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理央詩作

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理央篤(りおぅあつし)の詩集です。
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記事一覧

詩:『青春』

『青春』

群青のアクリル絵の具を
ぐちゃぐちゃと画用紙に擦り付け
わたしの心だと主張する
それを正しさだと信じていた

あなたに良いことありますように!

詩:『ネコと和解せよ!』

『ネコと和解せよ!』

物心ついた頃から
宇宙の真理が私の中に
押し侵入ってきている
自分自身の内なるものを
闘わせなければ
拒絶しなければ

「大好きだよ」とか
「信じてるよ」とか
私は大好きでもないし
信じてもいないのに
あなたは何故そんなに
真っ直ぐに詰め寄ってくるの
宇宙と和解してるクセに

裏切られたと嘆くのが
バカみたいに思えてきて
何も期待出来なくなったし
キャパシティも臨界だけど

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ありがとうございます!

詩:『大晦日』

『大晦日』

幼い頃は夢中で一年中走り回った
春も夏も秋も冬も半袖ハーフパンツで
ボールを追いかけた小学校のグラウンド
自分の息遣いが冬には最高の防寒着だった

一年駆け抜けた今年の大晦日
雪降る道トートバッグが突風に翻る
温かいのは私のモッズコートが
高価なものだからだけではないよ

めっちゃ嬉しい!

詩:『在る』

『在る』

一人の孤独な男が
世界中を探し続け
インスピレーション
奥義の小箱を開いた
一匹の猿が一匹の天敵に
石器を構えて対峙した
佇まいの美しさに人々は
立ち上がり拍手を送る

ある個体が「在る」ことで
人の心が動かされた
存在することのみで
営為の個体として
共感の可能性を得た
そののちに全世界は
創意の可能性に満ちた

一見なにかが変わった
ようには見えなかった
孤独だった男は大地に
膝を

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めっちゃ嬉しい!

詩:『物理』

『物理』

真っ赤に欲情したストーカーの汗
振り回す出刃包丁がわたしの乳房に
深く食い込むのを阻んだのは
勉強の為に普段から携帯している
ポケット六法のささやかな厚みだった
知識というものはいつの時代にも
そうやって役に立つものだ
【知性には暴力】
それを実践しようとした
欲情したストーカーは法廷で
殺人未遂 懲役7年の実刑に
宗旨替えをするに至った
知性は物理で人を変える
ポケット六法のささやか

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詩:『book girl』

『book girl』

転がり出した本は
空気に分解されて
拡散し冷えた音を放ち

万華鏡の白い底で
歌い踊り詩を読んでいた
四人のアイドルも白かった

椅子から立ち上がった
わたしは拍手を続けた
ステージで鯨が精製された

かの人が居る廃墟に今
わたしを案内して欲しい
こんなに苦しいのだから

生きていく上で必要なもの
それはたいして多くはないよ
別れの理由はいつも特別なんだ

コ、井、矢、和

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ありがとうございます!

詩:『1on1』

『1on1』

車の走行音が絶えない
国道の側にあるバスケ広場
1on1をやっている青年二人
それを寝転んで見守りながら
弛れた感じで戯れている
数人の女子中学生
彼女らがいずれ大人になり
この埃っぽい広場をいつか
思い出すならわたしにだって
そういう記憶はある

今まで捨ててきたもの
そのすべてを肯定すること
それが実際に可能なこと
最近わたしはそういう風に
考えるようになった
あの日々の仲間た

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月が綺麗ですね💕

詩:『食育』

『食育』

わたしは数多の命を喰らって生きる
食べ残すおまえはゲンコツを喰らえ

ありがとうございます!

詩:『鶯谷↔日暮里』

『鶯谷↔日暮里』

下半身に違和を感じ
悲鳴を呑み込んで沈黙し
列車から逃げ出した鶯谷駅
得体の知れない数分間
可能性に過ぎなくとも
綿密に計画されたものなら
恐ろしいことだけれど

全ての人格が内包する
負のイマジネーション
実際に行われなかった
可能性の膨大な識閾下
現実に表出しない性癖
日常の偏執的な想像力
その如才なさが何者かによって
真っ直ぐ暴き上げられたとき
わたしの精神は耐えられるか

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あなたに良いことありますように!

詩:『道化』

『道化』

自分のやっていることの
滑稽さに気づいた瞬間から
ドロップアウトしてゆくのだ
この社会からこの世界から

あなたに良いことありますように!

詩:『ワニ園』

『ワニ園』

15歳、水晶は逃げ出した、裸足で
死ぬつもりだった、何処かで一人
静岡方面の列車に乗った、底冷えする夜
少年が待っていた、ワニ園で
「初めまして、お嬢さん」
少年は名乗った、爆弾魔と
「もったいない、死ぬなんて、
逆に吹っ飛ばそうぜ、世界を、
そしてその前に靴を履こうぜ、君は」

二人は爆弾をしかけた、ワニの檻に
たくさんの爆弾は、少年が用意した
園のあちこちに、爆弾をしかけるうちに

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ありがとうございます!

詩:『遺稿』

『遺稿』

理解してほしいんだ
「死ね、殺せ、滅びろ」
そんな直接的な言葉より
「そういう言葉が、
あんたの頭の中には、
いつも渦巻いているんだ」
そんな指摘をされるほうが
よっぽど人を殺すことを

ありがとうございます!

詩:『抹消』

『抹消』

異端を持て囃す風潮は
異端の価値を貶める
あらゆる既知の情報源に
あらゆる革命は絶滅する

もの珍しさは革命では無く
何でも有りはカテゴリ不可だ
既成概念外の〇は今や
この世界には存在しない

価値の矮小化によって
〇〇は物理的に飢える
飢える苦しみそれ自体さえも
矮小化しひっそりと死んでゆく

篩にかけても廃棄物しか残らない
篩自体が既に廃棄物だから
皆が廃棄物を崇め〇は熱的死へ

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月が綺麗ですね💕

詩:『俺』

『俺』

あの子、こっち見た
俺のこと好きなんだな

あの子、俺の話で笑った
好きで好きで仕様がないんだな

「一人称が俺の人は嫌い」だって
俺のことずっと意識してんだな