ノイローゼ?

キレイな白衣に身を包み、患者さんのために頑張るんだと一生懸命に空回りしていた新人時代のお話。

タイトルからするとおかしくなってしまったのかと思うかもしれませんが、おかしくなってしまった時の出来事。


受け持ちの患者さんが私が廊下を通るたびに名前を連呼していた

「ももももも君。ももももも君。ももももも君……」

毎回毎回、毎日毎日、名前を連呼していた。

最初のうちに名前を覚えてもらえて嬉しかったのだが、次第に苦痛に変わってきた。


シャワーの音が・・・

ある日、仕事が終わって家に帰ってお風呂に入っていた時にシャワーの音が

「ももももも君、ももももも君、ももももも君……」

私の名前を連呼する患者さんの声に聞こえてきた。


洗濯機の洗濯音が・・・

次の日には洗濯機の洗濯音が名前を連呼する患者さんの声に聞こえてきた。

これはまずいと思いながら寝たのだが、今でも忘れられない夢を見た


夢で・・・

患者さんを車椅子に乗せて勢いよく崖から突き落とした。


翌日から・・・

これはまずい。
何とかしないとおかしくなると思った私。
名前を連呼されるのをやめさせなければと思い、患者さんに『今後は私を呼ぶときは〇〇と呼んで下さい。〇〇と呼ばなければ返事しません』と強く言った。

〇〇は当時の看護主任の名前

患者さんは私を「〇〇さん、〇〇さん、〇〇さん……」と呼ぶが、私の名前ではないため苦痛とはならなかった。

主任にシャワーや洗濯機の音、夢の内容を話し、患者さんに主任の名前を教えたことを伝えると、『ももももも君やるねぇ』と言われた。


患者さんから自分の名前を連呼されなくなり、気が軽くなったある日。患者さんが主任ではない人の名前を呼んでいた。

よこしまくん

『よこしまくん、よこしまくん、よこしまくん……』

誰だ?

よこしまくん

漢字で書くと  横島?  いや、邪?

主任が患者さんに仕込んだらしい。


患者さんのために頑張るのはほどほどにした方がいいと学んだあの日の実話でした。

本日もお付き合い頂きありがとうございました。




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