サカイド

稀に小説が投下されます。頑張るぞ。

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最近の記事

創作大賞、残念ながら落選してました…次頑張ります…!

    • 「シンガン~審眼~」第3話

      シーン① 屋敷の中。数々の絵画や芸術品が並んでいる、美術館のような一室。 部屋の中央に置かれているのは、一振りの剣だった。 「紹介しよう。これが聖剣デュランダルだ」 レイモンドの紹介に、カチュアは唾を飲んだ。 モノローグ「聖剣を鑑定する。この真贋に、互いの全てがかかっている」 レイモンド「刻限は一日。譲渡まで時間がないのでな」 レイリ「オーケー。始めるとするか」 シーン② 部屋に残された二人。出口に立つ、見張りの視線を気にしながら、カチュアは聞く。 カチュ

      • 「シンガン~審眼~」第2話

        シーン① 争う兵士達のカット。 モノローグ「かつて勃発した戦争から100年後」 「この国は水面下で危機に晒されていた」 王国軍の黒いコートを着た、無数の人影のカット。 モノローグ「審眼士とは、王国に潜む闇を暴く者達のことである」 レイリ「この店のエールは、管理が悪いなぁ~そう思わねえか、カチュアクン!」 カチュア「…」 酒場で食事を摂っている二人。 明らかに酔っているレイリ。彼を冷ややかな眼で見るカチュア。 レイリ「こんな酸っぱいエールを飲んでちゃ、体が腐

        • 「シンガン~審眼~」第1話

          あらすじ かつて戦争が起こり、発展した魔術によって、平穏を取り戻した王国。画商のカチュアは、とある裏オークションで贋作を売ろうと画策する。しかし、逆に開催者に嵌められ、絶体絶命の状況に追い込まれる。 しかし、そこに現れた謎の男、レイリ。彼は国家転覆を防ぐために、贋作に隠された魔術式を暴く『審眼士』と呼ばれる軍人だった。彼の力と、カチュアの知識にその場を逃れるが、カチュアは自分の父を殺した芸術への怒りを吐露する。そんな彼女にレイリは、自分の仕事の手伝いを誘うのだった。 かくして

        創作大賞、残念ながら落選してました…次頑張ります…!

          新年のご挨拶

          あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 (ヘッダー写真は、最近行った長崎駅) さて…あまりにも更新してなさ過ぎるnoteですが、あまりにもアレなので更新することにしました。 去年のことをダラダラ書きますが、職場の状況が変化しそうで、地味に変化しなかったり、それでいて過酷な状態が続いたりしましたが、概ね元気でした。(何故か年に三回ぐらい軽い風邪をひきましたが…) 小説については…頑張って進めてます。進めていきたい… 毎回言ってる気がしますが、no

          新年のご挨拶

          【短編小説】先輩がエアマックス履いてきた

           私には、憧れている女性の先輩がいる。  文武両道、容姿端麗。何事も完璧、一切手を抜くことなんてない。  びっくりするぐらい艶っぽい黒髪に、物憂げな横顔を覗いた時……私は息をするのも忘れるぐらい、先輩に見とれてしまう。  そんな先輩は今、あらゆる人間から注目を集めている。  いや、先輩はいつも注目の的なんだけど、周りの視線はいつもと違う。  同級生も、先輩も、後輩も、先生も。  先輩の、足元を注目していた。  「なんでだろ……」  登校した瞬間、私は返って疑問だらけで、余

          【短編小説】先輩がエアマックス履いてきた

          【短編小説】光の雨の中

           雨の音がする。  耳に触る、断続的なノイズのような音。  それに意識を向けると、他の全てを忘れられる。周りも、自分のことも。 雨の音に耳を澄ませる。呼吸すら意識の外に向けてしまうほどに。  「泣いているのですか?」  ふと、雨の音に少女の声が混ざった。  私は目を開ける。視界に映ったのは、栗色の髪の女の子だった。その子はニッコリと笑って、  「変なの。晴れてるのに、傘なんかさして」  そう言われ、私は空を見上げる。  雨は降ってない。ただ無表情な青空がある。私ははた

          【短編小説】光の雨の中

          【短編小説】珈琲が冷めるまで

           「私は雨が嫌いです」  湿気を帯びた生温い空気と、そこに混じる珈琲の匂い。  出されたばかりのそれを口に含もうとして、その熱さにもう一度テーブルへ戻した。手持ち無沙汰に窓を見て、私はそんなことを口にしている。  「子供の頃から……いつだって、雨が降ると憂鬱になる。傘を差しても、服は濡れるし、靴下まで濡れた日には最悪。足先からどんどん冷えて、どうしてこんな目に合わなきゃいけないのかって思うんです」  ため息のように漏れるのは、過去の体験。嫌なことばかり増えていって、雨の

          【短編小説】珈琲が冷めるまで

          【短編小説】桜パラドックス

           思えば、今まで忙しくて、桜なんて見てる暇は無かった気がする。  目の前で踊る桜の花びら。枝が既に桜を払い終わって、剥き出しの体がやけに目立った。散りかけの桜の木を眺めながら、私は小さくため息をつく。  「あら、お花見ですか?」  ……その声を聞いて、私はもう一度ため息。  「なんで、ここにいるのが分かったの?」  桜の下。公園のベンチに座る私は、隣に立つ彼女を見上げる。  カメラを首からぶら下げて、気楽そうな笑いを浮かべていた。見知った顔……というか、私の今の同居人。名前は

          【短編小説】桜パラドックス