27歳、片思い日記 2024/01/24
2度目のデートでカラオケに行くという、社会人らしからぬデートが無事終わった。
ので、記録を残しておこうと思います。
↓アラサー独身女が片想いを始めた記事まとめはこちら↓
※注 ここからの文章は引くほど長い。
2度目のデートは、ランチをしてからカラオケに行こうね、という話をしていた。
田舎に住む我々は、車がないと生活が出来ない。
当然ランチにしろカラオケにしろ、どこかへ行くには車が必須。1回目のデートは彼の車に乗せてもらったので、今回はこちらが車を出すことにした。
前日の夕方、何時にどこに迎えに行けば良いかとLINEを送る。すぐに既読になった後に、「10時に僕の家まで来ていただけますか??」という返信が来た。合わせて、彼の家の位置情報。
おや、『ランチをしてからカラオケ』にしては早めの集合だな。とは少しだけ思った。
今回は彼がセレクトしてくれたお店でランチの予定だったので、そのお店を選びつつ、お店の近くで行きたかったところがあったので提案させてもらった。ランチのお店に行く前に寄りたい、と言えば、すぐに快諾してくれた。
時間と場所が決まれば、じゃあまた明日で終わるLINE。彼とメッセージでやり取りをするのは本当に最低限で、だからこそ会える日が楽しみになっているって気づく。
今までの彼氏や沼は毎日なんでもないLINEを送ってくれる人たちで、1日に何十往復とやり取りをする日も間々あった。それはそれで楽しかった。でも、最低限の連絡しかしない、これはこれで楽しいんだなって思えている。アラサーを迎えて、いい加減大人になってきたのかもしれない。
翌朝、時間通りの目覚ましで起きる。
「寝坊せずに起きたよ」と連絡をすれば、「仕事より遅く出るのに早く起きちゃいました!」と返信が来る。可愛すぎて一旦叫びそうになる。何?楽しみにしててくれたってこと?そういうことで良い??(たぶん違う)
着替えて、化粧をして、髪の毛を整えて…ってバタバタと時間が過ぎる。
思っていたより5分くらい遅く車に乗り込む。初めて行く家なんて当たり前に迷子になるんだから、ちょっと慌てた。でも結果として迷子にならずにたどり着けたので、10時より早く着いてしまった。
着いたけどゆっくりでいいからね、と送る前に「ちょっと待って~」ってLINEが来た。駐車場に停める音が聞こえたのかな。
少しの時間を置いて、これまた10時より早く彼もバタバタと降りてきた。手を振りながら近づいてくるの、可愛すぎてもう1回叫びたい衝動に駆られる。
外は相当寒いのに、上着を腕に引っ掛けながら走っていて、急いで降りてきてくれたんだなあってにやけてしまう。
「おはようございます!」って乗り込んで来ながら、可愛らしい紙袋を手渡された。「これ、良かったら食べてください。」って、彼の実家じゃ有名なパティスリーの焼き菓子たち。「えー!やった!ここのお菓子だいすき!」って思わず声を上げれば「ここ知ってるんですか?」って驚かれた。たぶん私たちの住む県の人なら、ほとんどみんな知っていると思うけど。「地元にあると当たり前すぎて、有名って気づけなかったです。」って、もう、全部が可愛い。
ていうか、今日もビジュが良いな…。どこまでいってもイケメンなの、勘弁してくれ。
そのまま車はランチのお店がある周辺に向かう。
私が行きたかったのはお寺で、そこに過去のお守りを返納する予定だった。が、その肝心なお守りを忘れた。普通に忘れた。
「何しに行きたいって言ったんですか(笑)」と彼は笑っていた。目的はなくなっちゃったけど、せっかくならお参りだけ行くことにした。
私たちは月曜、火曜とお休みをとっていて、その日は火曜日だった。
