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#12 犬みたいな彼女と僕の話

第12章 ドライブデート

この間の美術館デートから2週間が経った。
先週はお互いの予定が合わなかったため、会うのが2週間空いてしまった。
彼女は相変わらずマメに連絡をしてきてくれる。
朝は「おはよう☀️今日もがんばろうね!」、夜は「おつかれさま!今日も疲れたね〜」といったメッセージが送られてくる。

今日は海の方へドライブに行く予定だ。
彼女から「山より海かな〜」と返事が来たからだ。
僕が住んでいる最寄り駅で待ち合わせをしたので、駅まで車に乗って彼女を迎えに行った。駅のロータリーへ着くと、彼女はすぐに駆け寄って来てくれた。
梅雨明けが近いからか彼女は白い薄手のブラウスを着ていて、すっかり夏の装いをしていた。

「こんにちは!もうすっかり夏だね〜」と言って、彼女は助手席へと乗り込んできた。「これはKくんのです、どうぞ」と飲みきりサイズのペットボトルのお茶をくれた。彼女は自分の事を大雑把だと言うけれど、僕は細かい気配りができるように感じている。
「そういえば、この前貸してくれたビル・エヴァンスのCD聴いてるよ!」
「ノートパソコンが壊れてるから車の中でしか聴けてないんだけどね」
と僕は笑いながら言った。今も車の中では『Undercurrent』というCDの一曲目『My Funny Valentine』という曲が流れている。この曲はオリジナル曲ではなく、ジャズの定番曲でこれはカバーだと彼女が教えてくれた。

僕が住んでいる場所からわりと近くに、海が綺麗に見えて見晴らしのよい海岸がある。今日はそこへ車を走らせていく予定だ。
「じゃあ行きますか。」と彼女に声をかけて僕は車を動かした。
街の道沿いには、来週から始まる夏祭りの赤い提灯の飾り付けがすでに準備されている。それを見て思い出したように僕は「来週この近くでみなと祭りがあるんだけど一緒に行く?」と彼女を誘った。
「うん、いこいこ!」と彼女の軽い返事で、来週のデート予定が決まった。
毎年盛大な花火で盛り上がり、人も大勢来ることが想定できるので、僕はどういう予定を立てようかと家で考えることにした。

この海岸はいちご狩りが有名なので、至る所でいちごの看板や栽培しているビニールハウスを見かける。彼女は知らなかったようで、「この辺りもいちごが有名なんだね〜」と呑気に呟いていた。
いちご狩りの時期はすでに過ぎてしまったので、また来年だなと僕は思った。

彼女は、男の人と二人でドライブするのは初めてだと話してくれた。
お父さんとはあるけどそれはもちろんノーカウント、と言って笑っていた。
今まで付き合った人たちは車を持っていなかったようで、電車に乗ったり歩いたりするデートが彼女の基本のようだ。だから車でのデートが新鮮なようで、窓から水平線を楽しそうに眺めていた。

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