マガジンのカバー画像

自作小説(一次創作)

48
一次創作小説です!ごった煮!ごった煮ですよ!!
運営しているクリエイター

#小説

そして煙草は尽き、勇史帳は埋まる。

亡き祖父の自慢の店の残骸の真ん中で、元女主人の少女は肩を落としていた。少女は恨み言を吐く…

高梨蒼
3年前
14

カグライ・ライジング!―英雄なき俺達の夜明け―

鋭い風が異様な気配を乗せて吹き抜ける。今の季節は街の誰もが刃から身を隠すように厚着をする…

高梨蒼
3年前
26

太陽の仮宿と月光の姫君

高度に体系化された魔術は科学と見分けがつかない。 リンゴを投げれば落ちるように、決まった…

高梨蒼
3年前
25

白い天使の休日 #同じテーマで小説を書こう

 雑味のない風に乗って、一頭の山羊の鳴き声が響いた。それを受けて一頭、また一頭と声を重ね…

高梨蒼
3年前
17

アカシック・カフェ【5 潮騒よりも賑やかに夏】

これまでのお話はこちら □ □ □ 「はい、アイスコーヒー、アイスカフェラテ、もうひとつ…

高梨蒼
3年前
10

我が右腕は誰が為に(仮題)

これまでのあらすじ 要するに人のネタのバトンを勝手に受け取る回です 邂逅:Maestera/Frau…

高梨蒼
3年前
9

俺の実家に聖火が一時的に安置されることになって半年が過ぎた。

俺の実家に聖火が一時的に安置されることになって半年が過ぎた。 三年ぶりの帰省の出迎え役は、駅舎内に所狭しと張り出された見慣れぬゆるキャラ。我が村の名産品と炎を掛け合わせたゆるキャラは、牛の赤坊が男の子、トマトのほの香が女の子だそうだ。 最寄駅から実家の村のある役場までのバスに乗り込む。乗車率は七割ほどか。いつぞやは廃線の話題まで出ていたのに、今では土日に増発もされている。景気のいいことで。 元々、聖火安置の場所は最上級の機密になる予定だった。 各関係者が言う「聖なる炎を置

オペラ座γ星の怪神

芸術と混沌の都に日は沈みかけていた。一人の少女と、一人の男がそこに居た。 「お嬢さん、オ…

高梨蒼
4年前
15

アカシック・カフェ【4 現実と幻想のクリスマス・アカシックス】

これまでのお話はこちら □ □ □ からんがらんからんがらん。いつもよりも多い、いや手加…

高梨蒼
4年前
10

2020年因年(ねこどし)の旅

2020年1月1日、新年に一匹のネズミもいなかった。 少年は異常な町を彷徨い、やがて一人の少女…

高梨蒼
4年前
7

枯れ井戸スコォプ、何映す。

『困ったら神社裏の井戸を覗きな。あたしも色々見してもらった』 大学生の辰姫は民俗学のゼミ…

高梨蒼
4年前
4

いつか僕たちが、この革命劇に名前を付けよう。

「ね、貴方は大きくなったら何になりたい?」 「いきなり何です」 赤と黒が入り混じる空を見…

高梨蒼
4年前
25

Bet everything But no-life

誰もが怯え、しかし騒然とすることさえできないホールで笑っていたのは、銃口を二つ突き付けら…

高梨蒼
4年前
19

銀と金と千奇万講

黒い服に銀の髪のお兄さんと、黒いドレスに金の髪のお姉さん。 山の中で迷子になって、古いお社で怯えてたら、「いつまでも帰ってこないから、街で騒ぎになってましたよ」って迎えに来てくれました。 真っ暗な夜の真っ黒な二人なのに、不思議と明るく見えました。 (少年、とある二人組について) 前、うちのキャラバンで二人連れを送ったことがある。ナリから振舞いからご立派な、俺らなんぞに頼らなくても優雅に砂漠越えできそうな、金髪と銀髪の男女だ。 道中、サンドウルフに襲われたときは兄ちゃんも戦