ニューヨーク州 ハンプトンズ Hampton New York USA
今回はニューヨーカーの憩いの場、そして富裕層の別荘地、ハンプトンズを紹介しようと思います。
ハンプトンズとは、ニューヨーク市の東にあるロングアイランドの東端にある場所です。シティからは、83〜95マイル(約134〜153キロ)の距離で、マンハッタンからは電車か車を使い2時間半程度でアクセスできます。
ハンプトンズは、サザンプトン、ブリッジハンプトン、イースト・ハンプトンなどいくつかの集落を含む総称です。マンハッタンの喧騒とは打って変わって、とても静かで穏やかな海岸沿いの小さな集落が続きます。
ハンプトンズはドラマ「リベンジ」「Sex and the City」「キャッスル」などに登場し、有名人や富裕層が巨大な別荘を所有していることで有名です。イメージは”お金持ちの別荘地”。大きなホテルもなく一般人は日帰りか、小さなホテルに滞在します。日本人観光客は、なかなか訪れない場所ではありますが、ここにはNYC観光では味わうことのできない魅力が詰まっています。
NYCからのアクセス
電車の場合、マンハッタンのペン・ステーション駅からロングアイランド鉄道を使うと、およそ2時間半。
バスの場合、NYCとハンプトン間を走っているHampton Jitney(ハンプトン・ジットニー)というバスだと同じくらいの所要時間です。『Sex and the City』では、主人公たちがこのバスに乗ってハンプトンへ向かいます。
車の場合、クイーンズ・ミッドタウン・トンネルを抜け、495号線をひたすら東へ向かいます。495号の終点がリバーヘッドというハンプトンズの入り口の街です。そこから24号線、27号線を辿るとハンプトンズの各集落を通ります。
歴史
もともと、この辺りにはネイティブ・アメリカン(インディアン)が住んでいました。マンハッタンも同様ですが、ヨーロッパからの移民に対し友好的に暮らしていましたが、みなさんご存知のように白人たちによって排除されていった歴史があります。
17世紀半ばになると、このあたりに住み着いていた白人に加え、コネチカットあたりから農民や漁民が海峡を越え南下して、ハンプトンズの基礎を築きました。そして長い間、彼らは漁業や農業を中心に生活していました。
19世紀の終わり頃から、ニューヨーク市に住むアッパークラスの富裕層が都会の喧噪を逃れ、田舎の静けさや美しいビーチを求めて訪れるようになります。
20世紀初頭には、彼らが夏の間に住む豪奢な別荘を建て始め、町として成長し栄えるようになりました。
そして現在は富裕層の豪邸が建ち、不動産価格は非常に高いようです。ハンプトンに別荘を持つことが、ニューヨーカー達の間でステイタスとなっているわけです。
ハンプトンズの町
富裕層が住む別荘地、ハンプトンズの小さな集落ごとに観光ポイントを紹介していこうと思います。
リバーヘッド
ハンプトンズの中では一番NYCに近い街。この辺りにはワイナリーが点在していますので観光の目的は、ワイナリー巡りとなります。ロングアイランド・ワインはここ数年で人気が出てきていますが生産量が少ないので、そのほとんどがニューヨーク周辺で消費されてしまっているようです。Bedell Cellars、Lenz winery、Pellegrini Vineyardsなどのワイナリーが観光客を受け入れ、ぶどう畑を見渡しながら優雅にワイン・テイスティングができます。もしワインに興味があれば、ハンプトンズの北、ノースフォーク半島を訪ねるとたくさんのワイナリーが点在していますので、こちらを攻めるのも楽しいと思います。
サグ・ハーバー
1800年代には捕鯨で栄えた港町です。この街のメインストリートは、古き良きアメリカの面影が残り、アンティークショップや個人経営のレストランが並んでいます。街には捕鯨博物館や古い風車など絵になるポイントがいくつもあります。大きな街ではありませんがこういうのどかな街を散策するのも楽しいと思います。
サウザンプトン
高級住宅地を連想する"ハンプトンズ"は、この町の中のサウザンプトン・ビレッジを指します。夏には、住人だけでなく観光客でにぎわいます。
街にはメインストリートがあり、その道沿いにトレンドを牽引するレストランやブティックが並んでいます。とは言っても、街はリゾート地ののどかな雰囲気です。
メインストリートを南に下ると海沿いに豪華な別荘が立ち並んでいます。その別荘はとても美しく優雅で、外から見ているだけでハンプトンの優雅さに浸ることができます。海岸まで行くとそこは美しいビーチがあります。よく映画やテレビで登場するあの白い浜辺です。夏でも人が少なく穏やかなビーチは公共の場所もあり誰でも入ることができます。(注:プライベートビーチには立ち入らないようにしてください)
ブリッジ・ハンプトン