月曜は実家に帰ると言っていた彼に「昨日行って昨日こっち帰ってきたの?」と聞けば、「朝8時くらいにこっち出て、用事だけ済ませてもう14時くらいにはむこう出てましたよ。」と言われた。
本当はゆっくり帰りたかっただろうに、今日の予定があるせいで切り上げさせてしまったのが心苦しかった。
「もち子さん、昨日は何してたんですか?読書ですか?」って聞かれて、昨日は本当に所用を済ましていただけだったので、そのまま答えた。「クリーニング出したり銀行行ったりして、帰りにスーパー寄って、夜ご飯作って終わりだよ」って。
「写真のチキン南蛮、めちゃくちゃ美味しそうでした。もち子さん、料理うまいですよね。」って言われて、そう言えばあまりにうまく出来たから自慢のように見せたんだったな、と思い出す。
「写真だけだよ、味は知らないよ。」「でも、奥に見えたキャベツの千切りが雑なところも含めていいなって思いました(笑)」「そういうの見なくていいの(笑)」
おしゃべりをしていればあっという間に駐車場に到着する。
後部座席に投げ入れていた上着をお互い着こみながら、彼は後部座席のプーさんのぬいぐるみに目を向ける。「可愛い。これもらって行っていいですか?」「え、ダメだよ?」
寒い寒い、と歩きながらお参りをして、仲見世通りを歩いて戻る。「今年のおみくじ引きました?」「ひいた!大吉じゃなかったけど書いてあることは悪くなかったよ。」私は、毎年同じお寺の同じおみくじを引くと決めている。おみくじのほかにお守り代わりのストラップが入っているもので、財布に入れたそれを「毎年これ引くんだよね」と見せた。
「え、僕もそれですよ。」と彼が笑う。「え、嘘。」「本当。会社のペンケースに付けています。」「何色?」「黄色かな。」「色も一緒じゃん!」
こんな何でもないようなことが、飛び上がりたくなるほど嬉しい。
寒いし、ランチのお店が開く時間まであと30分くらい余って、避難するようにカフェに入った。手の感覚がじんわり元に戻っていく温かさ。
彼は珈琲を、私はチャイティを手に席に座る。
あ~~~~~~、顔、良。
何でもないような話をしたり、聞いたりしながら、のんびり飲み物を飲む。
「そう言えば、大学の頃の研究室で、教授が作った日記帳みたいなのがあったんですよ。」「へぇ。」「そこに僕、絵を描いて遊んでいたんですけど。」「勉強しな?」「いやいや、暇だったんで。……そこで僕、プーさんの絵描いてたなって思い出して。」「え、見たい見たい。」「僕って絵、うまいと思います?下手だと思います?」
ポケットからスマートフォンを取り出してその絵を探しながら、彼にそう聞かれた。
「下手!」「えーなんで(笑)じゃあLINEに送るから見て下さい。」
送られてきたLINEを開く。
4枚ほど送られたその画像の中の絵は、悔しいほどめちゃくちゃうまかった。
「え、うま。」「うまいでしょ。」「これ写し絵じゃないの!?」「見ながら描いてはいますけどね。」「えーーー…なんかムカつくな。」「なんでですか(笑)」
じゃあ、とお返しに私が描いた絵を見せてあげた。
「あ、これは下手な人の絵だ(笑)」「絵なんてうまく描けたことないよ」「うまそうに見えるのに!」「下手そうに見えてうまいの、ずるくない?うまそうに見えて下手なの一番最悪じゃん。」「今度プーさんかいてください。」「ぜっっったいに嫌です。」
話過ぎていたのか、ランチのお店の開店時間を過ぎていた。そろそろ行くか~と思い腰を上げて、お店に向かう。
人気かつ席数の少ないお店なので、既に1組が外で待っていた。名前を書いてベンチに座る。
待ち時間用のメニュー表を眺めて、「何にする?」の時間。
