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荒らすペクトランキング

(✿✪‿✪。)ノコンチャ♡

リクエスト記事です。荒らすペクトを紹介します。プロスペクトの派生みたいなものです。

プロスペクトとは

スポーツ選手の新人 (3年前後) を指してプロスペクトなどと呼び、あまつさえそのランキングを発表するという文化がありますが、日本の野球界においても法人だけでなく個人にまでその文化が浸透してきました。

プロスペクト (Prospect) とは
予想、見通し、前途、展望、(成功・利益・出世などの)見込み、将来性、(近く起こることへの)期待
https://ejje.weblio.jp/content/prospect

スポーツも一種のショーケースである以上、選手の将来性を分析し、期待を込めて発表する事に違和感は無く、その簡素さからビギナーにとって特徴が把握しやすいのは間違いないと思っています。

一方でランキングといった「上下」を区別した見せ方を重視するあまり、個体としての特性や方向性に対する言及は簡略化され、ビギナーへのミスリードになりかねないものも散見されます。

中でも世代、プロ経験、ポジションといった難易度の低い区分けさえも混在させて「上下」を付ける事に何の意味があるのか、私には未だに良く分かっていません。そこで、

荒らすペクトとは

上記で提起した問題点を考慮し、ある程度細分化したランキングを作りつつ、最後に全て統合する事で、既存のプロスペクトランキングの問題点を示唆し、両方を読んだ方がご自身で各選手を考察するようになったらいいなという、Protest な存在となっています。

具体的には、以下の定義でランク付けしています。

・個別ランキング
世代、プロ経験、役割 (not ポジション) が同じであろう選手をラベリングしランキング
・全体ランキング
上記を統合の上で再構築したランキング

共通点
・25-27 歳時点の活躍見込みで評価
・地方の高校生以外は最低でも一回、ほとんどは数回実際に観ています。
・ランク外の選手は最下位の選手と比較して次点とは呼べない程の差があるため加点なし(個別ランキング)

今回は第一弾の為、ひとまず 2019 年にドラフト経由で入団したルーキー選手に限定します。また、それぞれ Top5 およびそれ未満で表現します。

個別ランキング

高卒投手

1位 奥川恭伸
2位 佐々木朗希
3位 西純矢
4位 前佑囲斗
5位 玉村昇悟

■理由
奥川と佐々木は、大舞台の場数によって成績の安定感に差が生じ、そこから予測される好成績の確率に差が出る、と考えました。現時点で奥川が勝っている投球術の面は場数から得たものであり、佐々木がこれを手に入れるのに何年かかるだろうか、という印象です。西を三位にし堀田を入れなかったのも同じ理由です。西は持ち球ではBig2に劣らないものの、コマンドとメカニクスが相対的に劣るため、キャリアを通じて疲労や故障に起因する離脱が二人より多い可能性を提唱します。は堀田や井上と比較した時にストレートの質 (スピン量) がユニークで、フライボーラーだがK/9は高いといった完成系が見えています。玉村を入れて宮城を外したのは、玉村の方が肩甲骨の可動域を感じさせる投げ方で、変化球の高速化が期待できるためです。宮城はストレートの質が良いですが、体力作りに加え、速い変化球を手に入れるために費やす時間が長いと予想します。

大卒投手

1位 森下暢仁
2位 杉山晃基
3位 吉田大喜

■理由
森下は球速、球種、投球術、スタミナ、野球脳、いずれを取っても一級品です。二位には大差をつけており、このカテゴリで唯一ポスティングによるメジャーリーグ挑戦も窺える選手です。杉山と吉田の差は持っている球種と伸びしろで、将来性は杉山に分があるのではと感じました。杉山はコマンドこそ吉田に劣るものの、スライダー二種とフォーク、シンカー成分を感じさせる大きめのツーシームがあり、先発もできるリリーフとして長く生き残るのでは、と推測。吉田は現時点での完成度を否定しませんが、特段コマンドが優れているわけでないため、スライダーとスプリットの精度が上がらなければ短命なB班で終わる可能性も孕んでいます。

