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コラージュ展で8人の作家のアーティスト魂を探ってみた

8,9月に開催されたタイポ展についてのインタビュー記事はコチラからどうぞ🥳

※本展は終了しました。

どうもとるてです!普段は「小説はアートだ」と声高に叫んだり、デザフェスで写真をパシャパシャ撮ったり、思いつきで作品らしきものを作っています。

みなさんはコラージュと聞いてなにを思い浮かべますか?最近だと、Instagramなどへ写真を載せるために複数の写真を一枚にまとめたり…というのもコラージュですが、もともとは絵画の新しい技法として誕生したものです。

フランス語で「糊づけ」という意味の言葉で、切り紙のようなものから、ボタンやレースなどの既製品を使ったものまで、すべてコラージュと言えます。写真を利用したものはフォトモンタージュとも呼ばれているのですが…もっと詳しく知りたいという方は下の記事が分かりやすそうです。

そんなコラージュを愛する19名の作家が勢揃いした「コラージュ展」が、デザインフェスタギャラリー原宿にて開催されています。

※7,8日はデザインフェスタのため休館です。

毎度のことながら、私もこっそり出展させていただいている本展。今回もごく一部ではありますが、8名の方にコラージュへの思いをインタビューさせていただきました。

なお、この記事はインタビュー内容と過去の作品を紹介するものなので、出展作品は会場または公式ブログでご覧ください。

CHIKA.Sさん【E-11】

グローバルな活動に期待

たたずまいから異彩を放つCHIKA.Sさん。現在自宅で古着屋のお仕事をしながら、合間に制作活動をされています。コラージュを中心に、絵を描くこともあるそうで、どの作品もインパクトがあります。

自宅に飾るために制作した作品

昨年の夏、仕事や生活から逃げ出したくなり、気晴らしにデジタルコラージュをはじめて、今ではアナログ作品を作る機会も増えてきました。ずっと気になっていたDFギャラリーの公式LINEで本展と出会ったということで、今回が初めてのイベント出展となります。

《END OF THE DARKNESS.》
闇が終わり新しい時代/新しい価値観へ
世界を自分を解放しよう。

今後の展望を伺うと、国内外から個性的な作品を作るアーティストを集めて、大きめのイベントを開催ようと考えているとのこと。Instagramで知り合った海外の方から、東京で展示をやりたいと相談を受けたことがきっかけだったと言います。

また、アートを通じた地域活性化イベントやライブペイントなど、夢が尽きず行動力もある彼女の今後の活動に期待が高まります。CHIKA.Sさんはコラージュなどの作品はオーダーを受け付けているそうなので、ご家庭やお店にアートを置いてみてはいかがでしょうか。

あなたにとってコラージュとは
「無心になれる時間」です。


プロフィール
CHIKA.S / 1987年
Twitter:@YMammy2222
Instagram:@wicked.little.town615chika
HP:https://chikasartgallery.jimdofree.com

Shinさん【E-3】

いつかはアートを仕事に

続いてはミステリアスな雰囲気のShinさん。何もかもが嫌になり「とにかく好きなことを極めたい」と思ったことがきっかけで、美術系の専門学校に入学してイラストやデザインを学び、1年ほど前からアーティスト活動を始めました。

現在は専門学校を卒業し、Paletteというアート団体に所属しているそうです。制作ジャンルを模索する中でコラージュと出会い、本展では自身で撮影した写真などを使用しながらカラフルな作品を展示しています。

今回の出展作品は、全て出展を決めた1か月半前から制作を開始したもの。会期が変更になり出展枠が空いたため、チャンスだと感じて応募したのだと言います。ひとつひとつのクオリティが高いだけでなく、展示方法にもこだわりが見られました。

現在は接客業をしながら、時間がある時にこつこつ作品を作られていますが、将来的にはアートやデザインを本業にして好きなことをして生きていきたい、と夢を明かしてくださいました。

