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ONE グラップリングマッチ 「新領域」 試合をしてきます

減量皆無で尿検査と体重を測るだけの計量を通過して後は明日の試合を待つのみです。澄んだ綺麗な気持ちでいます。静かな気持ちです。嵐の前の静けさなのか。

試合のお話を頂いたのが前回の試合の1週間後でした。
敗戦後だったのもあって思い詰め気味で触り難い空気を纏っていたはずです。今、そのときに書いた記事を見返すとそれなりに思い詰めた言葉が並んでいます。読み返すと1ヶ月半から2ヶ月でここまでの変化をつけられたのに驚きとこの変化は試合があったからで試合を決めてよかったなと思います。

今回の試合に向けた過程で意識的に余裕を持つように心掛けてきました。練習も仕事も無理をせずにやってきたつもりです。それでも試合1週間前に京都でイベントゲストをしたり、2週間前には鹿児島でプロレスをしていたりと相変わらず働き過ぎだとの声も頂きますが、楽しんで出来ているので無問題です。余裕を持つようにしたことで練習量と質の調整が出来て良いバランスでコンディションを保つことができました。今回は心身共に充実しています。

現地入りしてからは行動制限がなく自由に外出できるので、コロナ渦のようなストレスもなくリラックスして過ごすことができました。EVOLVEで練習もできたし、会いたかった選手にも会えたし、シンガポールの街を歩いて想い出を噛み締めたりと10年の自分を振り返るいい時間になりました。初めてシンガポールに来たときは東日本大震災と2011年ストライクフォース後でちょうど長男が産まれた時期でした。あれから11年が経って青木真也で生きることを選んだ僕は独りだけど仲間に囲まれて生きています。

試合までの時間が心地のいいものでストレスがなく過ごせています。
これはグラップリングだからか、前回の敗戦を経てなのか、達観なのかはわかりません。この感情がレベルアップなのか、それとも選手として終わってしまったのかも僕にはわかりません。この感情が勝負にどう影響するかはわかりません。勝負に対する意地汚さが少なくなってしまうのではないかと恐れる気持ちも当然あって不安も感じています。

目先の利益よりも長期で見たときにこの変化は有益なものだと思っていて、これでまた強くなれたと僕は思っています。強さとは曖昧な表現で強さ=勝ちではなく、勝負への執着と楽しみも手放してはならないのですが、今の自分にとって必要な変化であって、起こるべくして起きた変化だと思っているので、僕は試合がどうなってどう感じるのか楽しみです。この変化は青木真也にとって必然必要不可欠なものであって、変化することで生き残っていくのです。

青木真也39歳をケージに出し切ってきます。
前戦ほどの注目はないのは重々承知です。それでも僕の中では前戦よりも重要な意味合いの試合です。勝ちたい。負けたくない。でもそれ以上に生きていきたい。まだまだやりたいこともやれることもやらなくてはいけないこともたくさんあるのです。まだまだだ。舐めんじゃねえよ。

ここまで応援ありがとう。皆のおかげでこうしてここにいます。
前戦の敗戦からこうして立ち上がってこれたのが僕の誇りだけど、僕が立ち上がってこれるのにはたくさんの人の応援のおかげで、僕の誇りは愛と理解のある自分の客と仲間達だと思っています。本当にありがとう。今回も全力で闘ってきます。おれたちはファミリーだ。

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