社卒投手

1位 太田龍
2位 宮川哲
3位 岡野祐一郎
4位 浜屋将太
5位 立野和明

■理由
太田龍は端的に言えば馬力がある上に多くの球種を投げる事が出来、更に当時の難しい運用に耐えた体力を兼ね備えます。先発リリーフどちらでも面白く、同球団の澤村くらいを天井とみて良い好素材です。宮川は現時点で完成されていますがコマンドが甘く、現在の球数が掛かるスタイルを何年も続けることがプロ生活を短命にする可能性があります。それでも球速と高速変化球は岡野以下を遥かに上回る需要があると考えます。岡野はパワプロで言ったらオールCといったTHE・ハイフロアな投手で現時点で25歳ですから、向こう三年間中日が期待した通りのイニングイートが期待できます。故障や若手が出揃う以外で二軍に落としてはいけない選手で、言い換えれば彼が不要になった時は中日の投手全プロスペクトが揃ったときでしょう。浜屋は現時点で先発に回した場合、現時点の榎田を一回り格下げした役割しか出来ない代わりにリリーフで使えば即戦力と、持っている馬力は大きいので将来像の不透明さから四位、立野は馬力でいえば太田宮川に劣らないためランクインしたものの、ともかくコントロールが甘く、これが将来改善していると判断する材料がないため最下位に。河野と迷いましたが、4-6年後にプロで居場所を確保している可能性が高いのは、球速を武器にリリーフをしている可能性が高い立野ではと考えました。

高卒野手攻撃型

1位 石川昂弥
2位 黒川史陽
3位 森敬斗
4位 井上広大

■理由
攻撃型、として長打力と走塁力で推定しました。石川のアプローチはこのカテゴリで群を抜いており、守備での適応に苦しんだとしても、打撃を理由に着々と必要なステップを踏み、野手が高齢化した時には立派なコアになっている事でしょう。黒川も長打に期待は出来ますが、本質的には選球眼がありライナーを連発できるアベレージヒッターで、内野をこなせキャプテンシーに優れる点から25歳には頭角を現しているでしょう。森と井上を比較した時に、長打力では井上が勝るものの、走力と守備力では森が上回り、一軍に定着する機会を得るのは森の方が早そうです。井上は守備と走塁で一軍に居場所を見つけるのは容易な事ではなく、一軍の直球に対応できるようになる期間を踏まえても、都度補強されるだろう外国人と競争になるだろうものの、彼らほどの特長を見出しにくい韮澤、遠藤、武岡らよりは長打が期待できると判断し4位としています。

高卒野手守備型

1位 紅林弘太郎
2位 上野響平
3位 川野涼多

■理由
守備力という点では早くから注目されていた紅林の安定感は群を抜いています。以前にも申し上げた通り太田、宜保との Conflict と癖の強い打撃を懸念しますが、それを考慮しても上野と川野より出てくるのは早いだろうと推測します。上野と川野も守備では光るものを感じさせますが、脚捌きとパワーツールの点で上回り、二軍の事情にもフィットする上野に軍配が上がると推測します。川野は綱島、山田と比べた場合に突き抜けられるとは断言できず、パワーは負ける可能性も孕んでいるものの、田部より守備と打撃のアプローチに優れるため三位としました。

大社卒捕手

1位 佐藤都志也
2位 郡司裕也
3位 海野隆司

■理由
佐藤と郡司は非常に悩みましたが、より多くの出場機会を得るだろう佐藤都志也の方が良い成績を残すと予測。一般に捕手は左手のダメージ蓄積が懸念され、左打ちがトップハンドを使った打撃をする際のアンチシナジーになるといった考え方もありますが、佐藤はインパクトの時に右腕上腕で押すことが出来る器用さを既に兼ね備えている事からその懸念は払しょく、またアスリートとして優れ1B、OF、DHなどのサブポジションも想定できる観点から郡司より成績を残す要因が多いと感じました。郡司は攻守ともに一年間100試合程度出られる体力と技術の再現性が身につくまでに時間を要するだろう点、打撃を伸ばすにあたりDHが使えないセである事や、石橋というライバルの存在などを考えて2位。海野はその守備力で常に一軍で役割がある状態を保てますが、現時点で打撃が彼らに追いつく姿が想像できず三位。柘植、石原、梅林は攻守ともにこのラインに追いつく姿が想像できませんでした。

大社卒野手

1位 佐藤直樹
2位 勝俣翔貴
3位 小深田大翔
4位 高部瑛斗

■理由
佐藤直樹は長期契約組がそれを終了する辺りでちょうど25-27歳を迎え、出場機会は十分、共存できる上林を除けば現時点で強力なライバルもなく、攻走守アスリートタイプの彼が最も一軍でコアとして活躍する確率が高いでしょう。勝俣は一つ上の中川のように複数ポジションや代打をこなすだけの柔軟性が求められますが、3B守備は見た目以上に安定しており、自慢の打撃でも粘りがあり、外野属性をつければ中川のような汎用性を期待できます。小深田は内野守備と代走による汎用性で一軍での役割は十分。髙部は打撃の再現性で宇草を、守備の安定感で宇草及び蝦名を上回る為、国士舘大特有のヘッドを入れすぎるフォームから速球に差し込まれる点を改善すれば、一軍レベルの走守を考えても一軍の役割を十分に担えます。

