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言の葉

唐突だが、私はLINEやDMがあまり好きではない。

携帯が無い時代では誰かとコミュニケーションをとろうとすると、直接会うか家で電話するくらいしか方法が無かった。だからこそ、きっとその時間を大切にしただろうし、それ以外の時間は相手の事を考えたりしただろう。でも、今は連絡したいと思えばすぐに連絡がとれる。その人が家にいるとか関係なしに、言葉にできるし間違えたと思ったらすぐに取り消すことも出来る。だから昔より相手のことを考える時間も減ったような気がして、あまり好きではなかった。

しかし、今、私はある人とDMをしている。かれこれ2週間ほど経つだろうか。その人とはクラスが同じだけど直接話したのは数えられる程度だとおもう。そんな彼との連絡には暗黙のルールがある。

それはすぐに返信しないことだ。

恐らくお互いに返事が来たことにすぐに気がついてはいる。しかし、約2時間ほど経ってから返信する。たまに40分ほどで返ってくることもあるが、それよりも3時間空くことの方がよっぽど多い。

わたしにはこの関係が心地よいのだ。すぐに返信しないといけないというプレッシャーがまるでない。人と連絡をとるというのはこんなにも心が軽くなるものなのか。そんな風に考えてしまう。

その人との連絡はもう既に私の日々の習慣となっている。朝、通学中の電車で返事をし、夕方、返信があるかを確認。返信が無ければ勿論待つのみ。有ればそこから2時間ほど何と返そうか考える。そして夕食前に返信。入浴前に再びその人からの便りがあるか確認。返信内容を考え、就寝前に返す。そんな1日を14回も繰り返せば人間は習慣づくらしい。

ある日、その人に悩みのような心配のようなそんな事を送った。すると、その人から「大丈夫」「君ならいける」が送られてきた。

今思えば、少しありきたりな気もするが、   やはり王道というのは人の心に響くらしい。その言葉だけが大きく見える。その言葉が心に沁み渡る。その言葉が私の御守りになる。

口にしなくても言葉にすれば想いは伝わるものなのだと教えもらった。

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