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肩当て無し雑記

肩当てが無しで弾く場合, 楽器の重さの半分くらいは支えられない状態になります.
首や肩に力を入れて楽器を持ち上げようとすると,楽器の下側は支えられても上側は下がってしまい,さらに肩が硬直して左手の自由度が下がってしまいます.
鎖骨(と顎当て)・左手親指・渦巻 の3点がしっかりと高さを維持できることが大事です.


まず身体と楽器との接点ですが,これは動画内の大谷さんを参考にしてください.
楽器の左側が落ちないようにし, 右側はヴァイオリンの自重で自然に垂れるようにします.
力は肩~左手全体に分散させて,顎当てに顎を軽くひっかけて支えます.


大体,楽器と身体の角度は45度くらいになりますが,これは弓の持ち方の形式によっても変わります.
弓の持ち方が深い程,楽器は身体の向き(目線の向きではない!)に対して横向きに開いていきます.右手の指の間隔はやや詰まります.
逆に浅ければ楽器は身体の正面寄り, 右手の間隔は開きます.
これはあくまで傾向です.いずれも度が過ぎると演奏に支障をきたすレベルの肩こりを患うので注意が必要です.


慣れてくると,力を加えず自然に構えることができます.
左二の腕の筋肉の負担がやや強いので,筋トレ等で補うといいと思います.


楽器の健康との観点や首の長さとの兼ね合いで,いわゆる「当て布」の使用も検討するといいとおもいます.


肩当無し奏法の特徴は,裏版からの振動に意識的になれることと,否応なく楽器の構えを改善する必然性が出てくることです(姿勢が悪いとそもそも楽器を保持できない).アマチュアにおいては練習における効果が大きいと感じます.
肩当てが無いことで楽器の振動が阻害されず音が良くなる面は多少ありますが,それが原因でそもそも演奏が不安定になる場合は,素直に肩当てを付けた方がいい演奏ができるって場合もあるでしょう.
実際の演奏での肩当てのある・なしは好みと状況で決めて構わないものだと思います.

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