あなたにとってコラージュとは
「化学反応」。人工物も自然物もあわせれば一つのものになるのが面白い。


プロフィール
Shin / しん
Twitter:@shin_kin_kan_xx
Instagram:@shin_kin_kan_art(イラスト垢) / @shin_kin_kan_photo(写真垢)
SUZURI:https://suzuri.jp/shin88

TaKu‘ ,nさん【E-2】

コラージュの革命家

バンドなど音楽経験もあるTaKu‘ ,n(たくえぬ)さんです。彼が書く歌詞は、コラージュのように思い出を貼り合わせて作っていて、実際に歌詞カードにスクラップを貼ってみたこともあるんだそう。この経験が、現在の「変容 再生 再構成」という制作コンセプトに影響を与えています。

《花人間1号》
Group Exhibition「彼女はバスルームの窓からやってきた!」
お風呂荘の庭にて撮影

3年半前、友人に勧められてアートを始めると、既成のものを新しく作り変える今のスタイルを確立し、コラージュを中心にさまざまな作品を制作されました。最近はアーティスト仲間とアニメーション作品に取り組むなど、コラージュの幅を見出しています。本展の公式DMを利用した作品もTwitterに載せていました。

アートを生業とすることに憧れつつも、社会生活からインスピレーションを受けることも多く、完全には切り離せないと言う彼の作品からは、その時々の思いがひしひしと伝わってくるようでした。

今回と同じ原宿にあるTHE blank GALLERYでのコラージュ展に昨年参加しましたが、DFギャラリーでの企画展参加は初めて。今年は特に、意識的に多くの展示を行っているそうです。今だからこそアートで人の心を動かしたい、という思いで活動を続けています。

《-Cut up a new vision- "Black Math"》

あなたにとってコラージュとは
なんでもできる手段。コラージュで立体もアニメーションも挑戦していて、コラージュにとらわれないからこそコラージュの良さが出るのではと感じます。


プロフィール
TaKu‘ ,n / たくえぬ / 1987年
twitter:@chilloutmoon
Instagram:@chilloutmoon
今後のイベント
❏"カケラノコ" 12/11,12,13
コラージュアニメーションの展示(音楽家石田力丸との共同制作)
八王子 COFFEE ritmos
❏"希望のカタチ"group collaboration 2021 1/5〜30 ※日,月,祝日 定休日
神楽坂 CROSS OVER cafe & gallery

奈々さん【E-13】

ラストひと枠に勢いで応募

チェキ風のかわいらしい作品をを中心に展示されている奈々さんです。今年の夏、コロナ禍で時間に余裕が出来たことがきっかけで、以前から興味があったデジタルコラージュを始めたのだそう。空いた時間で素材を集めているうちに「楽しすぎてその日には一つ作品が完成してしまった」ということで、天性のセンスを感じます。

以前からSNSで写真や絵を発信されていて、どの作品も独特の超現実的な世界観が広がっています。絵やコラージュは、どちらも存在しないものを自由に作ることができるところが魅力とのこと。Photoshopで制作されているコラージュは制作に時間がかかるため、絵や写真の新作もまだまだ期待できそうですね。

実は今回企画展自体が延期したこともあり、特に天井近くの【E-13】は会期直前まで空きブースとなっていました。見かねて勢いで応募したそうですが、ブースいっぱいにカラフルな作品たちが展示されて、本当に見ごたえたっぷりです。

休みの日に趣味で制作されていて、イベント出展も今回が初めて。今後は、地元福岡でも出展などをしてみたいと、今後の目標を話してくださいました。

あなたにとってコラージュとは
自分の頭の中を表現するツールのひとつです。


プロフィール
奈々 / なな / 1996年
twitter:@helloplatypus7
instagram:@5zic_6   / @_pyons_ke_
SUZURI:https://suzuri.jp/pyons_ke

wanaco**さん【E-9】

自作の絵を取り入れたコラージュ

6年ほど前から、絵を中心にアーティスト活動を始めたというwanaco**さん。以前にも、同ギャラリーで複数回個展を開催し、ライブペイントイベントにも参加したそうです。アートピースの企画展に出展するのは初めてということで、「その時に合った良いイベントに出会える」と、新しい挑戦に前向きな姿勢を見せています。

