取材記事やプレスリリースなどでもOK。

採用背景
採用をするための目的にあたる部分。
「増員」と言えばそれだけなのですが、なぜ?という部分は必ず記載しています。
私がよく記載するのが、「事業観点から見る採用背景」。
事業のこれまでと(=過去)、現在とこれから(=未来)の3軸で記載していることが多いです。

現在:現状のシェア率や影響力など
過去:上記をなぜ達成できているのか?
未来:マーケットの将来性や変化の中で、今後どんなことをしていく必要があるのか?技術面は?会社としての大きなテーマは?などなど。

採用を通して実現したいこと(=ビジョン)
採用背景の「未来」の部分を詳細に書いているイメージです。
何をしたいのか?どうやってやるのか?という視点です。

上記を達成すべく、あなたにご案内してます
採用背景とビジョンを達成するために、あなたにご案内をしています。
という文脈です。

業務内容
採用背景とビジョンが見えると何が求められているのか?
どんなことをしないといけないのかがおぼろげに伝わっている状態を意識。

参考記事(ブログ記事など)
会社概要の参考記事とは別の視点のものを添付しています。
事業に関することや技術的なことなどなど。
事業の過去、現在、未来がわかるもの、実績、エンジニアブログなどを添付すると効果が高い。
*むしろ、これらを見て応募される方が大半(な気がしています)。

以前書いたこちらのブログもご参考にしてください。
どんなコンテンツが応募時に読まれているか?をまとめています。

年収
これはさらっと記載。

依頼事項
基本的にはカジュアルにお会いしたいと記載しています。



流れにするとこんな感じです。

あなたの○○な部分に魅力を感じてご連絡させていただきました。
「評価点」

実は○○な方と是非お会いしたいと思っていまして。
「スカウト理由」

申し遅れました。私こういう者です。
「会社概要」(自称)「参考記事」(他称) 

今こんなことをやろうと思っていまして…。
「採用背景」

結果、こんなことを目指しているんです!
「ビジョン」

なので、あなたにご連絡をさせていただいたんです!
「あなたにご案内してます」

そのために、こんなことをお願いしたいと思っているんです。
「業務内容」

やってきた中でこんなことがわかってきたんです!
「参考記事」(エンジニアブログなど)

こんなところで記事にしていただいたんです!
「参考記事」(取材記事やイベントレポート、取材記事など)

こんな条件でご検討いただけませんか?
「年収」

もっと詳細なことをお伝えさせてください!
「依頼事項」


欲を言えば、こんなものも入れたかったのですが…
文字数制限の関係上省略し、求人票に記載しました。


こんな仲間が働いているんです!
「社員紹介」

こんな環境があるんです!
制度や文化など

*文脈的には「参考記事」と「年収」の間でしょうか?

実は一番大切?!
スカウトメールの分量、内容ではなく…あるものがキーに。

採用広報(=採用マーケティング)観点で考えるとこんな感じでしょうか?
転職時におけるユーザーの行動とそれぞれの項目がカバーする領域をまとめてみました。

191004_FanReC会社紹介資料 (1).001

伝えたいこととしては、興味・関心を持っていただくために何をするのか?ということです。

人が興味を持つときはどんな時なんだろうと考えました。

こんなことがありました!こんなことをやっています!などの事実だけで興味を持つ方もいると思っています。
ただ、その事実の裏にある背景や意図、その過程など見えない部分を知って共感やおもしろそう!と感じた時に、大きく興味を持つものだと僕は思っているので、自分だったら興味を持つか?という視点を常に持っている気がします。


それは文章量や内容ではなく、「文脈」だと思っています。

まとめ

自社をどう魅力的に表現をするか?という視点を持つことが大切。
自社が魅力的に映る状態を作るために難しいことは何もないと思っていて、
自社の中に答えはあり、他社やマーケットはあくまでも自社を引き立たせるための素材でしかないというのが持論です。

素材集めと、あとはそれをどういう流れ(=文脈)でユーザーに届けるのか?を意識するだけで大きく変わってきます。

参考記事など、自社らしい表現物、表現方法を持つ意義は非常に大きい。
採用広報観点で伝えた内容と重複しますが…。
取材記事やブログ、社員のインタビュー記事などは自社にとって大きな資産になるので、用意しておくことは十分に意味があると思っています。

SNSなどが発展してきているので、どこで誰に読んでもらえるかわかりませんからね…。

結局運用力がものを言う。
スカウト文面の内容や構成は、それぞれのKPIである応募率など定量的にウォッチしていくことはもちろん、実際に面談内でどんな部分に魅力を感じていただけたのか?興味をお持ちいただけたのか?を詳細に聞いており、
そこから得られたフィードバックをもとに何度も修正しております。
文言や文脈の流れや順番などなど。(合計10回ほどは変えました。)
あとは参考記事の内容やエンジニアブログの中でもどんな部分に惹かれたのか?も同様です。
一般的なユーザー様が自社をどう認識(行動フローの興味・関心、理解の部分)したのか?は日々日々アンテナを張り、随時更新をしていくことが大切。


スカウトメール編が思った以上に長文となったので、求人票編は次回で…。

@hamadaysk


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