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連載「建築におけるフィクションについての12章」立石遼太郎

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「フィクション」の概念を通して、建築を捉える試論。全12章の構成。///立石遼太郎氏は、修士制作《静かなレトリック》(2015、東京藝術大学サロン・ド・プランタン賞)から、一貫し… もっと読む
2019年6月より毎月10日更新(日曜・祝日の場合は翌月曜)。1年間、計12回の連載。 記事1本ご… もっと詳しく
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#立石遼太郎

連載「建築におけるフィクションについての12章」あとがき 立石遼太郎

0 「はじめに」としてのあとがき1カ月前に乗り越えたはずの締切が、もう目の前に差し迫ってい…

第12章 ふたつのフィクション──青森県立美術館 立石遼太郎

時間が何か奇妙な物に思える時。ここには隠された物、外から見ることはできるがその中をのぞき…

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第11章 横たわるサバイバルライン──中心のある家 立石遼太郎

世界は一つではない。だが複数の独立した世界があるわけでもない。 久保明教『機械カニバリズ…

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第9章 リノベーションされた舗装のうえで──Sayama Flat 立石遼太郎

一方の端に触れたら他の端が揺らいだのだ、という気がした。 アントン・チェーホフ「学生」『…

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第8章 アクチュアリティのズレのなかに──中野本町の家 立石遼太郎

この住宅がなくなったときに、この家族にとって白いチューブの空間がどのような記憶として残さ…

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番外編 レクチャー「 《静かなレトリック》と『建築におけるフィクションについての1…

0 はじめに2015年度の東京藝術大学大学院修了制作において、「レトリックから建築を見ると、…

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第7章 リアルタイムに流れる時間のうえに──天神山のアトリエ 立石遼太郎

そもそも「知る」とはどういうことだろうか。(中略)何らかの対象を表現するものを「表象」と呼ぶのであれば、不正確な表象を修正し、新たな対象を補足し、対象と表象の適切なセットを増やしていけば、私たちが生きるこの世界の全体についてさえ、いつか知ることができるかもしれない。知る者と対象の特定の関係性から生じる影響は知識を歪める者であり、できるだけその影響を排除することで客観性を保つ必要がある。 久保明教『ブラーノ・ラトゥールの取説 アクターネットワーク論から存在様態探究へ』月曜社、2

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第6章 奇妙な事実──斜めの家 立石遼太郎

サン=ラザール駅の中央ホールに入ると、私小説の世界に入り込んだような奇妙な印象に襲われた…

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第5章 その後の物語──2004、弦と弧 立石遼太郎

芸術についてのあらゆる解説と議論は、芸術作品を——そしてひろげて言えば、われわれ自身の経…

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第4章 かわいさに至る前に──2004 立石遼太郎

こうあるべき、を突き詰めた設計は完璧には出来ませんが、「なぜだめなのかどうしても分からな…

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第3章 象徴の家──白の家 立石遼太郎

「何か大事なことを決めようと思ったときはね、まず最初はどうでもいいようなところから始めた…

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第2章 軋轢の先に──古澤邸 立石遼太郎

遠い昔、遥か彼方の銀河系で… ジョージ・ルーカス監督『スター・ウォーズ』 0 遠い昔、遥か…

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レクチャー&ディスカッション  《静かなレトリック》と「建築におけるフィクション…

「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン 僕の修…

第1章 誰も乗り越えてはならない──青森県立美術館 立石遼太郎

意味作用の行き来は、《ファーンズワース邸》がそうであるように、いわばタネもシカケも現わされているにもかかわらず、生まれるイリュージョンとしてある。 ぼくたちは、表面しか見ることができない。しかしその表面から、ぼくたちはいつも、実際には見えていない裏側を想像している。裏側とは、そのものの実際のあり方である。ぼくたちは、その表面からいつも、そのものの実態を想像する。 (中略)レトリックつまり説得術を発動させるには、見えが揺るぎなく、微動だにしないで、ある虚構を演じきらなければなら

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