彼は来たことのある店で、私は初めての店だった。「あ、これ美味しそう」と指させば、「これめちゃくちゃ美味しいんですけど、…味けっこう濃いですよ。飽きずに全部食べれますか?」と聞かれる。「無理かも。諦めちゃうかも。」「諦めちゃうんだ(笑)」「じゃあこっちにする…ええでも…」と何分か頭を悩ませて、結局もう少しサッパリしたものにすることにした。
「でもこれ、味気になる。」と往生際の悪い私に、「じゃあ僕がこれ頼むから、最初のひと口食べていいですよ。」と有難いお言葉を頂戴した。甘えさせてもらうことにする。
しばらくして名前が呼ばれて、中待ち合いに座る。テーブル席の若い男性3人組がちょうど食べ終わった様子で、「カップル待ってるから早めに出ようぜ」と話している声がした。3歳差の、微妙な距離感で椅子に座る私たちでも、カップルだと思ってもらえるんだなと少し安心した。まあ、カップルではないんですけどね。
席に案内されて料理を待つ間、次の予定を決めた。私が行きたいと思っていたイベントを、彼も何かで見て気になってくれていたらしく、すんなりと予定が決まって良かった。
3週間後に会えることになった。またしばらくは可愛く生きていく事が出来そう。
最初のひと口を交換こした。美味しかった。
途中で明らかに食べるスピードが落ちる私を見て、「お腹いっぱいになってない?」と彼は笑い、「いい加減少食って認めてください」って言われた。認めないけど。
ご馳走さまをして、やっとカラオケにむかう。
車内ではワカサギ釣りの話になった。
「ワカサギって、餌なにか知ってますか?」「しらなーい。」「蛆虫です。もち子さん、虫構えます?」「蛆虫ってちっちゃいの?」「ちっちゃい。それ手に取って、ハサミで半分に切って針につけるんですよ。できます?」「んー、手先が非常に不器用だから、無理かも。」「そっち!?虫が気持ち悪いとかじゃなくて?」「だって小さいのハサミでさらに切るんでしょ?私本当にそういうの出来ないんだよね。」「虫自体は触れる?」「蛾とか蜂とか、ぶんぶん飛ぶのは苦手かも。」「ああ…まあ、じゃあ大丈夫か。」
大丈夫か、ってなんなんだろう。
前回お出かけした時に私が「ワカサギ釣りに連れて行ってほしい」とお願いしたのを、前向きに考えてくれたということで良いだろうか。
「ワカサギ釣りって何月までできるの?」「一般的には3月いっぱいですね。」「じゃあ3月、連れて行ってもらおーっと。」「連れて行ってって……いいですけど。」
何かが腑に落ちていないような、少しふんわりした返事が来たので、この話題はこれ以上触れなかった。
カラオケは3時間パックにした。(やっとカラオケの話題)
オレンジレンジから幕開けしたカラオケ、総じて、非常に楽しかったです。はい。
各々が好きな歌を歌いつつ、早々に声を枯らして、でも無理やり声を出して歌った。
早々に92点を出した彼は「90点台が出るまで帰れないルールにしましょう」と余裕の笑みを浮かべた。その後私が3回くらい連続で89点を出し続けて、バラエティとしては大成功だった。
(後半の追い込みでギリギリ90点を出したので帰れた)
何曲かは2人で歌ったりもした。
好きなアーティストが一緒のこともあれば、初めて聴く曲もあった。
時間になって外に出たとき、お手洗いに行っている間に会計をしてくれていた。
カラオケを出てからは、少し移動して買い物をすることに。
知人の誕生日プレゼントとして、まるでこたつソックスとお菓子の詰め合わせを買った。購入金額に応じて2時間分の駐車料金が無料になったので、せっかくだからと他のお店も覗いていくことになった。
「本屋さん寄りますか?」「ええ、○○くん本屋さん飽きるじゃん。」「飽きるけど…でも大丈夫です。」
本屋さんに向かう途中、彼が立ち止まる。「あそこ、たくさんイヤリングありますよ。」と言われる。「え、見たい。」「見ましょう。」とそちらに歩いていく。
