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町を照らすあかりになろう

数年前、NHK「ブラタモリ」のロケがわが町・奈良にやってきました。

ところがそのとき、あろうことかタモリさんを案内したのは…なんと京都のまち歩きガイドの方だったのです!いや、別にいいのですが(笑)でもね、そのときこう思ったわけです。「こういうときに、他にはないユニークな切り口で町を案内できる人がいたらいいのに」と。町を独自の目線で読み解き、それを魅力的に伝えていく。そんな人たちが、もっとこの町にいたらいいのになぁ…と。

そんなきっかけから生まれたのが、自由な自分目線で「超珍しい!」と感じたヒト・モノ・コト・バショを見つける町歩きイベント「超珍(ちょうちん)」でした。ちなみにネーミングは、「みんなで超珍しいものを見つけて町を照らすあかりになろう!」という意味のダジャレです(笑)

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はじめて開催したのは、2017年の夏。江戸時代の町家が多く残る「ならまち」で、この日集まった20名の参加者の方々と一緒にそれぞれの「超珍」を見つける旅に出かけました。見つけた「超珍」はどんどん写真に撮り、コメントと共にSNSにあげていきます。

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例えば、古いお店のレトロな看板とか、店先のポストの上にいる小さなフィギュアとか、空き地で見つけたベンチとボロボロになったプーさんのぬいぐるみとか、それに路地裏に一瞬だけ現れた小さな虹とか…。名所なんかでなくていい。他の誰がなんと言おうと、その人が「超珍しい!」と心が動いたものであればなんでもいい。それがルール。

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最初はなかなか、見つけるのが難しいかもしれません。「何もないやん!」と思われるかもしれない。でも一つ見つけると「あそこにも」「ここにも」と次々に見つかって、だんだん楽しくなってくるんです。そのうち、町には宝物がゴロゴロ転がっていることに気づくはず。

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こうして、3時間で200を超える「超珍」が集まりました。みんなでパーティ会場に集合し、「珍評会(ちんぴょうかい)」が始まります。それぞれの「超珍」をプロジェクターで大映しにして、発見者のお話を聞きながら、一つ一つをみんなでじっくり味わっていきます。そして終わる頃には、今日会ったばかりの人も前から知り合いであるかのように別れが名残惜しく、「また会いましょう」なんて約束したりして、なんだか不思議な感じがしたのでした。

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ふだん何気なく目にしている風景の中にこそ、実は宝物が隠れています。でも忙しい毎日を送るうちに、それがどんどんと見えなくなっていく。だからたまに立ち止まって、僕らはもう一度その宝物を取り戻していく必要があると思うのです。

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