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那須川天心さんの試合解釈動画記事。皇治さんの「武尊のが強い」発言もカバー。

9月27日の那須川天心さんの試合を興味深く見ていました。
彼の試合を勝負で見ることはしばらくないけれど、それでも彼の創るものに魅了されて、興味を持って彼の試合は見るようにしています。

格闘技を観る上で一番のスパイスである勝負論で語ることができなくなってしまった那須川天心。偉大だけれども、それに伴う苦労もあると思うし、自分が彼の立場でモノを作ると思うとゾッとします。絶対ヤダ。制約がある中で如何に感情を揺さぶるかが創り手の楽しみの一つではあると思うのですが、それにしても制約が多いし、那須川天心しかやっていない前人未到の領域に突入しています。

ちなみに制約があるから面白いのであって、何をしてもいいとなったら創り手の腕も出ないし、面白味は減ります。制約のある中で如何に観客を魅了するか、成立させるかが面白味です。プロレスラー武藤敬司は「ムーンサルトプレスが跳べなくなってからがプロレスは面白い」と語っていたのですが、僕も右肩上がりの成長が見込めなくなってきてから格闘技を面白く感じるし、どうやりくりして創るかが一番の面白みだと思います。仕事だって予算や人間関係の制約があるから面白いと思います。

さて。27日の深夜0時にabemaTVの撮影班が家に来ました。(これは本当に)青木真也なら取材を受けてくれるし、何か言ってくれると思ってもらえるのが嬉しいので、歓迎です。フリーで働くってのは、いつでもどこでも誰にでも「はい!喜んで!」が基本であり、格闘家風情でマネージャーつけていたりするとくすぐったくなります。トップクラスになってからつけましょう。

さて自分のインタビューと解説をしていきます。前回の試合解説記事でできなかった部分を書きます。動画の良さもありますが、やっぱりテキストの良さってありますよね。だってテキストのほうが早いし、リモートから通勤に戻ってきた今、テキストに戻っていく気がしてます。

試合記事はこちら。

那須川天心と試合をしただけじゃ損する。自分の存在を賭けて初めて返ってくる。

これは前回の僕自身の試合のときにも感じたのですが、青木真也とやるだけでは得るものはないし、那須川天心と試合をするだけでは得るものはないと思うのです。

格闘技頭だけになってしまうと那須川天心と試合をしたら、名前もあがるし、仮に善戦でもしたら株価はストップ高だ!なんて思うのかもしれません。実際そんなことは全くないし、那須川天心と試合をするだけでは彼の物語の一部になるだけだし、食われておしまいです。彼らは甘くないからね。

みんな勘違いしていますが、リング上は闘いであり、試合後も如何に相手の存在よりも自分の存在感を際立たせるかの闘いです。その点でトップ選手はなかなかいいところをとらせてくれないし、選手自身がいつとられても文句が言えないのを肌感覚で理解しています。僕はそこらへんの感覚をDREAMで養ってきたし、IGFでそれを使って生き残ってきました。

実は自分の存在を賭けた分だけ返ってくる健全なシステム。

那須川天心の試合で皇治さんの株が上がった的な声も聞こえてきますし、それはそれで理解はできるのですが、皇治さんは事前に自分のプロモーションを必死にやっていたので、その分が返ってきたとしか思わないのですよね。

それでRIZINすげー!とか、皇治さんさすが!みたいなのは安易な気がするのです。皇治さんがやった手法はK-1が得意とする当たり前のことをクソ真面目にやる手法です。皇治さんはクソ真面目に仕事する人であのチャラい感じは真面目の表れですからね。本質はオレと同じコツコツやる人ですよ。

そう考えると存在を賭けた分だけ返ってくる至極真っ当なシステムです。これは安心するし、選手はコツコツ積みあげたらいいのです。強くなったり、力を得るのに魔法なんてないんだよ。

那須川天心の孤立と神格化。

那須川天心さんは言葉に出さないけれども、理解されないジレンマを抱えているように思います。そして那須川天心という存在がどんどん孤立していくというか、孤高になって行っているように感じています。それと足並を揃えてドンドンいいものができていきます。

理解されない苦しさは僕にも多少は理解できます。
これに関しては理解されるわけないし、理解されたら終わりだし、理解されることに諦観を持ったほうがいいと思っています。次に話していきますが、僕は彼を神の領域の人だと思っているから、人々が理解を示すのは無理だし、彼はこれからもどんどん孤立していって、人々の感情を揺さぶってほしいです。

神とは解釈される側の存在です。

勝手に想像されて、解釈される概念になったときに神になるからこそ、那須川天心は神の領域に踏みこんだと思っています。そこらへんの説明は最所あさみさんのこの記事がわかりやすく、説明されているのでどうぞ。

実は一番わかりやすいのは那須川天心のシュートマッチだった見方。

この見方はベタ過ぎて僕は敢えて出してこなかったのですが、那須川天心が皇治さんの存在を消してやろうとシュートマッチを仕掛けた見方です。

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