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【ロック名盤100】#30 Love - Forever Changes

 今回紹介するのは、ラヴが1967年11月にリリースした「Forever Changes」だ。発売当時はそこまで売れ行きは振るわなかったが、後に批評家から「1960年代のサイケデリアで最も重要な作品のひとつ」とされた名盤だ。ラヴの最高傑作であり、「ラヴといえばこのアルバム」というイメージが強い。もちろん他の作品もいいんだけどね。
 「サイケデリアの金字塔」と言われるくらいなんだから、カラフルで幻想的な音像なのかなと思ったら拍子抜け。そう、ラヴはもともとフォーク・ロックのバンドであり、アコースティックなサウンドをベースとした仕上がりになっている。オーケストラセクションも目立つし、じゃあサイケじゃないのかといったらこれまた違う。元来のサイケをカラフルとするなら、この作品はホワイトアウトの感覚に近い。虚無なイメージでトリップするみたいな感じだろうか。

1 Alone Again Or
2 A House Is Not a Motel
3 Andmoreagain
4 The Daily Planet
5 Old Man
6 The Red Terephone
7 Maybe the People Would Be the Times
  or Between Clark and Hilldale
8 Live and Let Live
9 The Good Humor Man He Sees
  Everything Like This
10 Bummer in the Summer
11 You Set the Scene

 冒頭の「アローン・アゲイン・オア」が素晴らしい。繊細なアコースティックと壮大なオーケストラをブレンドさせながらも艶やかな雰囲気を匂わせる世界観がとても良い。「ハウス・イズ・ノット・ア・モーテル」「ザ・レッド・テレフォン」など、アーサー・リーの作曲のセンスを感じさせる名曲にも注目したい。そして、アルバムは大作「ユー・セット・ザ・シーン」で華やかなラストを飾って幕を閉じる。
 全体的に、プログレっぽいという感触を受けた。僕個人の感想としては、ELPと似ているんじゃないかと思う。あのあたりのアーティストは、みんなこのアルバムが大好きで影響もたくさん受けたんじゃないかと勝手に考えている。プログレ好きにもおすすめできる1枚だ。

↓「アローン・アゲイン・オア」

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