見出し画像

「どんな想いで入社してきたのか?」今だからこそ見つめ直したい”エンゲージメント”

リモートワークとオフィスへの出社を共存させる会社も増えてきているのではないでしょうか。仕事の特性上、リモートワークに向いている人もいれば、やはりface to faceの方が生産性が高いなと感じる人もいると思います。

そんな異なる価値観を共存させながら、組織として最大のパフォーマンスを発揮していかなければなりません。そのために必要不可欠なのは「エンゲージメント」だと思います。

ココに課題感を感じている組織も多いと思いますので、今回は、改めてエンゲージメントについて理解しつつ、具体的なアクションまで共有できればと思います。


1.エンゲージメントとは一体なにか?

まずはじめにエンゲージメントとは?という点に触れられればと思いますが、実は株式会社アトラエの代表取締役社長新居さんの著書『組織の未来はエンゲージメントで決まる』にめちゃめちゃ分かりやすく書いてあるので、そこから抜粋しながらご説明できればと思います。

早速、結論になりますが、エンゲージメントとは

従業員の一人ひとりが企業の掲げる戦略、目標を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲

になります。

ただ似たような言葉で「従業員満足度」とか「モチベーション」とかがあって分かりづらいので、ちゃんと分類分けしていきます。

(1)従業員満足度

=「従業員がどれだけ会社や職場に満足しているか」を定量化したもの

主な項目は給与、福利厚生、人間関係など。ただ個人の社員の満足度が高いからといって、「主体的、自発的に仕事に取り組めている」とは限らない。

(2)モチベーション

=ものごとに取り組む意欲を引き出す「動機付け」

モチベーションの高さとエンゲージメントの高さはしばしば相関しますが、モチベーションはあくまで ”個々人の” 動機付けなので、個々人が「協働」できなければ組織として成果に繋がるとは限らない。

(3)ロイヤリティー

=従業員の自社に対する帰属意識、愛社意精神

関係性に基づく概念という意味ではエンゲージメントに似ていますが、ロイヤリティーという言葉は主従関係、上下関係を前提としたニュアンスを持っています。一方、エンゲージメントの概念は、個人と組織を対等な存在として捉えているので、その点が違い。


2.なぜ今、エンゲージメントが重要なのか?

一般的には以下の3点を挙げられることが多いです。

・人材の流出を防ぐため
・多様化する社会に対応するため
・顧客満足度を上げるため

言わずもがなな部分ではありますが、このwithコロナ+グローバルな時代において、「多様性」「カスタマーサクセス」は非常に重要な要素になってきます。これらを両立するためには、従業員の「会社に貢献したい」という気持ちは無くてなならないものになります。

スクリーンショット 2020-06-16 20.46.07


3.エンゲージメントを醸成するために必要な2つの共感

では、このエンゲージメントを醸成する為には何が必要なのか?という点ですが、これも先に結論をお伝えできればと思います。

① 会社が世の中に提供している価値に共感できるか?(社外)
② 会社の社風や求められる働き方に共感できるか?(社内)

①の共感は、自分の仕事が世の中のためになっているという実感によって生まれます。つまり会社の事業に社会的価値を感じられ、自分がその事業が好きで、納得して取り組めている状態になります。

一方、②の共感は社内で理想とされる行動や考え方、つまり組織の行動指針に納得できることが、その会社に対する愛着や居心地の良さに繋がります。

逆に言えば、この2つの共感が得られない場合、それは従業員が退職する大きな理由になってしまいます。

スクリーンショット 2020-06-17 18.23.08


4.マネージャーとしてできる具体的なアクション

具体的なアクションとしては、シンプルに「何をしたくてこの会社に入ったのか?」「何にやりがいを感じるのか」を把握することに尽きます。それぞれの強みを活かせる仕事を任せ、不安解消をサポートすることができます。

ただ現実は、個人のやりたいことを100%任せるのは難しいと思います。そのために必要なのが「意味付け」で、具体的には個人のキャリアと会社の方針との接続部分を見せることが大事になってきます。

少し脱線しますが、労働集約型で生産性を追求していたこれまでの組織において「意味」とは邪魔になるものでした。ただ本来、人間は意味を生成する動物であり、意味の見つけられないことは強いストレスになります。また「価値観」という点では、短期の貨幣的利益と会社の中の立場の安定に重きが置かれていました。ただ現代では、より仕事における貢献と人間としての成長・向上に重きが置かれています

そういった背景がある中で、働く個人一人ひとりの職務や能力・スキルを中長期的に計画する「キャリア開発」の考えを、それぞれのマネージャーが持つ必要が出てきたと思います。


5.最後に...

よくこういう話をすると、「じゃー、すぐキャリア開発の研修をやろう!」みたいな話になりますが、継続的に振り返る習慣がなければ研修は一時的な施策でしかないので、大事なのは「きちんと従業員に関心を持つ」ことだと思います。

「どういう想いで入社してきたのか?」

この質問に対して、自分の部下全員の答えを即答できますか?

部下の目標・評価に関心と責任を持ちながら、1on1やフィードバックをすることを当たり前にできることが、エンゲージメントを高める一番の近道だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?