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  • letter-dust alchemy

    note投稿 / テキストヴィジョン written by _underline

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図像小説36作 公開

インスタグラムで更新を続けている、999連作小説「Cave Diver」。ここに最初の4クール(36点)を掲載する。それにあたって、3クール目と4クール目の順序を入れ替えている。この小説は、基本的には断片形式で、どこを拾い読みしてもいいよう心がけているが、下に並べた順序で一度ぜひ読み進めてほしいと思っている。 ここに掲載した36点でそれなりに一区切りの文学的な読後感があり、それを多くの人と共有したい。これは、著者によって想像された、現実の世界のどこかに住む誰かによる確かなモ

    • ポストリアリズム序論

      1972年、ニュー・ジャーナリズムのアンソロジーを組んだトム・ウルフは、その序文「ニュー・ジャーナリズム論――小説を甦らせるもの」で、次のように威勢よく吠えた。 客観的であろうとしたジャーナリズムに対して、ニュー・ジャーナリズムは取材対象との密な時間を過ごし、徹底的にディスカッションする体験からより確かな事実を拾いあげる。 (この文章は、ゼロ年代後半、旧ホームページにアップしていた複数のレビューをリライト、結合したものです。幾らかの写真は、ここで触れなかった書籍をゴム手袋

      • 2023年に制作した図像小説一覧

        画数濃度で、絵が浮かび上がる小説を作り続けている。 それを、図像小説と呼んでいる。 2024年の今年は、現象であることを望む。 幼少の頃、地球儀を見て、やがて、地球上に住む人類のすべてになりたいと思い、大学時代に断念した。20代の頃、ポルターガイストになりたいと思った。騒がしい幽霊が部屋中の物を飛び交わせるかのように、矛盾し合う各要素が様々に干渉しあい打ち消しあい、中心とされるレベルの作家性を掻き消し、現象だけが残ることを望んだ。 そしてそこに、夜のエッセンスを溶け込

        • 夜は美しい - 昼の明示性から解き放たれる

          禁じられた遊戯は、夜の世界の美しさの中でこそ棲息できる。 痛みを引き受けて、引き裂かれ、匿名に賭けたエモーショナルなプレイヤーの内面にある、美しさ、痛みは、夜の中で陶酔する。 夜の新宿二丁目新千鳥街で2023年3月下旬から4月上旬にかけて開催していた Latex Gloves 8 展、初日とその翌日に関しては「今回すごく良いよねー」という会話一辺倒で、議論的には、フライヤーに記したテキストにまつわることを、お客さんがひいたタイミングでS.オニクボさんと延々していた記憶が強い

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          4本

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          ウニオ・ミスティカ -字数小説-

          ここに期間限定で全文一般公開する小説「Unio Mystica (ウニオ・ミスティカ)」は、2x2、3x3、4x4、とマスが増えていき、25x25まで。それぞれ2点ずつなので、計50点=計12400字です。 この頁(ページ)は2023.9から有料になります。ただし、11x11までの1010字(4点の画像)は無料公開。残る11390字(26点の画像)が2023.9以降、有料となります。 短編小説は通常4000~30000字程度とされています(長編小説は 8万~12万字以上)

          有料
          100

          ウニオ・ミスティカ -字数小説-

          架空誌 LEe #1 (with AI)

          このページは、Stable Diffusion によるAI生成フェティッシュ・イメージが素敵すぎるので、それらを公開するために作られました。 テキストは ChatGPT 3.5 を利用しています。 架空誌 LEe は Liquid Edition (era) の略です。Liquid Edition とは自作小説「Garbled / LOST DEITY」に登場させた架空のフェティッシュ雑誌。 LEe は、その新創刊という設定です。 架空の編集者 V による架空誌 LEe

          架空誌 LEe #1 (with AI)

          クイーンズギフトのアリス with ChatGPT

          これはChatGPTを使って作られた「不思議の国のアリス」の新しいエピソードです。最初に生成されたあらすじが面白かったので、細部の補完をChatGPTで生成し、タイトルや章題の候補をあげてもらいこちらで選んで、最後にChatGPTで全体を推敲しました。 挿絵はStable Diffusionで、John Tenniel風に生成しました。 計4時間ほどの制作。なかなか好きな作品です。 クイーンズギフトのアリスルイス・キャロルに捧ぐ 不思議な庭に迷い込んで ある日、アリ

          クイーンズギフトのアリス with ChatGPT

          [AI Chat] 殺人犯の死後の歌

          2023.3/23、アプリの AI Chat(Chat by GPT) に〈殺された殺人鬼が話し始めた場合、どのようなことを言いますか?〉と尋ねた。残念な結果にショックを受けたが、5/12、ふと思い出し、改めて尋ねてみたら、まともな回答だったのでほっとした。その記録をここに残す。 イントロ: ランダムな文字列ランダムな文字列を100文字作ってください ランダムな文字列を、多言語混ぜて作って ランダムな文字列を多言語混ぜて作って。日本語も含めて。 ランダムな文字列を、多

