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連載 #夢で見た中二物語 23

今回は数年前に見た夢物語、かなり長めです。

ついでに言うと、内容も出てきたキャラクターもなんだかひと昔前風だった気がします。

※昆虫が苦手な方は若干注意 (^_^;

☆☆☆☆☆

ファララム妖怪譚



舞台は夕暮れ時の誰もいない学校、逢魔が時が来る度に得体の知れない異世界からやってくる妖怪達と戦い、異世界の脅威から密かに実世界を守っている少女の物語。

その少女はファララム(これは妖怪達と戦う時だけ使用する異名らしい)と言って、ある時に実世界と異世界の狭間を偶然目撃してしまい、それ以来実世界にいながら異世界の力を得ることとなってしまった。

その代償として、人々が常日頃その存在すら知らずに驚異にさらされている元、異世界の妖怪達と戦い続けるという宿命を負わされてしまう。



ファララムは元々ごく普通の高校生だったが、異世界を覗いて以来変わらざるを得なくなり、現在周りからはかなりの変わり者として認識されている。

本人はそんなこと構わずに生活しているフリをしているが、やはり気は重い。

そんな中でも唯一の理解者であるたった一人の幼なじみで親友(アカリとかいう名前だったと思う)の少女がいて、彼女もファララムが妖怪と戦う時には同席している。

特別な力を持っているわけではないようだが何故か妖怪達が見えているのと、そういうものを見てもほぼ動じない程強い精神の持ち主らしい。

もしかしたら、そういう類の何か特殊な力を別に持っているのかもしれない。



その日もいつものように薄暗くなりつつある夕暮れ時の学校を探索するファララムとアカリ、校内の敷地の端にたむろっている学校のヤンキー集団が少し気になるが構わず歩き回る。

すると突然上空から空を切る鋭い音が聞こえ、ファララムがアカリを伴ってその体当たりを避けると、元いた場所には巨大なカイコガ(蛾の一種)の妖怪がいた。

いつものように異世界から現れた妖怪としばらく戦っていたが、今回の敵はいつもより手ごわいと感じる。

大体いつも小さい妖怪が集団になって大量に襲ってくるのに今回は一匹だし、いつもの妖怪達のように煙のようにすぐかき消える実体のないものではなく現実味がある。

ファララムがそう考えていると、カイコガが突然背を向け飛び去っていこうとする。

ファララムはそれを追いかけ、高さに構わず校舎三階の窓から軽やかに飛び降り地面に着地する。



ファララムがカイコガを見つけた時、カイコガはたむろっていたヤンキー集団のうちの一人を捕まえ空中に飛び立ったところだった。

妖怪の姿が見えないヤンキー集団達は驚き騒ぎ、ファララムの姿を見つけて彼女が事の元凶と思い問いつめてくる。

そんなヤンキー達を軽くいなし、ファララムはカイコガの元に走り寄る。



ファララムはこのカイコガの妖怪はどうも何か伝えたいことがあるようだと直感し、じっと見上げる。

すると、どこか見覚えのあるペンダントのようなものがカイコガの首もとで光っているのを見つける。

そこに階段を使って三階から降りてきたアカリが合流し、アカリがファララムに言われて例のペンダントを見て気付く。

そのペンダントはアカリの病弱な兄のもので、彼は現在近くの病院で闘病生活中。

入院する以前はファララム達と同じようにこの学校に通っていたが、当時、現在上空で捕まっているヤンキーに虐められていた事があったはず。

そのすべてを理解して、何故こんな事になったのかは分からないままだったが、ファララムとアカリは説得にかかる。

しかし、カイコガの妖怪・・・つまりアカリの兄は何かに操られているのか、ヤンキーを少し高い建物の上に置き去りにしてから再びファララムに向かってきた。



自らの体術と妖術を駆使し、学校中を戦いながら駆け回ってようやくカイコガを気絶させ大人しくさせたファララム。

しかし今度は先程のヤンキー達が追いかけてきたので、一旦カイコガを妖術で小さくしてからアカリに預け、近くにあった非常階段から二人を逃がす。

ファララムは戦いを挑んできたヤンキー達を再び軽くよけると、妖術で彼らの記憶を一瞬にして消し去り気絶させる。



非常階段の途中には「アスカの部屋」と書かれた秘密の部屋があり(アスカはファララムの本名)、いつも妖怪退治を終えた後にファララムとアカリが一段落つく場所となっている。

そこでアカリはファララムから聞いていた図書室にあった妖術関係の本に載っていた魔法の図面で、カイコガの妖怪の姿のままの兄を回復させていた。

気絶させられたことで誰かに操られていた妖術は解けていたので、ファララムはそんな二人の様子を黙ってじっと見ながら朝日に照らされていた。



そんな時、不意に秘密の部屋の扉をノックする音が聞こえて、ファララムは少しメンドクサそうに返事をする。

すると男性二人が入ってきて、片方の男性がファララムに気安く話しかける。

二人は実世界における特殊刑事のようなもので、異世界や妖怪達の脅威から人々を守るために活動している。

ファララムと同じように異世界の存在を知っていて、一人はベテランでファララムともよく知った仲、もう一人は最近入ってきた新米で、まだファララムに少々不信感を抱いている模様。

そんな二人にファララムはよく情報提供をしている(させられているとも言う;)ゆえに、今回のことも話さざるを得ないがいつもとは少し事情が違う事を伝える。



今回は実世界の人間が妖怪の姿に変えられ、その上で何か別の存在に操られていたという事。

その関係を断ち切ってもその姿は戻らず、これから元の姿に戻す方法を模索しなければならないという事。

そもそも誰が、たぶん特殊な力を持った別の妖怪が今回の件に関わっているのではないかという事。

その妖怪を探し、これ以上の異世界による実世界浸食をくい止めなければいけない事などを伝える。



刑事達が帰った後、アカリの兄はカイコガの姿のままだが意識を取り戻した。

人間の姿だった時の記憶もあるようで、それ故に少し悩む。

悩んだ末、元の姿を取り戻すためにファララム達の手伝いをするということを自ら提案する。




カイコガの一件が済んだ翌日、今度はファララム達が暮らす地域に今度出来る大型ショッピングモールを妖怪達が狙っているという情報が入る。

夕暮れ時、ファララム達は戦いの舞台へと向かう。



ファララム妖怪譚 完

☆☆☆☆☆

今回はこの種の夢にしては珍しく、一応少なくとも一話分くらいは完結している様子。

続きがどうなるのか、個人的にとても気になる夢でした σ(^_^;

中高生の頃より現在のような夢を元にした物語(文と絵)を書き続け、仕事をしながら合間に活動をしております。 私の夢物語を読んでくださった貴方にとって、何かの良いキッカケになれましたら幸いです。