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出来ていた事ができなくなっていた

今年3月に腹部に腫瘍がある事が発見され、医師に子宮筋腫の診断をされてから、今まで毎日ピルを服用している。

医師は、生理を止め、内臓器官を休ませ腫瘍を大きくさせないための治療方針としてピルを処方し、経過をみると言った。3種類のピルを試したが、結論でいえば私の生理は止まらなかったし、腹部圧迫がよくなることもなく、腫瘍も大きくなるばかりで、それを医師に伝えたところ、11月にやっと手術をする事に決定した。

ピルの服用をはじめてからその副作用で心身に影響があった。
子宮筋腫であると正式に診断されるまえに、街の産婦人科の医師に処方された最初のピル。服用をはじめてから情緒不安定になり、急に怒りにかられたかと思えば、数分後には他の事を考えていたり、身近な人と衝突をくりかえした。落ち着きや集中力もなかった。私はPMSの重いバージョンのPMDDという症状を普段からもっているけど、ピルを服用してからずっとPMDDが続いている感覚だった。1シート使用したけれど、生理はいつもどおりにきて、止まる事はなかった。

私は幼少期にホルモンのバランスがおかしくなり身体が異常に早く成長する症状にかかったことがあって、それは医師にかかって完治しているが、今でも、私はホルモンバランスが人より敏感ではないかと思っている。

子宮筋腫の専門医に子宮筋腫であると診断され処方された二つ目のピル。情緒不安定さが最初のピルより落ち着いたような気がするが、生理は止まらないどころか、普段より出血量が多く、それに伴う生理痛も重かった。精神面より身体面の影響の方が強かった。これを医師に伝えたところ、1シート使用後にまたピルの変更。

ピルには様々なものがあって、合うもの、合わないものがあるのが普通で、合うまで5種類以上試したりする人もいるそうだ。通常3か月で副作用的なものは落ち着いてくると薬剤師の方にきいた。

3つ目のピルを服用しはじめる時期に私は就職をし、最初は1か月半長期夏季休暇をとるひとの代わりに仕事をはじめたので、医師の診察・治療もその期間は行えず、ただピルの服用を続けた。仕事に慣れるまでも大変だし、今年は猛暑もあり、大変に疲弊していた。仕事が大変だったので、最初の頃はピルの副作用の事については意識していなかった。ただこのピルを服用はじめてから、不正出血が毎日止まらなくなった。仕事のストレスをうまくコントロールできない。休日などには色々としたい事があったが、気力がない。身体がだるい。何もしたくない。日が経つごとにどんどん気力がなくなっていった。仕事をして仕事が終わり帰ってきてドラマかアニメを観て寝る。それだけの毎日で、休日になっても何もしたくなくて、ただ時間が過ぎていった。誰もいない場所をみつけて散歩する事だけが少しの平和を自分にもたらした。夏の終わりに1週間の休暇があったが、常に不安感があり、集中力がなく、落ち着きがない。せっかくの休みなのにリラックスができない。読書をしたかったのに、数ページも読む事ができなかった。やりたい事や考えている事があった。頭の中にある。しかしそれを行動に移したり、アウトプットしたり、という事がなぜかうまくできない。次第に頭の中が空虚になった。嬉しいことや楽しい事の感度がどんどんなくなっていく。無理やり生きている感じがあった。離人症状とうつ症状があった。

3つ目のピルが4シートめになったとき、仕事の上司に理不尽で暴力的な事を言われた。その言葉が頭の中を支配し、夜うまく眠れなくなり、出社前には不安と動悸に襲われるようになった。なぜこんな理不尽な目に遭っても仕事を続けなければいけないのか、社会というものの中に希望がなく、何もかもが嫌で、希死念慮が出始め、仕事ではミスが続き、また身近な人とも大きな衝突、トラブルがあった。参っていた。もう無理だと思った。誰かに助けてほしかった。ピルを変更したいと思った。

子宮筋腫の専門医で手術の担当医のいる病院は電車で40分以上かかる隣町にあり赴くのにも診察の予約をとるのにも時間がかかるので、町医者の主治医に相談することにし、予約をとった。(フランスでは自分の主治医というものを登録するしくみがあり、健康面で何かあった場合まず相談する窓口がこの町医者の主治医になる)。

担当医は親身になって話をきいてくれた。人よりホルモンバランスが敏感であるのではないかという指摘と、ピルの副作用と、更に仕事のストレスが重なったのだろう、と言った。人に言ってもらえると頭の中で感じていた事をもっと客観視でき、「やっぱりそうだよな」と思える。担当医はまず話を聞いてもらえる機関として心療内科を勧めた。そして(メンタルへの影響が強くなかったので)ピルを2番目に服用したものに変更した。手術を行えばきっと落ち着くだろう、数週間仕事を休む事もきっと自身にとって良いはずだ、と言った。ピルは現在のシートが終わってなくても処方したものを明日から使用しても良いと言った。薬屋で処方されたピルを受け取り、翌日から使用し始めた。

2番目のピルに戻して服用をし始めてから2日目、生理がはじまり、出血量が多く頭痛がする。そして頭で考えた事や感情が言葉や文としてアウトプットできるようになった。ずいぶん長い事これができていなかったように感じる。できるようになったから、できていなかったんだと気づき、やっぱりピルの副作用だったんだなと確信した。ピルの心身への影響は劇的だった。3番目のピル服用中はずっと水中の中にいるような鈍さや感覚だった。服用はじめてから2日目で、こんなに影響があるなんて、本当に怖いくらいだ。「頭の中の霧が晴れていく」まさにそんな感じだった。

そして4日目の今はこの気づきを残すためここに書き記している。自分の意思や人格の問題ではなく、ホルモンのバランスによって、情緒不安定になる事が自分にはあると自覚しておく事は、気をつけたり、周囲へ理解してもらうにも大切だ。離人感、うつ症状、希死念慮、情緒不安定は今までにも経験しているが、状況が普段とは違うから自覚しづらかった。

普段とは違う自分の心身が、ホルモンバランスが原因であったり、脳の病気であったり、自分でコントロールできない部分にあるにもかかわらず、それがはっきりとせず対処法もわからなかった場合、人格に問題ありとして、自身を責めたり、周囲に責められたり攻撃されたり、トラブルを起こしたりするのはかなり辛い。同じような状況の人も、医療機関を頼る選択ができればいいと思う。

仕事の上司に暴言を吐かれた件については、ピルの副作用によるトラブルとは関係の無いものなので全てが解決した訳ではない。とりあえず手術まではなんとかやり過ごそう。心療内科は保留。ピルの副作用があってもなくても、しんどい事はしんどくて、この世界が生きづらい事に変わりはないな。

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おいしいアイスクリームや、読んでみたい本を購入する事につかいます!

読んでくれてありがとうございます!
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フランス在住のおなかの弱い写真撮るおばけ。http://mitoto.tumblr.com/

コメント2件

苦しいですね

とても重みのある、厳しい、真冬のような、生きづらさ


温かな明かりと毛布をあなたに、持って行けたなら、良かったのだけれど。
お読みいただきありがとうございました。
合わないピルを服用中は、自分らしさ、感性が失われる感じがしました。
いただけるメッセージ、お言葉が温かいです。
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