サウザンプトンとイースト・ハンプトンの間にある小さな街です。27号線沿いにある数店で構成される商店街なのですが、1店1店がとても洒落ているのです。Topping Rose HouseやAlmondというハンプトンズらしいレストランもあり、通過するだけではもったいない場所です。
イースト・ハンプトン
イースト・ハンプトンはサウザンプトンよりも落ち着いた印象で、メインストリートの商店街もこぢんまりとしています。ほとんどが個人経営の店で、建物や看板も品が良く避暑地の雰囲気が漂っています。ジャクリーン・ケネディ・オナシスはこの地で生まれ、幼少期を過ごしたことは有名な話です。20世紀半ばくらいから、アーティストや作家の創作の場としても、注目されるようになりました。1940~50年代に住んでいた抽象画家のジャクソン・ポロックはその走りです。他にウィリアム・デ・クーニングやマーク・ロスコらも住んでいました。この街は日本人にとっては軽井沢が近いイメージですが、富裕層の数と規模が日本とは違いますので、ここの町並みや住宅街は、我々日本人から見るとため息が出るばかりです。
レストランは地元の方々の舌が肥えているので、どこも美味しいです。食料品店はマンハッタンのDean and Deluca(現在は閉店)よりも上をいっています。レストランは本当に素晴らしいです。それもそのはず、味が悪かったりサービスが悪いとやっていけないのだそうです。とても綺麗な街ですが人自体は気さくですので気軽に歩けるのも良いポイントです。
モントーク
ロングアイランドの東端、有名な灯台がある場所です。この灯台の手前にモントークの街が広がっています。ここは高級リゾート地というよりは田舎の漁港&観光地みたいな場所です。メインストリートには、お土産物店が並び(ハンプトンズ、モントークなど文字の入ったTシャツはここで買えます)、レストランやカフェも観光客向けで安く入りやすいです。ホテルは数軒ありますが、どこもモーテルみたいな作りです。ハンプトンズの他の街よりも庶民的なので、こちらの方が落ち着く方もいると思います。
レストラン
1770 House Restaurant
143 Main St, East Hampton, NY 11937-2716
高級リゾート地イースト・ハンプトンでも屈指の名店。アーリーアメリカン調の建物は歴史を感時させられ、内装やサービスも素晴らしいです。料理はアメリカンなのですが一品一品、手が込んでいて美味しいです。
Lobstar Roll Restaurant
1980 Montauk Hwy, Amagansett, NY 11930-2120
イースト・ハンプトンとモントークの間にあるレストランです。ここではシーフードがオススメ。近くで取れた新鮮なシーフードを提供してくれます。
Stone Creek Inn
405 Montauk Highway, East Quogue, NY 11942 • 631-653-6770
モントークにあるレストラン。シーフードがオススメ。
Pierre's
http://www.pierresbridgehampton.com/
フランス料理店。かなり美味しい、そしてサービスも完璧。
宿泊
Montauk Yacht Club Resort and Marina
32 Star Island Rd, Montauk, NY 11954-5271
モントークの北にあるマリーナに付随したホテル。リゾートと謳っていますが、モーテルよのうな感じです。
Hyatt Place Long Island East End
451 E Main St, Riverhead, NY 11901-2556
リバーヘッドにあるハイアット。水族館に歩いていけます。
The Ocean Resort Inn
95 S. Emerson Ave, Montauk, NY 11954-5188
モントークの中心街にあるモーテル海辺にあり部屋から海岸が見えます。
Ocean Surf Resort
84 S Emerson Ave, Montauk, NY 11954-5189
街にも海にも歩いていけるホテル。ホテル自体は簡素ですが、目の前が海なのでとても気持ちがいいです。
ニューヨークでは、日本人観光客はたくさん見かけますが、ハンプトンズではほとんど見かけることはありません。マスコミが取り上げなかったり、ガイド本にも記述がないので、なかなか認知されていないようですが、ニューヨーク観光にプラスして、この辺りを散策すると、今までのイメージとは違ったアメリカが見えてくると思います。特に夏のシーズンに、ニューヨークに行かれたら、ハンプトンズに行くのも良い選択肢だと思います。
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