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【キャスティングディレクターズ FILE】熊澤萌、年間100本以上の作品を視聴するエンタメマニアの元プロダクションマネージャー

Sainote by エイスリー

熊澤 萌(くまざわ もえ)
求人広告代理店で営業、映像制作会社でプロダクションマネージャー(以下、PM)を経て、2020年に株式会社エイスリーへ(以下、エイスリー)入社。お笑い、漫画、小説、音楽など幅広くエンタメ好きで、特に映画や演劇愛が強く、年間100本以上の作品を視聴。CM等の広告案件、SNS投稿案件をはじめ、ポッドキャストやYouTubeの番組のキャスティング実績を持つ。

映像制作会社のPMからキャスティングディレクターに転身した訳

ー キャスティングディレクターになったきっかけは何ですか。

そもそもタレントさんが好きということもありますが、前職の映像制作会社に所属していた時に、オーディションという場に魅了されたことがきっかけです。
その世界観に当てはまる人が一目見ただけでわかることもあって。オーディションの決定権のある人全員の意見がほぼ一致するのですが、そういう体験が不思議でおもしろいと感じました。やはり何か持っている人は輝いてみえますね。

映像制作会社の経験にかぎらず、その感覚は昔からあったように思います。学生の時に、今や売れっ子の大物俳優の方が今ほど有名になる前に街中でロケをしていたのを見かけたのですが、発光していました!

世界観に当てはまる人、光っている人を見つけることが楽しいと感じて、キャスティングの仕事に興味を持ちました。

ー 前職の映像制作会社ではどういった事をなされていたのですか。

PMとして、4年ほど働いていました。企画から納品まで50名ほどが関わる規模の案件を担当していました。一番長く担当していた案件は自動車で、あとは保険やビール等です。

ー 前職でどのようなスキルが培われ、今のキャスティングディレクターの業務に活きていますか。

多数の案件を同時に対応するマルチタスク力でしょうか。前職でかなり鍛えられました。PMには規模の大きい案件一本を集中しておこなうことが得意な人もいれば、規模は問わず複数の案件を捌くことが得意な人もいます。私は複数の案件を捌く方が得意なタイプで、成績ランキングでは「案件数」の分野で、社内トップ5に入ったことがあります。

同時に、メンタルも鍛えられました。
映像制作会社での仕事もキャスティングの仕事も、絶対ミスはできません。例えばキャスティングでは、タレントさんが万が一当日出演できないとなったとしても替えがきかないですし、常に緊張感があります。どちらも大きな予算が動いていますし、そうしたプレッシャーの中で仕事を進めるうちにメンタルが強くなったように思います。リスクヘッジを万全にしつつも、何か思わぬ事態が起きても冷静に対処できるようになりました。


仕事を進めるうえでぶれない“軸”とは

ー 普段、案件対応を行ううえでどのようなことを大事にされていますか。

クライアント様(または代理店様)と事務所様、どちらの立場にも立つことです。キャスティングの商流はクライアント様からなので、もちろんクライアント様視点での対応をおこないます。一方で事務所様にとっては、キャスティング会社は自分たちを守ってくれる存在でもあります。その両者からキャスティング会社を間に入れてよかったと思っていただけるよう、時と場合にもよりますが、公平さを意識しています。

また、金額の要望に柔軟に応えることも大事にしています。
必ずしもクライアント様の理想通りにはならないかもしれないものの、調整できる可能性が1%でもあるのだとしたら、事務所様への調整を試みます。条件を変えていただいたり、タレントさんご本人の稼働を減らしていただいたり等、策を考えて交渉をしますね。

ー 実は前回のキャスティングディレクターズFILEで、同じユニットの橋本さんに熊澤さんの印象を伺ってみたのです。「仕事を進める上での軸がぶれていない」と伺い、まさに今言われたことなのかなと思っています。他にも「制作案件の知識が豊富であるがゆえの、ハンドリングの上手さやリスクヘッジ力が高いこと」もあがっていたのですが、ご自身としてはいかがでしょうか。

自分ではなかなか気づけていなかったのですが、WebCMのキャスティング案件が一例でしょうか。

撮影の進行がすごく大変な案件でした。香盤表(スケジュール表)をみれば撮影がどう進んでいくかのイメージができますが、制作会社様からいただいた香盤表はかなり厳しい内容でした。

ロケが3箇所で、それぞれの場所が離れていました。またレジャーパークでの撮影を予定していましたが、開演前か開演後でないと撮影ができません。おのずとタレントさんの拘束時間も長くなります。

香盤をみた段階で収まりきらないことはわかったため、制作会社様にどのように時間を極力縮めるかを事前に相談しました。たまたま担当の方が知り合いだったため、相談しやすかったのもあります。

事前の調整があっても、やはり実際撮影する時には押して、現場での調整も必要でした。制作会社様から「あと何回か撮影したいです」と要望があった場合には、「ではここはあと2、3回だけチャレンジして次に行きましょう」とご提案することもありました。
クリエイティブディレクターや監督が撮影現場でアウトプットにこだわらないといけないことは、重々理解しています。
ですがタレントさんももちろんプロですから、自分の中にも正解がありますし、スケジュールにも限りがあります。タレントさんや事務所の方が声を上げる前に、キャスティングディレクターが代弁し現場を丸くおさめていくことも時には必要かと思い、意識しています。


バーチャルヒューマンやメタバース、経験のないジャンルに一度は挑戦してみたい

ー どういったインプットを日頃から心がけていますか。

ドラマもチェックしますし、CMもチェックします。

CMはテレビと並行して、YouTubeチャンネル「oricon News」で毎日その日放送され始めたものを一通り確認します。どのタレントがどういった商材のCMにでているのか、どういった起用がなされているのかの視点で観ます。例えば、あまりギャグをやるイメージのないタレントが振り切ったギャグをしているとかですかね。

ー 仕事で嬉しかったことはありますか。

自分が携わった案件の広告を見ることや、知り合いから「見たよ」と言われると嬉しいです。それから最近は、業界誌に掲載されたこともうれしかったですね。キャスティングディレクターとして評価された実感がありました。

ー 最後に今後挑戦したいこと、キャスティングディレクターとしての理想像をお伺いさせてください。

バーチャルヒューマンや、メタバースの案件にも挑戦中です。
経験のないジャンルに一度は挑戦してみたいと思います。おもしろそうという思いもありますし、新しいジャンルを経験することが実績になり、自分の強みになると考えています。

あとは個人的に映画がすごく好きなので、映画案件のキャスティングには携わってみたいです。広告にもあり得ますが、映画は特に何十年先でも作品として受け継がれていく、そのことにロマンを感じます。

キャスティングディレクターとしての理想は、全てのジャンルを担当できるキャスティングディレクターになることですね。これまでも広告案件をメインに、YouTubeやInstagramの投稿案件や、ポットキャストやYouTubeの番組起用など経験を広げてきましたが、新しいジャンルに今後もどんどん挑戦していきたいと思います。



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