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【企画参加】 令和版百人一首 恋の巻 〜 他の部②

遅れちゃいました。

三羽 烏さんの企画物。
とりあえずの姐さん第一章終了につきアップさせていただきますん。






打ち寄せて 波高鳴りぬ恋焦がれ
夜が明けるまで 止まることなく

                 三日月 巴


🌊 🌊 🌊 🌊 🌊




 初めて出会ったその日から、どことはなしの親近感、美人というより愛くるしい。突然少女の様に泣きじゃくるかと思えば、すぐにオトナの様に鋭く甘い返し。遠くから見ているだけで徳次の心をたちまちとろけさせ、近くで話してみればなかなかの口をきき、触れてみればその反応は海のように深い。予想外に感じやすくイキやすい。微妙な動きは徳次の厚い胸を鷲掴んだ。文香への気持ちは大きく迫りくる波の如く打ち寄せては繰返し、その高鳴りはいまだ鳴り止まず。来る日も来る日も恋い焦がれ、会えずにいる日は眠ることさえできずに夜を明かしたり。
 親から言われて跡を継ぎ、固く物言わぬ材木相手に暑い日も寒い日もない生業。文香はそんな徳次の毎日にふらりとやってきた夕焼けのような女。
 願わくば一緒になりたいと思いながら、どこかでそれは見果てぬ夢かと人知れず、顔で笑って心で泣いて。男一徹女に惚れて、粋な着物の裾を翻し、明日は明日の風が吹く。




🌊 🌊 🌊 🌊 🌊





徳次・文香シリーズの第一章これにて一件落着🌸

またの続編もどうぞおたのしみに。



あはん♥


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