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端数の4円をスッと出せることよりも大事なこと

子どもが小学生になってから毎月のお小遣いを渡すようになりました。
漫画を買ってもよいし、ゲームセンターで使ってもよいし、自分のお金だからよく考えて好きなように使ってよいと伝えています。

この前の日曜日、本屋で漫画を買いたいというので一緒にレジまで行きました。
値段は税込484円。
子どもは財布から100円玉を5枚出しました。
僕は財布を覗いて、
「1円玉を4枚出した方がいいよ」と伝えました。
子どもは「?」な表情をしながら言われた通りにしていました。
戻ってきた10円玉2枚を財布に入れていましたが、きっと端数の4円を出した意味はわかっていないだろうなと思いました。

どうやら最近は現金を使ったことがない子どもも増えているようです。
交通系ICカードとか上限金額を設定したデビットカードとか、子どもに渡せるキャッシュレスの手段が増えています。
「タッチ」して「ピッ」てしたら買い物できる便利な時代です。
端数を出した方が財布が軽くなるなんていう知識は必要ないのかもしれません。

そして今朝、出勤前にカフェでコーヒーを飲もうとしたところ「端数の支払い」をめぐって起こっているいざこざを見かけました。

《いざこざの基礎情報》
場所 駅のカフェ
時刻 朝8時くらい
店員さん 若い女性
お客さん 初老の女性
状況① よかれと思って端数の硬貨を出した(らしい)
状況② その結果、お釣りの枚数が増えた(らしい)
状況③ レジは預かったお金を投入するタイプ(出した硬貨をスッと戻すことはできない)

店員さんは困っていました。
よかれと思って出してくれたその硬貨には意味がないですよ、ということをうまく伝えられなくて。

お客さんも困っていました。
この若い店員さん、なんで私が硬貨を多く出した意味をわかってくれないのかしら、という感じで。
「お釣りの枚数を少なくしたいから、それでお願いします!」と強めに言っていました。

ついに店員さん、たまりかねてストレートに伝えました。
「こちらですと、お釣りは◯◯円になりますがよろしいですか」と。

たぶんあと10円あれば丸くおさまっていたようですが、残念ながら財布には10円玉が無かったようです。

お客さんは怒りはじめました。
「なんでそれならお金をレジに入れる前に言ってくれないの!」と。
僕はすぐ後ろに並びながら、
「えっ、それは違うんじゃない」と言いそうになりました。
結局、お客さんは
「もうそれでいいからお会計して!」と大層なお怒りでした。
かわいそうな店員さん。

端数の硬貨をスッと出せることよりも、間違えたら「ごめんなさい」と言えるように、手間をかけたら「ありがとう」と言えるように僕はありたいし、子どもにもそう伝えようと思いました。
別にキャッシュレス礼賛派ではないですが、キャッシュレスが進むといざこざも減るのかなと感じた朝でした。

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