詩:『空』
『空』
空を見るのが好きだ
斜めから眺めると
手前にいつも見える
電柱と電線はもっと好きだ
小さいときのわたしに
その存在はより大きく
等間隔を基点として
空は区画整理され
パズルのように
やや複雑に交叉し
茫漠とした青と白
積乱雲をも切り取り
文明の美徳の
暗喩のように
夏の日差しに
アンカーを穿つ
導線内を駆け巡る
隠匿された力は
自然の摂理にじっと
睨みを利かすように
頂に
深く
高く
黒い
わたしは
幼いときから
空を見るとき
電柱と電線が良い
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