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「極楽ふろや道」マンガ図書館Zで配信中です

現在「極楽ふろや道」という漫画をマンガ図書館Zというサイトにて配信して頂いています。銭湯絵師(銭湯の壁面に富士山などの絵を描く職人さん)が活躍する物語で、広告あり版でしたら無料で読めます。未読の方はぜひご覧になってみて下さい。

マンガ図書館Z_極楽ふろや道

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※AmazonでKindle版も販売中です。 広告なしで保存してお読みになりたい方はぜひご検討ください。

※マンガ図書館Zとは…
単行本化されなかったり絶版になったりした漫画を無料配信しているサービスです。広告料が作者に還元されるシステムになっています。(著作権の問題をきちんとクリアしているサイトですので、安心してご利用ください)


せっかくなので、この場を借りてこの漫画の裏話を書いてみたいと思います。 当該作品は元々2013~2014年に3回に渡って「漫画ゴラクスペシャル」という雑誌に掲載された読み切り漫画でした。(ちなみに今の「漫画ゴラクスペシャル」は月刊誌ですが、この当時は大型連休の時などに出る季刊誌でした)

この漫画の企画が決まった当時の私はデビュー前で(この原稿を描いている最中に他誌での入賞が決まり、結果的にそちらがデビュー作になりました)、雑誌に掲載されることを前提に原稿を描くというのが初めての経験でした。その時に編集者さんからアドバイスされたのが、「うちの雑誌はご飯を食べながらでも読めるというのがコンセプトになっています。なので見やすいように大胆なコマ割りでお願いします。写植も他誌に比べて大きめに入れるので、台詞を短くすることも心がけてみて下さい」ということでした。

これには目からウロコでした。それまで自分は漫画の原稿を仕上げるというと、新人賞や持ち込みなどで「編集者さんに見て頂く」ところで止まっていたため、その先の「読者の方に届ける」ということをあまり意識できていませんでした。

余談ですが、商業漫画のアナログ原稿は基本的にB4サイズ=漫画雑誌を二つ並べたくらいの大きさの紙に描きます。印刷時に大幅に縮尺されることを今一つ想像できていなかった私は、それまでかなりキツキツのコマ割りで描いていました。また、製本時に原稿の端を裁断されることを意識した上で構図を考える、というのもこの時初めて意識しました。
(↓原稿と雑誌の大きさ比較…大体こんな感じです)

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そのアドバイスを頂いてからというもの、頭の中に「地方都市の中年サラリーマンが、車での営業回りの道すがら、サービスエリアの定食屋でラーメンをすすりながら漫画雑誌を読んでいる」という様子を思い浮かべて、その彼をホロッとさせたりクスッとさせたりすることを目標にこの漫画を描くことにしました。読者の目をしっかり意識した初めての経験だったかもしれません。

そんなこんなで自分なりに苦労して描いた漫画だったので、単行本化には届かない短いページ数ながら、またこうして新しい読者の方に読んで頂ける機会に恵まれたことをとてもありがたく思っています。
大きなコマ割り・大きな写植の原稿は、スマホで読む際も拡大せずにそのまま読めるという大きなメリットがあり、改めてゴラクの編集者さんにはとても良いアドバイスを頂いたなぁと思います。

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長くなりましたが、未読の方はぜひ読んでみて下さい!

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