夏の冒険

小さなリュックが
かたかたなった

片手は切符を握りしめ
片手はお互いの手を
ぎゅっと握りしめ

大きな人達の列の中
前をまっすぐに見る

見送るお母さんに
手を振りながら

お兄ちゃんはピンと背を伸ばし
妹ちゃんより少し前
妹を守るように

二人のこれから
二人だけの旅に出る

不安と心配を期待を抱いて

夏を楽しむために

電車が来た

さあ
彼らのひと夏の
冒険が
今！
始まる

駅で小さな男の子と女の子が手を握り、
走り抜けて行きました。

私の所からはご両親の姿が見えず、
ひょっとして、これから、二人で
おじいちゃんのお家に向かうのかな？

『はじめてのおつかい』のような場面が浮かび、この詩ができました。

実際、今のご時世、子供だけの旅行なんて無理なのかもしれませんね。