《プレイリスト トップ25》
よく聞く曲トップ25を聴きながら音に色やモチーフのイメージをもらいながら描いた作品。

コラージュ作品の制作を本格的に始めたのは、企画展に応募してから初めてだったのだそうです。作品の素材には自身で描いた絵が多く使われています。ブースには、今回のために制作した作品のほか、コラージュを作るきっかけとなった、フリー台紙のアルバムも展示されていました。

《crossover》
ライブペイントにて60分程度で描いた作品。
BGMやお客さん同士の話し声などからインスピレーションを得て描いた。

活動を始める前から絵が好きだったwanaco**さんですが、はじめは自分の絵は求められていないと感じていたそうです。しかし、絵が好きであることを周囲に伝えると、描いてほしいという依頼を受けるようになり、抽象がを中心に今ではジャンルにこだわらず制作をしています。

12月25日から、3日間の個展を開催予定です。こちらもぜひ足を運んでみてください。

あなたにとってコラージュとは
「チームワーク」。ひとりではもとない作品が集まることで、地に足つく気がします。


プロフィール
wanaco** / わなこ / 1986年
Twitter:@amanojaku_w
Instagram:@wanaco_picture
今後のイベント
❏個展「呼吸のしかた、目覚めの瞬間」 12/25~27
デザインフェスタギャラリー原宿

至極カタカさん【E-5】

「自分が面白いと思えるコラージュを」

つづいては、絵と写真を組み合わせた作品が特徴の至極カタカさん。毎年8月に東京ビッグサイトで開催されている真夏のデザインフェスタに2回出展経験があり、10月初旬にも、同ギャラリーで5日間の個展を開催されていました。

今回のコラージュ展では、作品数を意識したそうで、個展で展示したものも含め、6つの作品を見ることができます。それぞれのモデルの表情から心情をイメージして作ったという作品群には、「外見は殻のようなもの」であるというメッセージが込められています。

コラージュ作品を面白いと思ったことがなかったというカタカさん。それなら面白いと思えるものを自分で作ろうと、コラージュ作品を制作し始めました。現在は作家活動に支障が出ない仕事をあえて選び、作品の制作を優先されていて、コラージュをいつまでも好きでいたいと語っています。

YouTubeではイラストやコラージュの作品制作工程をお茶目な解説と共に公開されています。テクニックなども紹介されているので、これからアートを始めてみたいという方の勉強にも良いかもしれませんね。

あなたにとってコラージュとは
「まだまだ耕されてない場所」。


プロフィール
至極カタカ / しごくかたか / 1990年
Twitter:@shigokukataka
Instagram:@_shigoku_kataka_
SUZURI:https://suzuri.jp/_shigoku_kataka_

タニモト大作さん【E-19】

インスタレーションの制作も

タニモト大作さんは、デザイナーとしても活躍されている作家さんです。デザインとアートの認識を意識せずに仕事とアートを「共存」させる、素敵なクリエイティブ精神の持ち主でした。お住まいは遠方ながら、本展では委託搬入も可能ということで、出展を決めたと言います。

5年ほど前から、ジャンルを問わず現代美術作品の制作に取り組んでいて、荒川修作、李萬煥、ドナルド・ジャッド、ジョン・ケージ、ダン・フレイヴィン、ダニエル・リベスキンドなど、国内外のアーティストから影響を受けてきたそう。

《WHITE ARCHITECTURE_白の平面的建築》2018
絵画

今回は紙の素材にこだわり、捨てきれないパッケージなどを活用した作品が多くなりました。中には紙袋を使用した作品もあるなど、同じ紙でも印象がぐっと変わりますね。どの作品でも、空間の広がりや音のリズムのような感覚を意識しながら制作をされています。

