ほしのディスコに堕ちた話2
歌声だけで堕ちるなんかあり得ないし、プロの歌手でもないのにそんなわけない、本気で好きになるはずはない、あり得ない、と思うのですが、ディスコさんの事が頭から離れず、本当に本当に困りましたし、苦しくて苦しくて、仕事も手につかず、膝を抱えて顔をうずめる日々が続きました。彼の歌を聴くだけで心臓が締め付けられるし、心に響きすぎて、手を口に当てて彼を凝視して聞いてしまうのです。
私はファッション業界で働いていましたので、自分の美学がありました。たくさんの美しいモデルや芸能人と仕事をしました。ただ心を打つほどの魂の強さと深さは、ここまで感じたことはありませんでした。
ただ、年を経て、「本当の美しさ」と言うのは、手を一切加えないそのままの自分自身だという事には辿り着いていました。
そんな時に会ったのがほしのディスコさんだったのです。
家族も居ますし、恋なんかもうする事はすっかり忘れていたし、必要でもないし、今までも普通に幸せだし、社会的にも自立しているし、精神的にも安定している方だと思っていたのに、ディスコさんを知った瞬間から、私はどこか心が欠けてしまったように、未完全な精神状態に陥ったのです。
それはまるで、本当の自分を隠して生きているのを暴かれたかのような、歳を経て身にまとってしまっていたものを取り払われたような、その身にまとっていたものには何の価値もなかった、そんな感覚。
その後私はまるで16歳の時のような精神状態になったのです。
すごい勢いで彼関係のメディアを見続けました。
そのひとつに、ツイキャスがあります。
私はSNSが苦手で、2ちゃんねるが流行った世代だったので、ツイキャスを見に来る匿名のファンの視聴者のコメントに、丁寧に反応している事に驚きました。顔も見た事ない(中にはいるけど)、所謂匿名のファン。
辛辣な事を言う人も居ると思うのに、メンタル強くなくてはできないでしょう、と心配になりました。
なのに彼は、コメントを丁寧に拾い、数文字しかない言葉の先にある相手の気持ちを丁寧に扱うのです。