全体ランキング

ここでは Top 10 でランク付けしてみます。

1位 奥川恭伸
2位 森下暢仁
3位 佐々木朗希
4位 石川昂弥
5位 太田龍
6位 宮川哲
7位 西純矢
8位 紅林弘太郎
9位 佐藤都志也
10位 杉山晃基

繰り返しますが25-27歳での貢献度を予測しています。ので高校生は7-9年後、大卒(&高社卒)なら 3-6年後、大社卒は1-2年後です。

投手なら先発は150イニング&二桁勝利、リリーフなら50登板でホールドかセーブが30以上。野手なら一軍で100試合出場し、.250 二桁本塁打 OPS.750 くらいのクオリティでしょうか。

正解はかなり先にならないと分かりませんが、こんな予想を覆すくらいの破天荒な活躍を各選手に期待したいですね!

荒らすペクト式球団ランキング

最後にせっかくランキングを作ったので、ランクインした選手にポイントを付与し、球団別の荒らすペクトポイントをランキングしてみました。

各カテゴリ間の期待値に差がある為、それを少しでも埋める意味でも以下のポイント制度にしています。

個別ランキング
Top5の場合…1-5位の順で 5,4,3,2,1P
Top4の場合…1-4位の順で 4,3,2,1P
Top3の場合…1-3位の順で 3,2,1P
全体ランキング
1-10位の順で 10,....1P

この結果から以下のようになりました。

首位 東京ヤクルトスワローズ 19ポイント👑👑👑
2位 千葉ロッテマリーンズ 17ポイント👑👑
3位 中日ドラゴンズ 16ポイント👑
4位 広島東洋カープ 13ポイント
5位 埼玉西武ライオンズ 12ポイント
6位 オリックスバファローズ 11ポイント
7位 読売巨人軍 11ポイント
8位 阪神タイガース 7ポイント
9位 福岡ソフトバンクホークス 5ポイント
10位 東北楽天ゴールデンイーグルス 5ポイント
11位 北海道日本ハムファイターズ 3ポイント
12位 横浜DeNAベイスターズ 2ポイント

まとめ

いかがでしょうか。くじを当てたまたは単独で指名した球団が上位に並ぶ元も子もない結果となりました。(あとからポイントを付けたら偶然こうなりました笑)

ただ、同じくらいドラフトとして高評価を得たベイスターズは最下位に沈んでいたり、私個人でドラフトの評価が低い西武と広島が上位に来るなど、不思議な並びにもなっています。

要するに私が言いたいのは、

選手の個体としての将来性と、球団の戦力としてフィットするかすなわちドラフトとして成功したかどうかは別

という事です。

あくまでプロスペクトは「個を評価」するものです。勿論将来性には組織の環境も起因しますが、ファンが知りたいのはポテンシャルを加味した将来像なわけですから、比重は個の評価に重きが置かれるべきでしょう。

つまり何故プロスペクトを確保出来ていないベイスターズのドラフトが評価が高かったか?と言えばそれは「現有戦力の弱点をドラフトで埋め合わせたから」です。

そこには、選手個々の未来をプロスペクトなどと言ってランク付けする縦軸ではなく、チームの編成という横軸に重きが置かれているという違いがあるのです。

人間がたくさん集まれば、必ず主役と脇役が存在しますし、不思議かなドラフトも世代によってトレンドが存在します。例えば2019年は投手と大社卒捕手の年、2020年は大卒内野手の年、という具合にです。

よって、トレンドと自球団の弱点が合わなければ、その年指名できる選手で弱点を埋めるのがベターであり、これがドラフト評価の正体なのです。

もちろんトレンドと自球団の弱点が合えば、プロスペクトを並べつつ自球団の弱点を埋め合わせる一石x鳥な高評価が得られます。2019年でいえばヤクルト、ロッテはBig2を引き当てた事も手伝って、前者は投手重視、後者はトップ評価の捕手も確保と、最高級のドラフトを展開しています。

要するに、安易にプロスペクトランキングにいる○○を抱えているからこのチームは強い、だとか、載ってる名前が少ないから弱い、だとか、プロスペクトランキングを戦力編成に直結したものだと考えるべきではないのです。

この違いを分別した上で、ドラフトを楽しみつつ、選手個人の将来性にも興味を持っていただければ、プロ野球と同時にアマチュア野球にも興味を持つ良いきっかけになるのではないかと考えています。

私としてはドラフトを入り口にアマチュア野球ファンが増えればいいなと持っておりますので、そちらの方もよろしくお願させて頂き、本noteを締めさせていただきます。

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