SICFunknown/asia、そしてデザインフェスタなどのイベント経験もあるとのこと。インスタレーションやライブペイントなど、さまざまなジャンルでその才能を発揮されています。自身の初個展を目指して、東京、大阪、京都のギャラリーを探しておられました。どんな個展になるか今から楽しみです。

《微かに揺れ動くヒカリと時間の経過と共に人為的行為によって再構成されるカタチ》2019
インスタレーション
第6回アラタパンダン展

あなたにとってコラージュとは
誰かの痕跡や存在、誰かが作った情報やビリュアルの足跡などの力を借りて、 自分なりにまた異なる視覚的情報に変換する手段だと思います。


プロフィール
タニモト大作 / DAISAKU.tanimoto. / 1980年
Twitter:@daisakutanimoto
Instagram:@tanimotodai39
HP:https://tanimotodaisaku.wixsite.com/info

みなもすちさん【E-12】

ニュアンスコラージュが美しい

みなもすちさんの名前は、学生時代から呼ばれていた「すち」というあだ名に由来していて、「みなも」は名字のようなものなのだとか。彼女も絵が中心の作家さんで、専門学校時代にはキャラクターデザインやイラストの勉強をされていました。コラージュ作品についても、自身の絵に素材を重ねるようなスタイルで、枠にとらわれない発想が見受けられます。

以前からコミティアなどで、同人でCDジャケットの制作やボーカロイド楽曲の動画用のイラスト提供をメインに、少しずつオリジナル作品の制作をしていましたが、本格的に個人での活動を始めたのは2016年頃からでした。当時大きなストレスを抱えることになったすちさんが、衝動的に筆を持ち、素材を破り、無心で制作した作品が、今の個人での活動に繋がっています。

最近はグループ展にも力を入れていて、コラージュ展の前日まで同会場で行われていたF0号展にも参加されていたほど。11/5からはgallery hydrangeaの企画展「黒く霞む刻」に参加、12月にも同gallery hydrangeaにて企画展を控えている活動的な作家さんです。

アートは今でもストレス発散になっていて、特にコラージュ作品を作る時は、本能的に素材を破る快感が落ち着くと言います。

あなたにとってコラージュとは
自分の気持ちを正直に出せるものです。


プロフィール
みなもすち
・SNSのID(いくつでも)
Twitter:@suti_onnpunyamo
Instagram:@minamosuti
通販:https://bonyarsha.thebase.in
今後のイベント
❏黒く霞む刻 11/5-11/15
https://gallery-hydrangea.shopinfo.jp/posts/9487599
❏雪夜に見つけた花の名は 12/3-12/13
https://gallery-hydrangea.shopinfo.jp/posts/10330222

インタビューを終えて

今回は8名の出展者さんをご紹介しましたが、やっぱりコラージュ展にはアーティスト活動を中心に生活されている方が多く、とても勉強になりました。

今回ご紹介した作家さんの他にも、取材しきれなかった素敵な方々が揃っています。平面に留まらず立体作品の出展もあり、見応えたっぷりです。

ちなみに私は鏡を使った作品を出展しています。鏡重たいので壊れてないか心配…というわけでちょくちょく会場に様子を見に行くかと思います。見かけたらぜひお声がけを〜!

全ての作家さんは下の公式ブログから確認できますので、予習にご活用くださいませ~!私はPart2に載っています👍

最後に。改めて取材にお応えいただいた出展者のみなさん、本当にありがとうございまました。

コラージュ展の詳細は以下の通りです。


『コラージュ展』

📌デザインフェスタギャラリー原宿
🐣EAST館 アートピース
📆2020年11月1日(日)- 11月21日(土)
※7日と8日はデザフェスのため閉館
⏰11:00 - 20:00

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