KO-D無差別級王座　上野勇希戦　応援ありがとうございました

2024年8月26日 00:26

王座戴冠の前に「上野勇希」に勝つことができたことが何よりも大きく嬉しいことです。今回の試合は上野勇希とだからできた試合（作品）なのは明白で、上野勇希でなければ愛と感情を込めて叩き潰そうとはできなかっただろうし、上野勇希だったからこそ青木真也が一歩踏み込んで一歩上がった闘いができました。

上野勇希さんにはわざわざ面倒な青木真也を挑戦者として指名してくれて、そして真っ向から愛して向き合ってくれたことに感謝しています。僕は試合前も試合中も今も変わらずに上野勇希さんを愛しています。いつでも助けるし力になる気持ちです。上野勇希さんだからこそできた試合です。

上野勇希さんとの試合で上野勇希さんには試合前も試合中も「強さ」を感じました。ここでの強さとは格闘技的な強さや肉体的な強さではなく、喰らいついて這い上がってくる強さと覚悟の強さの話なのですが、試合前に全力で叩き潰さないと逆に潰されると思うと同時に上野勇希さんが強さを持ち合わせているのであれば、叩き潰しても大丈夫で、むしろ叩き潰すことが彼をより強くすることに繋がるだろうと考えました。逆に言えば「叩き潰さねばならない」使命感と責任感に駆られて格闘技戦以上にナーバスになっていました。結果として上野勇希さんが強かったことで、僕も全力で立ち向かうことができたのが勝因です。上野勇希が他所行きの上野勇希さんだったら僕も全力を出せなかったような気がします。その意味でも全力を出させてくれたありがとう。なかなか出せないから嬉しいです。

僕は敗者に情けをかけることはしないし、敗者に口無しで敗けた者は去れですが、「上野勇希」の強さを知っているものとしては上野勇希の今後には安心と信頼を持っています。上野勇希は必ずまた強く大きくなって帰ってくるでしょう。変わらずに頑張ればいいです。自分の名前で食べていこうとするのだったら、そう簡単に頑張ることを投げ出したらいけません。

上野勇希さんありがとうございました。愛しています。上野勇希からとったベルトの価値を守り上げていく所存ですので、今度は王者としてではなく挑戦者として待っております。こちらもまた叩き潰せるように日々積み上げていこうと思っております。

青木真也の「プロレス」は相変わらず下手でした。びっくりするくらいに下手です。下手というのは多数派ではない意味です。少数派どころか完全な異物です。不恰好が格好よかったり、出来ないが逆に個性になると僕は思っていて、格好悪いを貫くことで格好良いに昇華させられるかがおじさんの腕の見せ所だと思っていて、今日も変わらずにギクシャクと青木真也を貫いてきました。青木真也が好きだと思ってくれる人に伝わっていればそれでよくて、青木真也を変えてまで合わせに行くのはしないしできません。

格闘技選手青木真也としては後楽園より大きい会場のメインを務めさせてもらっていますが、プロレスラー青木真也として後楽園のメインを務めさせて頂けたことは自信と達成感があって、時間はかかったけれどここまでこれたことを嬉しく思います。そこにDDTの頂点であるKO-D無差別級のタイトルがあるのもまた時間がかかったけれど、腐らずにやってきてよかったです。世間的には大きなニュースにならなくとも青木真也にとっては価値があることなのです。僕は主観と客観で言うと圧倒的に主観を大事にしています。

青木真也にとってKO-D無差別級のベルトをとれたことは「めちゃくちゃ嬉しい」です。まさか所属ではない自分にチャンスが回ってくるとも獲れるとは思ってもなかったし、DDTに参戦してからの６年間とプロレスを考え続けてきた一つの形がこうして出たことに腐らず諦めずに続けてきてよかったと思います。それも自分が積み上げてきたものと道程を理解してくれて、慕ってくれる若い選手がチャンスをくれたことも、何か自分がやってきたことが間違いではないと肯定されたような気持ちになって、青木真也が肯定された気持ちです。僕の積み上げてきたものと道程に影響を受けた若い選手が返してくれる新構造を見れたこともまた今回嬉しかったことでもあります。まあそれはそれとして。

プロレスのチャンピオンとしてのこれからの道は僕が今まで歩いたことがない道です。上野勇希さんが試合前に言っていた「チャンピオンとして」が身を染みて感じるのだと思います。そこで上野勇希は凄かったんだなと感じるのは容易に想像がつくし、自分の立ち居振る舞いの浅はかな面に気がつくのだろうとは思いますが、それでも未だ自分が経験したことのないチャンピオンとしての道は楽しみです。上野勇希から引き継がれたベルトである誇りと責任を持って歩んでいく所存です。

青木真也　チャンピオンになりました。ただただ嬉しく皆様に感謝です。
日々コツコツと積み上げていると良いことがあるから、今日からまた積み上げていきます。