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実生活に入り込む物語

私は生まれてこの方、物語を読むのが好き。
母の読み聞かせに始まり、様々なファンタジー物語の世界に浸っていた幼少期。その後、読書の幅は広がり、最近はヨーロッパの古典を読みまくっています。

物語に没入しているとき、私はその世界に入り込んでしまいます。
世界の間にある水溜り、高い高い崖、カラフルな砂漠。様々なシーンが映画のように頭の中で展開されるのです。

そんな風に、物語を映像として捉える私だからこその感覚なのでしょうか、先週、街を歩いていて不思議な体験をしました。

渋谷のスクランブル交差点で

先週、渋谷のスクランブル交差点を歩いていたときのこと。
「人多いな〜」と思いながら、早足で地下道への入り口に向かっていたところ、向かいから背の低いおじさんがひょこひょこと歩いてきました。

そのとき、ふと、とある物語の一場面が頭の中で展開されました。
その物語はこんな内容。

主人公の男が夜、とある賑わいのある通りでおじいさんをみかけます。
そのおじいさんの慌てたような足取りに興味を覚え、主人公はおじいさんを一晩中尾行するのですが、酒場や住宅街を抜け、朝になると最終的に同じ通りに戻ってきてしまいました。なおも歩き回るおじいさん。歩き疲れてヘトヘトになった主人公は、家に帰っていきます。
そのおじいさんは、「群衆」という形のないものを体現している存在なのでした。

渋谷のスクランブル交差点に話を戻しましょう。
物語のおじいさんのイメージと、スクランブル交差点で向かいから歩いてくるおじいさんの姿がピッタリと重なり、とても不思議な気分になったのです。
このおじいさんは、この場所に集まっている「群衆」を象徴しているような存在なのではないか・・・。
それと同時に、私の頭の中のこの想像が、物語で読んだことなのか、映像として観たことなのか、区別がつかなくなってしまいました。

結局、その物語がなんなのか今でも謎のまま。
物語が実生活に入り込んできたような不思議な感覚を覚えた初めての体験でした。

物語の世界

最初も書いた通り、私は物語を読むとき、映像で捉える類の人間です。
幼少期の思い出深い記憶は、結構、物語のワンシーンの想像、ということが多く、いつかその世界を形にしたい・・・という欲望を抱えながら生きてきました。

そんな私は、なぜか、物語の世界は実際に存在している、という確信を感じています。そこにいつ、行くことができるのか。生きている楽しみの一つです。

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1994年生まれ、今は東京で会社員、週末はデザイン学生。1年ほど世界の旅をしていました( 旅ブログ http://curiosity-travel.com )。日々の中で感じたことや本や映画の感想、旅のことなどを書いています。