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パリと京都の往復書簡 クリスマス事情編

ヨーロッパの国が次々とロックダウンを発表しています。「クリスマス前には解除して、クリスマス商戦には間に合わせたい。」バカンスと同様、1年の重要行事であるクリスマス。経済活動の観点においては、とても大切な時期ってことなんです。

クリスマスはお正月? ◀︎ヤマダ@KYOTO

パリの11月は日照時間が少なく、雨が多く、、、ちょっと鬱々としてしまう天気ですよね。
ヨーロッパのクリスマスって言うと、とても華やかで素敵なパーティーで盛り上がりそうなイメージを持っていました。留学して最初の年のクリスマス、そう言えば本場のアルザスへ行こう!と旅に出て、思っていたクリスマスとは随分違っていたことを思い出します。

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まず、本当に寒かった。そしてなんとなく華やかではなく、静かでちょっとさみしい雰囲気でした。足の凍え方も半端なく、足先のカイロなんて役に立たなかった。出発前に調子に乗って、生牡蠣、ブッシュドノエル、お肉なんて食べたが故に、体調を悪くしダウン。調子悪いままの旅先のアルザスで待ち受けていたものは、煮込み料理ベッコフ、クリームたっぷりのブッシュ・ド・レーヌ。体調万全で味わいたかった。
でも、レストランのディナー時にやってきたサンタクロースさんに、プレゼントをもらったこと、寒すぎてずっとヴァン・ショーを飲み続けたことは良い思い出です。

そう、クリスマスって家族で家で過ごす行事なんですよね。
だからクリスマス前後はショップもレストランもミニマムの営業で、閉まっているところも多い。これっていわゆる、日本の正月みたいな雰囲気だなと思いました。


クリスマスに期待される経済効果 ◀︎カネコ@PARIS

ロックダウンにテロなどの事件、正直今のヨーロッパは気持ちが暗くなるニュースばかりです。10月のバカンス(Toussaint)が明けたばかりですが、今のフランス人にとってはクリスマスが心の拠り所でもあり、同時にクリスマスもこの状況が続くことに不安を感じているのではないかと思います。

そうですね、日本と欧米ではクリスマスとお正月は逆転していますよね。日本でのクリスマスは子供やカップルにとってのイベント感が強いですが、欧米の人たちにとっては、家族・親戚たちと集まり過ごす時間です。逆にお正月は何もなく、大みそかに友達と集まってパーティをするくらいでしょうか。日本のように三ヶ日などもなく、特に何もなければ1月2日から平常運転です。

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クリスマス商戦という言葉も、日本とは意味合いが違うように思います。日本の場合はもともと冬のボーナス商戦というのがあり、その流れを汲んでのクリスマス商戦なのではないかと。(注:自分調べ。)また、基本的に買うのも自分へのプレゼントだったり、カップル間での交換などはあると思いますが、あくまでもご褒美感があるように思います。

対して、欧米のクリスマスプレゼントは家族・親戚で集まった時に、全員とプレゼント交換をするので、各自全員分のプレゼントを漏れなく用意します。それがクリスマス商戦の原動力なので、日本のものとは比べ物にならないかと。いわゆるこれが、経済効果。(という名の無駄遣いでは?、、、と個人感。この時ばかりは日本人として生まれたことがありがたく、またお年玉というシステムを発明してくれた人に感謝です。)

買い物もオンラインへシフト

アメリカで11月末に行われる一斉セール「ブラック・フライデー」もその流れのイベントです。小売業はこの時期の売上が年間の何割分にもなるので、その年の業績はここで決まると言われています。

フランスでもこの数年でブラック・フライデーという言葉を聞くようになりました。それに乗っかる企業もあれば、そんな大量生産・消費には加担できないと、不参加を表明するブランドもあって、見ててなかなか面白いですね。

また、買い物行動が徐々にオンラインにシフトしているのは今に始まったことではないですが、コロナの影響でそれに拍車がかかっているのはフランスも例外ではありません。前回のロックダウン以降、政府もオンラインショップへの助成金を出すなど、それをうまく利用できた事業者はむしろコロナ前よりも業績を伸ばしていると聞きます。

良いこともありますが、やはり心配なのは格差が広がることだと思います。特に飲食店などは大変だと思います。普段から外食をほとんどしない自分としては申し訳ないですが、何とか耐えて欲しいですし、国にもぜひ救済をしてほしい。

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というわけで、在仏日本人家庭では、このクリスマス商戦に巻き込まれることもなく、このコロナ禍では気軽に一時帰国できるわけでもないので、ますます関係ない感が強いですが、ツリーくらいは用意して、家族だけでゆっくりと過ごそうと思います。

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