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フジロックの無い夏

昨日、どうやら東京は梅雨明けしたようだ。
立派な入道雲が発生していて、それを見た息子が、『機関車の煙みたいだよ!』
と指を指して笑みを浮かべていた。
たとえ話まで出来る様になったんだと成長に感心する。

さて、これから夏がやってくるというのに体感的にそれを感じない。何故だろう‥。
コロナのせい?それとも長引いてしまっていた梅雨のせい?

話変わって、夏といえば何を連想するだろう。海やプール、祭りに花火と風物詩が多い。
自分は音楽が好きな事もあり、真っ先に思い浮かぶのは夏フェスだ。
今や音楽フェスは夏だけの専売特許では無くなってきたが、照りつける日差しと音楽は相性が良いように思う。

フェスデビューをしたのは忘れもしない2008年のフジロック。
会社のフェス好き先輩カップルに誘われたのがきっかけだ。俺のバンドメンバーでもある親友を誘い、4人で行ったのを鮮明に記憶している。

この頃はフェス狂いになっていて、特に夏の期間はほぼ毎週どこかのフェスに出掛けていた。
ロッキン、サマソニ、スペシャ、カウントダウン、ロックス、メトロック、ビバラロック・・・などなど上げたらキリが無い。
フェスにもそれぞれ個性があるのだが、俺としてはフジロックに特別な思い入れがある。
広大な自然の中で嗜むライブが、こんなにも快感なんだって事を教えてくれたフェスだからだと思う。

フジロック会場は、苗場スキー場という山の麓のロケーション。その立地を生かし、ハイキング気分で各ステージを行き来する。
自然の中で一日中、多種多様な音楽を聴けるという非日常体験が味わえるのだ。

メインとなるグリーンステージでは、対面の山に反響する独特なディレイ感も心地良い。
芝生にリクライニングチェアで寝転がってライブを観れば、都会では味わえない贅沢の極み。

そして夜には海外大物アーティストが、大型ディスプレイをフル活用したパフォーマンスが観られる。前知識のないアーティストでも、この空間で聴く事により、スッと耳に入ってくる事もしばしば。

そんな大自然ゆえに、悪天候時はハードな体験も味わえる。
大雨、ぬかるみ、極寒、暗闇、と現代社会においてなかなか身を置かないだろう状況にもなったりする。しかも、まぁまぁの高確率で。
そんな苦行のようなフェスにも関わらず、それをも凌駕する魅力があるのがフジロックなのだ。

2008年から欠かす事なく行き続けたフジロック。自分自身13回目になる予定だった2020年は、残念ながら中止になった。
ちょうど開催されていればちょうどこの時期だ。

『俺が夏の訪れを感じるのはフジロックがあったからだ』と気付いた。

先日のnoteでも書いたが、今年は無くなって気付くものが多すぎる。【あたりまえ】という価値観を今一度改める良い機会なのかもしれない。

来年はフジロックの開催で、ぜひとも夏の訪れを感じさせてくれる事を切に願う。


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