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ep.49 旅日記 隠岐への冒険と、ご自愛と

こんばんは。たまです。

2024年が半分経とうとしているって、ほんとうですか。フェイクニュースじゃなくって?ひえ〜!もうそんなにがんばっているんだ…今年も偉いよわたしたち。


ここは、小さなラジオブース、あるいは寝る前の談話室。水曜日は「生活の日記」と「今夜の1曲」をお送りします。


生活の日記

3週にわたって、島根の旅日記を綴っています。旅を言葉にする。そうすると、ときめきをまた思い出して、心の温度がほくほくとあがる気がします。

これまでに《出雲大社 編》《松江 編》を書き留めました。

七類港から船でゆらり向かうのは隠岐。はじめての地。はじめてのフェリー。30歳、まっさらな経験です。

まもなく出港!


*:.。. 隠岐で出会った光やときめき .。.:*

  • 人生にもたらされた冒険

  • 地球だった

  • ご自愛がここにある


人生にもたらされた冒険

なんせ天候が荒れたら行けない。およそ2時間は360°ぐるりと海しか見えない航海の旅。

普段からタスクやスケジュール管理が好きで、旅程すらきっちり派、準備万端だとにっこり。そんな計画命な人間であるわたしの人生に、こんなどきどきはらはらな大冒険が起こるなんて…!大人になったとて、新しいことってまだまだできる。

大冒険中のわたし

地理的にも、そして日常生活からも遠き島、隠岐へ「行く」という行為自体が、凝り固まった右脳もくたくたな心も、すでにときめかせてくる。

一抹の不安もいらないくらい、ありがたいことに穏やかな航海。海風に吹かれ、身も心も解き放たれていった。

陸だ!陸が見えてきたぞ!


地球だった

空、大地、海

辿り着いたのは西ノ島。観光案内所で借りたレンタサイクルで摩天崖を目指します(観光案内所のおふたり、本当にお優しく分かりやすかったこと、全力で申し添えたい)。

自転車で長い坂を登り、すいーっと下り、風を切る、を繰り返す。額が汗ばむ。道端には見たことのない花が咲いていて、水面はきらきらまぶしい。島にも夏が近づいていた。

ついつい自転車を止めてしまいたくなるほど美しい

西ノ島では、牛や馬が放牧されている。道中でどうか逢えたらいいなあと密かに願っていたら、間近にお逢いできてしまった…!

こんにちは!

海の青、木々の緑とあいまって神々しい。ゆっくり近づきながら、畏敬の気持ちでいっぱいになる。命がある。命を前にしている。馬はとても優しい目をしていた。

国賀海岸の展望台で自転車を止め、摩天崖へと歩く。大きすぎる奇岩。生み出され、ぶつかり、削られ。この景色には、想像してもしきれないほどの果てしない時間が凝縮されている。

地球のふしぎ

摩天崖を目の前に望む展望台までどうにか登る。ひいひいと足元を踏み込みながら登った先で、ようやく顔を上げる。

見えた!摩天崖!

ああ……!大きい。なんて壮大なんだ、大地って。
同時に、わたしたち人間はなんてちっぽけだろう。

ずっと地球なんだ、ここは。あとから生まれてきた生き物なんだ、人間は。目を閉じて深呼吸する。大地、水、風。その大きさに圧倒されるものの、飲み込まれるような感覚は不思議となくて、包みこまれ、抱かれているような気持ち。

崖の上の牛たち

さあ摩天崖までもうひと登り…!だったのだけど、ここまでにした。港へ戻る時間と体力を考えて。それに、なんだか先へ進むのは畏れ多いような気持ちがわわわっと芽生えて。もっと近づきたい好奇心もあったけれど、ここからしっかり眺める。思いを馳せる。これがわたしなりの地球への向き合い方!とさせていただいた次第であります。

笑う膝とともによたよた港へ戻ります


ご自愛がここにある

時刻は15時30分、西ノ島から中ノ島へ船で渡る。今夜の宿はEntôだ。

お部屋

まるで海に浮かんでいるような、この宿に来たかった。海を眺め、話し、眠りたかった。ネットで見たことある、の状態ではなく、自分の五感で触れて知りたかった。

のびのび

ホテル内には展示室や図書室、ジオラウンジも。大地の誕生、島の生き物、島流しの歴史も学んでみる。部屋のおもてなしには、島で焙煎された珈琲、ゆかりのあるお菓子。隠岐という地に心を寄せられるきっかけが、たくさん用意されていた。

島の珈琲をさっそく

好きだなあ、としみじみ思う。美しい光景を愛でること。珈琲を淹れて、本を読むこと。ゆったりおしゃべりしながら散歩すること。そうよ、こんな時間がわたしは好き。

携えてきた伊丹十三を読む

せわしない毎日に見落としそうになってしまうわたしの”好き”も、削ぎ落とされたこの空間では自然と取り戻されてゆく。

光でいっぱい

Entôはすみずみ”よくきたね”と労ってくれる場所。ここで満たされ、癒されていくことは、自分の内側を愛してあげる、そんな時間だった。 

朝、海のきらきら

最終日、船に乗り込むと、港やEntôの部屋から、名は知らぬ人々がにこにこと大きく手を振ってくれる。不意に泣きそうになる。ありがとう、またくるからね。

見えなくなるまで手を振って、わたしも日常へ帰る航路を進んでいく。


今夜の1曲

92914Sunset を。

韓国語での読みでは 92914クイクイルサ。彼らの静かであたたかな音楽と、旅先で流れていたゆったりとした空気が似ている気がして。眠る前に、ぽわんとあの優しい景色が浮かんだらいいな、の願掛けです。


いよいよ暑くなってきちゃって、寝苦しくもなってきちゃって、バテてはいませんか。お水いっぱい飲んで、どうにか乗り切りましょうね。わたしもそうします。

今日もおつかれさまでした。あなたも、わたしも。

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