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デジタルトランスフォーメーションな新規事業ってどう判断するの?

情報システム部門(社内SE)だけでなく、他の管理部門や事業部門でも、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の新規事業の提案を求められるようになってきています。

経営幹部はそう言うけど、DXってまだまだ定義がはっきりしない中でどういう事業を提案すればいいんだろうという方が多くいらっしゃると思います。

この記事では、DXな新規事業に必要な判断軸を5つの軸に整理をしてご紹介します。

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1.非連続性

これまで蓄積したデータやITシステムを利活用した事業は、どうしても既存の業務フローや業務システムをベースにしてしまいがちです。

しかし、DXな新規事業では既存業務やシステムの枠組みにとらわれない事業であることが望ましいです。

経産省のDXレポートでもこのように言及されています。

特に、経営環境の変化に対応して、事業ポートフォリオを柔軟に見直し、そのために資産の入れ替えも常に行っていくことが求められる中で、ITシステムについても、そうした事業の見直しの中で、あるものについてはサンクストとしてこれ以上コストをかけず、新しい分野にリソースを投入していくことが不可欠である。

例えば、ビッグデータやクラウドに表現されるIT化は、既存データをベースにそれを活用して事業を推進します。

しかし、DXではこれらの既存データにとらわれず、よりよいデータを取得したり、よりよい体験を提供するためには、不要なものをそのまま使う必要はないということです。

2.新規性

DXな事業を始める時には、過去に自社でやったことのないサービス提供形態かどうかを考慮します。

経産省のDXレポートはこのように始まります。

あらゆる産業において、新たなデジタル技術を利用してこれまでにないビネス・モデルを展開する新規参入者が登場し、ゲームチェンジが起きつつある。こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められている。

もちろん、他社もやっていないイノベーティブで先進的なテクノロジーを活用した事業であるに越したことはありませんが、そんな事業がたくさん出てくるのは難しいと思います。

しかし、少なくとも自社内で過去にやっていたサービスをオンライン化しただけの事業ではなく、新しい付加価値を顧客に提供するアイデアが少しでも追加されていることが望ましいです。

具体的には、自社の強みを生かして他業種や他業態に進出すること、または自社の付加価値を違う形で顧客に提供すること、新しい市場に打って出るなどです。

3.計画性

DXな事業は、会社の中期経営計画や部門の事業計画に組み込まれている必要があります。

さらにその計画には、目的や手段はもちろん、何をもって成功と捉えるのかという指標も設定されている必要があります。

よくDXはPoC(Proof of Concept:実証検証)だけで失敗するということが言われます。いわゆる研究開発はDXの前段階であって、DXそのものではないと考えます。

DXとは、顧客とオンラインで接点をもつことなので、検証するにしても、実際のユーザーに使ってもらってデータを取って検証する必要があります。

ではどのように計画するのがいいのでしょうか。

計画については、経産省が「DX推進ガイドライン」というのを出しているので、それに沿って計画するのがよいでしょう。

4.収益性

新規事業では収益性が求められるのは当然ではないか、という方もいらっしゃると思いつつ、あえてこの判断軸を入れました。

ここでいう収益性とは、売上を上乗せする新規事業であるということです。

これまでのIT投資では、既存業務を維持するため、または社員の生産性を上げるため、はたまた固定でかかるコストを削減するといった「守りの投資」でした。

しかし、DXでは「攻めの投資」、つまり顧客により大きな付加価値を提供し、その結果売上が上がるという事業にしなくてはいけません。

先程ご紹介したDX推進ガイドラインでは以下のように言及されています。

DX 推進のための投資等の意思決定において、
1.コストのみでなくビジネスに与えるプラスのインパクトを勘案して判断しているか。
2.他方、定量的なリターンやその確度を求めすぎて挑戦を阻害していないか。
3.投資をせず、DX が実現できないことにより、デジタル化するマーケットから排除されるリスクを勘案しているか。

5.柔軟性

ビジネス環境の変化やそれに伴う業務プロセスの変更があるにも関わらず、ITシステムを変更できない、または修正に時間とコストがかかるというのがこれまでのITシステムの大きな問題点です。

今後さらに環境の変化が加速する中で、ITシステムは変えられない、またはExcelなどで中間作業が必要というのは、DXな事業ではありません。

DXとは、顧客にオンラインで価値を提供し、データを蓄積し、そのデータを分析にしながら柔軟に提供のかたち、ビジネスモデルを変えていくことがその核心です。

それができないということは、過去の遺構をそのまま使うのと同様で、新しい事業とは言い難いです。

DXレポートではこのように書かれています。

DXを実行していくに当たっては、データを収集・蓄積・処理するITシステムが、環境変化、経営・事業の変化に対し、柔軟に、かつスピーディーに対応できることが必要である。
そしてこれに対応して、ビジネスを変えていくことが肝要である。
現在、多くの経営者が、将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変するDXの必要性について理解していると考えられる。
他方で、DXを実行しようとするユーザ企業の中で、ビジネス・モデルを変革すべく、新たなデジタル技術を活用できるように既存システムを刷新する判断を行うユーザ企業はまだ少ないのが実態である。

最後に

今回は経産省のDX関連発行物を元に、DXの新規事業の判断軸をご紹介しました。

これらを参考に、現在ご検討の事業を評価していただく一助になれば幸いです。

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システム/サービス開発、ITコンサルティングをやってます。Webサービスや業務改善、プログラミング、ビジネススキルやライフハックについて情報発信をします。新しいことやわくわくすること、社会によりよい事業に関わることが好きです。

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