そこそこのお値段がするアクセサリーショップなので、種類も豊富で作りも凝っていて可愛い。私が何か手に取るたびに「それ可愛いですね」と言ってくるので「なんでも可愛いって言うでしょ」と悪態をついた。「なんでもは言わないですよ!」と反論された。
彼は別の棚を見に行ってしまったので、ゆっくり目の前の棚を見る。そこでユラユラしていたイヤリングに、完全に一目惚れをした。手に取って光に当ててみる。可愛い。
そのイヤリングを片手に持ったまま他のものを物色していれば、「それ、めっちゃ良い」という声が降ってくる。「良いよね!?」「可愛いです。買いましょう。」「買わせたいだけだ(笑)」なんて会話をして、そのあと20分くらい他のやつも見て回って、結局買った。次のデート、これ付けて行こうっと。
さて次こそは本屋に…と思っていたのに、今度はガチャガチャがたくさんあるスペースで捕まった。「プーさんありますかね」って聞かれて探したけど、なかった。
かわりにちいかわを2回やった。彼はムーミンのスノードームを回していた。
本屋に着くころには時間もあまりなくて、でもその割にしっかり見て回ることが出来た。本屋では基本別行動をしてくれていたので、割愛。
駐車場に戻るころには、あたりはもうすっかり真っ暗だった。
「結局雪ふらなくて良かったね」「もち子さん晴女だから。感謝します。」
そんな会話をして車に乗る。帰るには名残惜しいけど、夜ご飯には少し早い。微妙な時間だ。明日もお互い仕事。ここは先輩から言った方がいいかなとおもって、「今日はもうこれで帰る?」と聞いた。「そうですね。」と言われたときのために、「うん、そうしよう」と答える笑顔を準備していた。
返って来たのは、「んーーー」という長めの唸り声と、「夜ご飯にはまだ早いですもんね、どこかほかに買い物行きたいところとかありますか?」という質問だった。
夜ご飯、食べてくれるんだ。と思った。
「帰らなくていいの?」「え、はい」「明日からの1週間分の食材とか、買いに行かなきゃいけないんじゃないの?」「昨日のうちに全部済ませてありますよ。だから早く実家から帰って来たんだし。」
じゃあ、もう少し、一緒にいたい。
そんなようなことを言って、承諾してもらった。
帰宅ラッシュと重なる道は混んでいて、私たちの住む地域に戻るころには完全に夜になっていた。
夜ご飯、何食べたい?と聞けば「魚」と返ってきて、「魚ってなに(笑)」と笑えば「おすし…?」と提案する声が重なった。
わざわざ隣の市のすしチェーン店に行くことで時間調整をしよう、と提案した。いいですね、と言われた。コンビニで飲み物だけ買って、隣の市までドライブをした。
静かだったり、おしゃべりしたり。車内もすし屋の順番待ちもずっと楽しい。
それはもちろん、食べている間もずっと楽しい。
「2月も遊びたいって言うの、実はすっごい悩んだんだよ」という話をした。
「どうして?」「だって私先輩じゃん。先輩から誘われたら断れないし、先輩といたって気遣って疲れちゃうだけだし。こういうこと言われたって「そんなことないです」って言うしかないじゃんね。」とひねくれた論を展開する私に、彼は「気……遣ってるのかな…」とボソッと呟いて、「でももち子さんと遊ぶのめちゃくちゃ楽しいです。だから逆に気遣わないでください。」と笑ってくれた。顔が、良いです。
彼の家まで、安全運転で帰る。
駐車場に入れて、後部座席から彼が荷物を取り出して帰ろうとして、「ねえ、プーさん持ってっていいですか?」って聞かれる。「ダメです。」って笑う。
おやすみ、って手を振った。
楽しい1日だった。
2月まで、あと少しでも可愛くなれますように。
少しくらい、恋愛対象として意識してもらえますように。