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折り返し乗車と乗客のモラルと

いつものように、朝、電車で座席に座って、寝たまま折り返し乗車をしていると、トントンと肩を叩かれて起こされる。見上げるが……誰もいない? いや、中年の男性が、私から勢いよく去って行っている。駅員か? いや、どう見ても普通のサラリーマンの格好だ。知り合いか? いや、この終点で降りる人に知り合いはいない。ていうか、知り合いなら、声をかけるだろう。

そう。私は、全く知らない人に起こされたのだ。その目的は何か? 単なる嫌がらせか? それとも、善意で、寝過ごしてしまわないよう起こしてくれたのか? マスク警察ならぬ、折り返し乗車警察か? その区間、私は定期を持っているので、運賃上は問題ないだろうが、モラルやマナー上の問題は否定出来ないのは承知している。

しかし、見渡してほしい。この、乗車率数%の状況――空席も目立つ状況で、わざわざ降りて、すぐに再乗車する方が、むしろ滑稽ではないだろうか? まるで決まりだからと何も考えずに、ただただそれに従っているだけの、機械的で従順なロボットみたいというか……。

それに、私は、この駅が目的地の彼に、何の迷惑をかけたのだろうか? いずれにしても、無用な戦いはしたくなかったので、その日以降、乗車する車両を変えることにした。

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