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#6 作ることは考えること

有り余る時間の中で工作を始めた。
「工作」というと子どもが紙や日常で使わなくなった空き箱などで自由に好きなものを作る姿が思い浮かぶ。

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そういえば、わたしが小学生の時に一番好きだった教科は図工(図画工作)だった。
基本的に使える材料なら何を使っても良かったので、よくお菓子の空き箱を家で集めて学校に持っていった記憶がある。

図工の時間になって周りの人たちを見渡すと、みんなそれぞれが違った材料を持っていて自由だなと感じた。

ある時、紙粘土で作ったホールケーキに自由にデコレーションしたもので、何かの賞をもらったことがあった。
どんなものを作ったのかまったく覚えていないけれど、作っていた時はきっと夢中になって楽しんでいたように思う。
「この箱とつまようじボンドでくっつかないなーセロハンテープ使ってみよ」と言いながら、作りながら考えていたかもしれない。

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大人になってから工作を始めて身の回りにあるモノの中身や素材など、作りが気になるようになった。

自分でスピーカーを作ってみると、オーディオで使われるパッシブスピーカーの中は空洞になっていてそれ単体では音が出ないこと(だからとても軽い)を知った。後になってからデジタルアンプを買ってやっと音が聴けた。
今までモニタースピーカーくらいしか知らなかったので新鮮だった。

既製品のラジオの中には、小さなコイルなどが付いているプリント基板があって、小型のスピーカーや電源(乾電池)と繋がった回路がコンパクトにプラスチックのケースの中に収められていた。
その後、自分でラジオキットを作ってみたら、ノイズが乗りまくりで音も悪く、箱の中はプリント基盤と電源で窮屈な作りになってしまった。コンパクトな作りにするということの難しさを知った。

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わたし達の身の回りあるものは本当によく出来ている。長持ちするし耐久性もある。
それはきっと誰かが丁寧に作って考えてくれたものだから。
そんなことを考えているとモノを作っている人たちにも感謝できるし、モノを大切にするということを考えるきっかけになる。
自分で作ったものに愛着が湧くのは、作る苦労を少しでも自分が感じるからかもしれない。

これからわたしは昨日作った椅子に蜜蝋ワックスを塗ります。

関連書籍

多作な森博嗣さんのミステリー小説のシリーズも面白いけれど、工作についての本も色んな作るヒントが書かれていておすすめです。


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