          [AI Chat] 殺人犯の死後の歌

          ダイバーを読む: 沼没入の流儀

          ケーブダイバーへの関心で始まり、テクニカルダイバーや黎明期ダイバーにも興味が湧き、だったらとフリーダイビングも押さえてとしていたら、地上の洞窟や考古学や宇宙にも繋がり、一向に読書が止まらない沼だった。 関西のダイビングサークル(ダイバーズ・ハイ)にあるダイバー視点の幅広い海のブックレビューを参考にスタートした。漫画も結構あるので読みたいところだが、ストレートなダイビングものは無いっぽい。 上のリンク先で水中洞窟読書をまとめたので、ここではそれ以外を一気にまとめてしまいたい

          ダイバーを読む: 沼没入の流儀

          ケーブダイバー: 洞窟潜水を読む

          ケーブダイバーを主役とした小説を作る過程で、邦書の洞窟潜水本は大してないだろうと高を括りつつ資料感覚で集めて読んでいたら、読書としてガチでハマってしまった。 水深18mまでのオープンウォーター(OW)、そしてディープダイビングできるアドバンスからインストラクターまで、一般的なCカード(ライセンス的なもの)は、基本的に水深35〜40mよりも深く潜ることが禁じられている。それより深くは比べ物にならないほど死が近いテクニカルダイビングの領域で、さらにより危険なケーブダイビングとい

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          芭蕉の中世を追う

          日常からふと消え去ることを夢見た漫画家つげ義春の『無能の人』に俳人井上井月を語る回がある。芭蕉の境地を越えんと生きて倒れるその背後の虚無に、学生時代の自分は共鳴した。のちに、神津朝夫『千利休の「わび」とはなにか』に感銘を得るのは必然だった。 俳人松尾芭蕉の代表作『おくのほそ道』を朗読で聞くと、旅路が綴られた散文が続くなか、句が読まれ、また散文が続き、句が添えられるという流れが美しくて、散文という現実のなかで、人は句という歌を挟めずにはいられないらしいと知る。 かつて断片的

          芭蕉の中世を追う

          [sentence〜das Ding]

          2022年1月頭、セクシャルなものをテーマとした某フリーペーパーへの寄稿として手がけた「快感、快楽、快適、官能をめぐる、ラバー居住空間」の文脈で、同年1月末から3月頭までの二ヶ月間に試みたのが、[sentence〜das Ding]という計10点のシリーズ。その試みは、フェティッシュは冷んやりとしていて指先で触れられる〈物〉だというイメージから、そのような〈読み触り〉のあるテキストを作りたいと考え、行われた。 二つの短い段落が並ぶこの形式は、別のテーマのもとで今年も続けてい

          [sentence〜das Ding]

          カフカ、と、AIの覚醒

          現代の中東付近、その数千年前、古代オリエントの文学作品『ギルガメシュ叙事詩』の、破損して欠けたテキスト群に魅力を感じている。 不完全を想像すること。 とはいえ、夏目漱石の未完の長編『明暗』を水村美苗が『続明暗』として書き継いだり、伊藤計劃の遺稿を円城塔が書き継いだり、最近でも、死去した三浦建太郎の漫画『ベルセルク』の連載が関係者によって再開したり、未完というのは通常居心地が悪い。自分でも、つくしあきひとの漫画『メイドインアビス』が途中で終わってしまったら虚無の気持ちが残る

          カフカ、と、AIの覚醒

          図像小説 -展示後記-

          コンクリート・ポエトリーというジャンルがあって、20世紀後半に勢いをなくしたけれど、21世紀になって展覧会が組まれるなどし、再び一部で注目されているようです。文字を配置で表現する詩のジャンルで、文字にこだわらなくなるとヴィジュアル・ポエトリー(視覚詩)と呼ばれます。 自分はそれに近いことを小説で行っていて、2022年の8月、兵庫県の神戸、三宮のバーで小さな展示を行いました。 小説にしぼった展示をするのは初の試み。制作中の、999連作の小説「WHITE CANVAS WRI

          図像小説 -展示後記-

          シュルレアリスム -強現実-

          シュルレアリスムとは、強度のリアルである、という訳され方を見たときに初めて興味が湧いた。10代の頃からサルバドール・ダリの時計が曲がった絵とか大好きだったが、所詮妄想じゃん、と思ってしまっていた。自動筆記からなにを学べるんだよ、とも。小説も、そういう考え方でいけば、現実逃避のための娯楽でしかあり得ない。逃避というのが嫌いで、仮にそれをするならば、なにかしらの現実に対しての態度でなければならないと思っていた。どうせ逃避であるなら、つまり〈人生が死ぬまでの暇つぶし〉でありその内容

          シュルレアリスム -強現実-

          [異邦人]とエトランゼは意味が違った

          ある幼年者を想像する。 彼は、日本語を習得する過程ですぐに言語の法則に気づき、独自の言語体系を開発する。その言語はすべて見上げた夜空にある星々と関連づけられた単語で成り立っている。心のなかで物事を考えるときも、そのオリジナルの言語を使う。 そういうことができるので、日本語も相当上手に使えるから、コミュニケーションに困ることはない。ただ、つねに孤独だ。 自らを異邦人と捉えている。 恋はいつもエトランゼ?エトランゼは、異邦人の原語をカタカナ読みにした言葉で、もとは、フラン

          [異邦人]とエトランゼは意味が違った