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いいかげんな【かぼちゃサラダ】

実家を離れて10年以上。人生の半分以上は母親の手料理を食べて暮らしていましたが、ひとり暮らしの期間がそれを越えるのもそう遠くない未来です。

母親は「ものづくり」がすきな人。毎日の食事はもとより、庭の花、畑の野菜、洋裁、編み物、漬物や乾物などの保存食、果実酒、パン…。子どもながらに「そんなに作ってどうするんだろう?」と思う量・種類のものを作っていました。(今もなお作っている様子ですがw)

3人兄弟の末っ子長女だった私は格好のアシスタントにされ、歳を重ねるごとにお手伝いの枠は広がり、最終的には中学生にもなると両親が旅行で不在の際、兄達の食事当番をこなしたものでした。

最初の「おてつだい」の記憶は定かでないですが、最初から最後までひとりでこなした料理のひとつが今回書いている【かぼちゃサラダ】。火を使わなくても作れるけれど、包丁の扱いや野菜の下ごしらえ、味付けのバランスなど、料理の基本が色々詰まっていて、ちょっと不思議なサラダ。


材料と作り方

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(大きめのボウルが埋まるくらい)
かぼちゃ 半玉程度
玉ねぎ 大きめなら半分~中玉1個
ツナ缶 2缶
マヨネーズ 適量
塩・胡椒 お好み


(1)かぼちゃはワタと種を取り除き、(お好みで皮をむいて)ラップでくるみ、レンジにかける。10〜15分ぐらいで火が通るはず。レンジに根菜モードあればそれで。加熱が終わったらボウルにあけて、マッシャーやフォークでテキトーに潰し、熱いうちに塩コショウをふっておく。

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(2)玉ねぎは薄切りかみじん切りにして塩を軽く振ってから水にさらし、しっかり水分を絞る。

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今回は薄切りに。このあと長さ半分にしました。

(3)ツナ缶は缶のプルトップを立てて、油をきっておく

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(4)かぼちゃの粗熱がとれたら、水気を切った玉ねぎ、ツナ缶、マヨネーズを加えて混ぜる。味見して、塩コショウで整えたら出来上がり。お酒のアテにするなら胡椒強めがおすすめです。

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とまぁ、それぞれの作業はわりと丁寧なんですが、味付けとかが超テキトーなんです。でも、とってもおいしいんです。そのまま食べるのはもちろん、サンドイッチにしたり、くりぬいたフランスパンに詰めたりするのもおすすめです。カレー粉などお気に入りのスパイスを混ぜるのもアリです。


いいかげんにいいかげん

「どのくらい醤油入れるの?」「どのくらいの火加減?」「どのぐらい作る?」母親の答えはいつも「いいかげんにいいかげん」
わしら3兄弟の言葉遊びが好きなのは絶対に母親の影響…。
さておき、いいかげんにいいかげん、て凄く曖昧で不定数で揺らぎのある感覚なんですけど、その実とてもフィットして心地よくて適温な感覚でもあります。字をあてるなら「いいかげんに良い加減」、つまりは「いい塩梅でやってちょうだい」という事なんですが、そこにテキトー感のある「いいかげん」をつけてくれたからか、料理に対しての苦手意識はうまれませんでした。

加えて母親がよく言っていたのは『五感を使って覚えなさい』。揚げ物一つとっても、菜箸から上がる気泡、揚げ衣の色、揚がる音、菜箸に伝わる振動・重さ。イカを捌く時の内臓の外し方、皮のむきかた、肝の取り方などなど等々、レシピに書いてある言葉だけでは分かりえない感覚的な要素を積み重ねていく大切さを学んだように思います。勿論、味見の重要性も例にもれず、舌で覚えた味を自分の手で再現できるようになる喜びはひとしおです。

食べることと同じくらい作ることが楽しくて、イマジネーションあふれるものだと母親から教われて良かったなぁ。
結局血は争えないのか自分もひとり暮らしをはじめてからパン作りに目覚めたり、うどん打ったり、編み物したり。クリエイティブマインド受け継いでます。


毎回違うけどいつもどおり美味しい

このかぼちゃサラダも実にいいかげんにいいかげんなんです。たまねぎの切り方は決まってないし、かぼちゃのつぶし具合も適当。マヨネーズもカボチャの甘みやその他の材料の水分量で変わります。
そんな適当極まりないサラダを”秘伝”というのはおこがましいですが、毎回何か違うのにいつもどおり美味しくなる【いいかげんにいいかげんなかぼちゃサラダ】が私にとっての我が家の秘伝レシピです。

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はー、やっぱりおいしい。

#我が家の秘伝レシピ

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