禁酒日記3日目 ドクターマーチンに行くなど

昼近くまで寝ていた。洗濯して、トマトでスパゲティを作った。午後3時までダラダラした後、ドクターマーチンの店まで行った。一足買い、ドクターマーチンの買い物袋風にデザインされたトートを買った。これは欲しかったが売り切れになっていたものだ。金は減った。減ったが、酒に使う金も減っているのだから相殺だと思うことにして自分を誤魔化している。

昼(と言っても16:30頃)はラーメンに唐揚げと白米のセットをつけた。夜はチャーハン。今日も暴食と言ってもいい食事だ。油、油、油だ。寝る前にハイチュウも食べる。

禁酒してから、自分の大切なものは何かとぼんやり考えるが、大切なものには触れられないというのが正解なのかもしれない。自分の価値観を作ったもの。それは遠くにあるものだ。大切なものには遠すぎて触れられない。もしそれに近づきすぎると、色褪せて見えたり、あるいは向こうから遠ざけられたり、あるいは自分が近づくことによって相手の価値を減少せしめたりする。大切なものには触れないでおくことが必要だ。触れてしまうと、それは大切でなくなる。綺麗な宝石は、誰も触れないから価値がある。誰もがベタベタと触れる宝石は大切なものではない。大切な人といつも触れ合っていると、やがて相手を大切にしなくなる。

逆に言えば、大切にされたければ遠ざかることが必要なのだろう。俺は誰かに大切にされたいなどと思わないが、大切にされたい人もきっと世の中には多い。一方で俺は大切な何かを持っていたいという感傷的な面を持っている。だから、大切なものには触れない。好きな音楽はあっても、その音楽を作った人と話したいとは思わない。好きな服があっても、それを作る過程を見たいとは思わない。

酒も俺にとって大切なものであることには違いない。そこには複雑な感情がある。酒は俺の人格に影響を与えている。酒を飲み出す前から、俺の性格は1人で酒を飲んでそうな人のそれだった。人の会話に入れない。すぐイライラする。偏屈。俺は酒を飲むべくして飲んだ。パズルのピースが合うように、俺は酒を飲むようになったのだ。酒との相性はよく、俺と酒はマブダチになった。しかし俺は酒を粗末に扱った。大切にしなかった。いつでも飲ませてくれる奴だと思ってしまった。いつでも飲ませてくれるからといって、いつでも飲んで良いわけじゃない。いつでも頼みを聞いてくれるからといって、いつでも頼んで良いわけじゃないんだ。それを世間では厚かましいやつ、そしてクズと言う。

酒から遠ざかることは、酒を大切にすることだ。酒はもう飲めない。だからこそ酒が大切なのだ。

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